2023.01.22

脱毛沼にハマった男たち〜デザイナー・尾花大輔の場合「『何でムダ毛処理しないんですか?』と普通に言われた」

脱毛は、次なる脱毛の欲望をかき立てる。まさに沼。一部分では飽き足らず、ここもあそこも、と脱毛にひた走る男たち。その理由とは?

脱毛沼にハマった男たち〜デザイナー・尾花の画像_1

N.HOOLYWOODデザイナー 尾花大輔の場合

N.HOOLYWOODデザイナー  尾花大輔の場合
タンクトップ&短パンからしなやかに伸びる肢体の美しさにご注目。美しく脱毛された脚は、やわらかな自然光を受け、まるで鏡面加工されたかのような輝きをたたえている。
personal data 脱毛を決意したきっかけ: スイムやワークアウト中にウェアからはみ出る脇毛が気になった 脱毛部位:脇・腕・脚→VIO 脱毛歴:1年半 脱毛を行った場所:BON BON CLINIC

ワークアウトや水泳をやっていて、 「何でムダ毛処理しないんですか?」と普通に言われた。

「実はもともと毛が濃いのがコンプレックス…とかでは全然なかったんです。むしろ人がうらやむくらい毛は薄かった。昔から、誌面の取材で半ズボンで登場したり、それこそUOMOの温泉連載に出させてもらったりなんかして、肌を露出していましたからね。体毛で悩んでいたら、そんなことはしません(笑)」と語る尾花さん。なのに脱毛? どうして? そして今やご覧のとおりのツルツルボディだ。

――体毛の悩みがなかったとなると、いったい、脱毛しようと思ったきっかけは何だったんですか?

尾花大輔(以下尾花) 僕の場合は、ジムでワークアウトをやったり、プールで泳ぐのが日課なんですけど、ジムで会うフィジークの選手やトレーナーってみんな当然のように脱毛してるんですよ。そんなツルツルの人たちと一緒にスミスマシンとかダンベルとか使ってトレーニングしてると、いやでも気になるんですよね、自分の脇毛が。「あれっ、これなんか美しくないな・・・」と。脇毛って、脇に挟まれてるだけあって、タンクトップとか着ようものなら放射状にはみ出して見えるじゃないですか。あれがキツいんですよね。若い世代の人たちが美容脱毛に抵抗ないっていうことはもちろん知っていたけど、それ以前に、ただ楽しく鍛える中で、脇毛が見えてるのが本当に嫌だなあ…って自然に思っちゃったんですよね。

――ジムにいる周りの人からの影響が大きかったんですね。

尾花 トレーナーからも「尾花さん、脱毛いいんじゃないですか。脚とかもきれいになっていいですよ!」って言われて。ボディラインを美しく見せたい人にとって、毛って絶対的に邪魔なんですよ。水泳を指導してくれている元オリンピアの子とか、プロスイマーの子とかもみんなムダ毛なんて生えてない。そんな中一人だけギャランドゥが…ってやっぱり変じゃないですか。自分の中で「もはや毛なんてないほうが自然かも」と思える条件が揃っちゃったんですね。もし単にファッションとして脱毛したいって理由だったら、ここまでやらない。理由がはっきりしてるから別に恥ずかしくもないし。

――こうして取材も受けていただいていますからね。

「おかげさまで、いろんな媒体の特集とかで、自分のセルフスタイリングをお見せするみたいなことを長年やってきましたけど、年を重ねた今は、そういうことよりも、文化的な価値観を伝えていきたいって方向に気持ちが向いているんですよね。今回、取材をお受けしたのも、自分の身体やボディラインと向き合って真剣に考える機会が最近増えて、それを自分の言葉で伝えられるのなら、すごく意味があることなのかなって」



ワークアウト中の尾花さん
ワークアウト中の尾花さん。向かって右はトレーニングメニューを考案、指導してくれる師匠的存在のkazさん。

――脱毛は脇から始められたんですか?

