カジュアルな印象が強いG-SHOCKだが、実は大人が楽しめる本格派ウォッチへと進化中。ウォッチディレクターの篠田さんから、その最新事情を学んだ。
G-SHOCKの最新事情を学ぶ
デザイナーであり、PR会社「にしのや」ディレクターでもあるファッション業界の中心人物。新作からアンティークまで、幅広くアンテナを広げる時計愛好家でもある。
アートを愛するビジネスマンで、この撮影後に、インドのアートフェアへと旅立ったアクティブ派。時計はアクセサリー感覚で楽しむタイプだが、本格時計への興味が増してきた。
時計愛好家のためのもう一つの究極形
40代のUOMO読者にとって、G–SHOCKは甘酸っぱい青春とつながっていることだろう。1983年にデビューしたG–SHOCKは耐衝撃というコンセプトをひっさげ、まずはアメリカで軍人や警察官などから高い評価を受ける。そして逆輸入という形で日本に伝わり、熱狂的なブームを巻き起こす。発売日には時計店に長蛇の列ができ、限定モデルはすぐにプレミア化。音楽やファッション、スポーツといったユースカルチャーとも連動し、男子たちの青春を支えた。
西野 G–SHOCKが盛り上がっていた頃は、アメカジ好きの中学生。当時はアメリカのブランドだと思ってた。でも自分よりも上の世代の時計という印象があったかな。
大國 僕は世代的にはど真ん中なのですが、自分のファッションに合わなかったので、G–SHOCKにはハマらなかった。でも5600やフロッグマンといったモデル名は覚えています。それくらい人気でしたね。
しかし1997年をピークにブームは去り、それとともにG–SHOCKを卒業してしまった人も少なくないだろう。ところがG–SHOCKは、2009年頃から不死鳥のごとく甦った。耐衝撃性能というコンセプトを守り抜き、メタルモデルやアナログモデルといったバリエーションを増やしたことが功を奏し、それに加えて、アメリカを中心に海外人気が高まったことも追い風となった。
そして、2025年3月末時点で世界累計出荷個数が1億6000万本を超えるほどとなり、世界的時計ブランドとして完全に定着している。そんなG–SHOCKだが、新たな展開として、最高峰ライン「MR–G」の高額モデルが人気を集めている。中でも新たなマスターピースとして注目される2100シリーズの最高峰「MRG–B2100」は、50万円以上の高額モデルとなっている。
西野 確かにカッコいい時計ですけど、どうしてそんなに高価格になるんですか?
篠田 高品位の金属素材を使用し、しかも細部まで磨き上げるためにケースは27個のパーツで構成されていますからね。搭載機能を絞り込むことで時計らしいデザインとなりましたが、リュウズ部分にクラッドガード構造という耐衝撃構造を組み込むところはG–SHOCKならではでしょう。
大國 これってどういう人が購入するのかな。
篠田 G–SHOCKファンは世代交代のフェーズに入っており、かつてのG–SHOCKファンが大人になって高級時計を買えるようになり、子ども用にこなれた価格のモデルを購入する一方で、休日用の時計として進化したハイエンドG–SHOCKを手にする事例が増えているんです。
西野 それはちょっとわかるな。僕も若い頃に透明のイルクジモデルに憧れたけど、当時は高すぎて買えなかった。でも2019年に同様の透明の“イルクジ”モデルが発売されたのを知って、すぐに買いましたから。
大國 長く続いているブランドだからこそ、そういう楽しみ方ができるんですね。機能面は進化しているんですか?
篠田 ブルートゥースでスマホとつなぎ、アプリで時刻修正などの操作ができますよ。
西野 それっていいな。僕は毎年家族でハワイに行くのですが、このG–SHOCKをプールサイドでつけてたらカッコいいかも。時刻修正が自動でできるのもうれしい。
篠田 しかも光発電なので、電池交換も不要。高級感のあるダイヤルですが、実は光を通すための微細な穴があいてるんです。
大國 まったくわからないですね。聞けば聞くほど本気で作っていることがわかる。このデザインならビジネスシーンでも使えそうです。
耐衝撃性能という軸をブレさせずに、高級路線でも評価を高めているG–SHOCK。あのときの自分から成長した大人の選択肢として、一考の価値はあるだろう。