2023.06.12

【皮膚科専門医がダメ出し】間違いだらけ!? やってた“つもり”のUVケア

“光老化”という言葉があるように、紫外線=UVが肌にもたらすダメージは大きい。スキンケアが不十分だと美肌貯金がゼロどころか赤字に! なんてことも。何もしないと増えるばかりのUV負債、一日でも早く返済できる能力を身につけろ!

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間違いだらけの紫外線ケアからイチ抜け。 グッバイ、UV負債

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間違いだらけ!? やってた“つもり”UVケアを添削

それなりにスキンケアに気を遣い、自分なりの知識があったつもりでも、そのケア、本当に正しくできていたのか? 日常に潜む落とし穴を赤ペン添削! 美肌貯金どころか知らぬ間に背負っている負債を正せ。


【皮膚科専門医がダメ出し】間違いだらけ!? やってた“つもり”のUVケア_03

1保湿で安心するなかれ。日焼け止めまでがベーシックケア

UVケアの観点で考えると、朝のスキンケアは保湿で終わりではない。屋外はもちろん、紫外線は屋内でも降り注ぐ。UVカットガラスではない場合、屋内の日の当たる窓辺では直射の80%の紫外線を浴びることに。室内の日陰でも10%はあり、屋内外かかわらず日焼け止めは必要。朝のスキンケアは日焼け止めまで、を習慣化しよう。

2曇天でも紫外線はある! 快晴時の5〜6割の量が降り注ぐと心得よ

空に雲がかかりあまり日差しがないように感じる日でも、紫外線は容赦なく降り注いでいる。曇り空の場合、快晴の日の50〜60%くらいを浴びているといわれ、薄曇りの場合は80〜90%とほぼ晴天時と変わりない。下方先生曰く「紫外線の前では、雲なんかガードの役に立たない」。曇り空だからといって油断するなかれ。

3夏だろうが冬だろうが空に太陽がある限り紫外線は降り注ぐ!

紫外線対策=夏やレジャー時にのみやるべきものと思い込んではいないだろうか? 一年のうち照射量が増加し始めるのが4月で、ピークとなるのが8月。もちろんその後も、ピークアウトしたからといっても紫外線は降り注ぐ。夏から本気、じゃ遅すぎる。

4化粧品も酸化する! 去年の使いかけは潔く手放せ

どうにも使い切れず、残りがちな日焼け止め。見つけた使いかけをそのまま塗ってしまいがちだが、ちょっと待った。基本的に未開封の化粧品は3年は品質が保たれるが、開封すれば空気に触れ酸化し、劣化する。油分が分離していたり、油が変質したようなニオイがしたら要注意。機能的にも肌のためにも、日焼け止めは毎年更新だ。

5日焼け止め=ベタベタするは昔のハナシ。最新アイテムに更新だ

日焼け止めが“ベタベタする”のは昔のハナシ。特有のキシキシ感やベタつきがあるコスメはぐんと減った。レジャー時にも使えるSPF 50クラスでも負担の少ないものが多いが、気になる場合はより軽いテクスチャーのものが多いSPF30のアイテムを。30でも紫外線のカット率は96.6%ほど。使い心地ファーストで選んでいい。

6ウォータープルーフなど落ちにくいアイテムはクレンジングでオフ! 肌残りに注意せよ

長時間外にいる日やレジャー時に頼りになるのがウォータープルーフの日焼け止め。アイテムにもよるが、洗顔料ではなくクレンジングで落とすべき製品も多い。基本的に洗顔料は皮脂などの汚れを落とすものが多い。ウォータープルーフの日焼け止めを落とすには不十分なことも多く、落としきれないと肌荒れの原因にも。


細胞エラーを引き起こし老化の 大半の原因となるUV負債を侮るな

渋谷スクランブル皮膚科院長
下方 征 先生プロフィール画像
渋谷スクランブル皮膚科院長 下方 征 先生
皮膚科専門医。最新の美容医療にも精通。自身もUOMO世代でライフスタイルに即した診療にも定評が。

 子どもの頃は紫外線がそこまで害悪だと考えられていなかったUOMO世代。今でこそよくないものだとの認識はあるが、正しく理解しているか?


「太陽光の中には赤外線、可視光線、紫外線があり、可視光線より波長が短いものを紫外線といいます。オゾン層である程度カットされますが、その6%が地上に届きます。紫外線による影響はさまざま。まずはUVB。ヒリヒリした日焼けをつくる光線で、真夏のビーチで1時間ボーッとしてたらやけどみたいになるように炎症を招くもの。そしてUVA。タンニングと呼ばれる、肌を黒くする日焼けをもたらします。黒くなること自体は悪いことじゃないのですが、UVAは肌表面だけじゃなく真皮まで達し、肌の弾力を支えるコラーゲンを断絶させ、破壊してしまう。さらにシミ。肌表面の角化細胞が紫外線からダメージを受けると正しく代謝されずに蓄積し、シミになります。本来、細胞のDNAには修復機能が備わっていますが、致命的なダメージを受けるとそのエラーが治らないまま引き継がれていく。肌表面は代謝されても、爆弾を抱えたまま遺伝子が引き継がれていくイメージです。これが日々のさらなるダメージや加齢により爆発し、シミやさまざまな老化の原因に。日焼け止めはこのダメージから肌を守る盾。若いときにたくさん紫外線を浴びている人ほど、これからのケアが大事になります」(下方先生)



Illustration:Takao Kawasaki 
Text:Atsuko Watanabe

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