尾花 そうですね。ジムでの筋トレ中は自身のボディラインを見ながらやるわけで、また逐一、写真や映像で記録にも残しているから、どうしても脇が気になっちゃって…。とにかく脱毛やってみるかと思い立ち、まずは脇を自分でサッと剃ってみて…。その後どうしよう?と思って「よし、半ズボンはくしなあ」と、同じく脚をサッといきました。

――脇からスネまで、思い切りいっちゃったんですね。

尾花 最初からサロンに行く決意はしていたし、どのみち剃らないと施術できないって聞いていたので、そこは思い切って。50手前のおじさんが本当に大丈夫かな?と葛藤がなかったわけじゃないけど、「こうしてためらっていても何も変わらないな、よし、やったろう」と。


N.HOOLYWOODデザイナー  尾花大輔さん 脇
N.HOOLYWOODデザイナー  尾花大輔 太もも
「ワークアウト中に言われて気になって仕方なかった」という脇毛ももはや皆無。短パンから伸びた自慢の脚が一段と映える。


――今や本当にツルツルですもんね。

尾花 脇に続いてスネの脱毛ももう終わってますね。自分はスムーズに進んでラッキーなほうじゃないかな。人によってはレーザー施術で一時的に毛が濃くなるパターンもあるみたいだけど。強いて言うなら、僕も腕の毛なんて全然薄かったのに一時的に少し濃くなった気がします。トータルで通ったのは1年半くらいですね。

――今となっては「なんでこんなもの生えてたんだろう」って感覚ですか?

尾花 それに近いかな。ないほうが圧倒的に快適です。ただ同時に肌が敏感になるから、ちゃんとスキンケアはしないといけない。脱毛って事前に自分で毛を剃る必要があるから、そこから菌が入って吹き出物や赤みができる恐れがある。自分も腕とか超きれいだったのに、ブツブツができちゃって…。脱毛サロンに行った後は、マキロンで全身消毒をして、保湿クリーム塗ってました。

――最初から全身やる予定だったんですか?

尾花 そうですね。脱毛経験者ならわかると思うんですけど、全身やらないと「Tシャツ着てるのにパンツはかない」みたいな居心地の悪さがあるんですよ。アウター着てパンイチみたいな・・・。中途半端感をすごく感じる。ただ、脱毛ってムダを省いてなくして…って引き算の考え方だから、何となく自分にはもともと合っていたのかも。もし、これが何かしら「足す」アプローチの施術だったら多分やってなかった。普段装飾品もあまりつけないし。


現在は、ほぼ生えずうぶ毛程度。トリマーで優しくカットしてケアしている。
現在は、ほぼ生えずうぶ毛程度。トリマーで優しくカットしてケアしている。

――毛、いざなくなったら、たまに恋しくならないですか?

尾花 全然。なくなったらただただ最高だから、早くやった方がいいですよ。精神的にも若返ります。基本的には白髪になると脱毛できないなど、タイムリミットもある。VIOの毛なんかは介護上の問題もありますし、絶対にないほうがいい。将来的には、脱毛はもっと当たり前のことになると思いますね。自分の場合は、たまたまワークアウトの一環で身体のプロポーションと向き合った結果、脱毛したいと思ったわけだけど、逆のパターンもあるかもしれない。つまり、これまで筋トレが苦手だった人でも、脱毛してきれいな身体を手に入れたら、それを機に自分のボディラインを締めようかな、と思えるかもしれないですよね。食生活に気を配るようになったり、自分の身体を気にするいいきっかけになる。女子にもモテると思います(笑)。

――最後に、全身ツルツルなのにヒゲは生えてますよね。ヒゲ脱毛はやらないんですか?

尾花 確かに、ヒゲは美的感覚どうこうというより、シェービングの手間がかからないという意味では楽になってよさそう。ただヒゲに関しては、自分でもまだ答えが出ていなくて。将来的に仮に頭髪が薄くなったり白髪になったりしたときに、もしかしたらヒゲがあったほうがバランスがいいかもしれない。だからヒゲに関しては当面保留です(笑)。


将来何があるかわからないから ヒゲだけは保留です(笑)。

N.HOOLYWOODデザイナー  尾花大輔さん 画像2
PROFILE 尾花大輔 1974年神奈川県生まれ。2001年にN.ハリウッドをスタート。現在はさまざまなブランドとのコラボレーションや企画にもかかわる。筋金入りの温泉&サウナ好き。鼻毛脱毛にも興味あり。



Photos:Go Tanabe

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