エジプトとローマ。魅惑の古代文明を
日本の東西で思う存分、堪能して

日本人は古代エジプト文明がお好き!? 毎年どこかしらのミュージアムで、古代エジプト文明展が開催されている気がします。その最新版が、神戸市立博物館で開催中の『大英博物館ミイラ展』。ロゼッタストーンを有し、古代エジプト文明の研究で世界を牽引し続けてきた大英博物館。その世界的な古代エジプト文明コレクションの中から選りすぐられた稀少な遺物約250点が来日しています。


若い男性のミイラと、CTスキャン画像から作成した3次元構築画像
プトレマイオス朝時代後期~ローマ支配時代初期、前100~後100年頃 大英博物館
©The Trustees of the British Museum


展覧会の目玉は6体のミイラ。役人や神官、子どもといったように社会的立場や年齢、性別もさまざまなミイラです。包帯でグルグル巻きになった中身はどうなっているのか。その謎を解明すべく、展覧会ではCTスキャンで1ミイラにつき約7000枚の画像を撮影! 最先端科学の力でミイラ化の過程や生前の健康状態まで明らかにしています。ちなみに、個人的に強く印象に残っているのはグレコ・ローマン時代の若い男性のミイラ。包帯の中の彼は、両手を胸の上でクロスさせ、少しだけ首を傾げていました。来世で復活するための完全な肉体、それがミイラ。だから、パーフェクトヒューマンみたいなポーズをしているのかも。


バックス(ディオニュソス)とヴェスヴィオ山 フレスコ
ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo©Luciano and Marco Pedicini


さて、古代文明の展覧会といえば、東京国立博物館で開催中の『特別展「ポンペイ」』も見逃せません。ヴェスヴィオ山の噴火で灰に埋まった古代ローマの都市ポンペイ。その発掘品の膨大なコレクションを収蔵するナポリ国立考古学博物館の全面的な協力の下、モザイク画やフレスコ画、彫像の傑作から、食器や調理具、果ては黒焦げとなり炭化したパンまで、日本初公開を含む約150点の名品が集結。また会場では、アレクサンダー大王のモザイク画で有名な大邸宅「ファウヌスの家」や『ジョジョの奇妙な冒険』第5部にも登場した犬の床絵がある「悲劇詩人の家」の一部を再現展示。一夜にして消えた古代都市が、一夜にして甦ったかのような臨場感がありました。会場に一歩足を踏み入れると、まるで当時のポンペイにタイムスリップしたかのような感覚に陥ること必至。逆『テルマエ・ロマエ』気分が味わえる展覧会です。

まだまだ、安心して海外に出かけられない今日この頃。博物館の会場で時空をも超えた海外旅行を追体験してみてはいかがでしょうか?


『大英博物館 ミイラ展 
古代エジプト6つの物語』

【神戸市立博物館】
兵庫県神戸市中央区京町24
開催中~5月8日 
TEL:078(391)0035
https://daiei-miira.exhibit.jp/

『特別展「ポンペイ」』
【東京国立博物館 平成館】
東京都台東区上野公園13の9
開催中~4月3日 
TEL:050(5541)8600(ハローダイヤル)
https://pompeii2022.jp



とに〜
世界でただ一人のアートテラー。難解で敷居が高い美術のイメージを払拭すべく、元吉本芸人ならではの視点で面白おかしく美術の魅力を伝える。公式ブログはこちら


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