2025.05.13
最終更新日:2025.05.13

ザ・シチズンのAQ4100-57E × 御菓子司 中里の揚最中【時計と手土産のおかしな関係 #16】

時計も手土産も、会う人を想って選ぶもの。毎月気になる時計の新作をピックアップして、ユニークな共通点のある手土産を一緒にお届けする。

CITIZEN|ザ・シチズン AQ4100-57E

CITIZEN|ザ・シチズン AQ4100-57E
クオーツ。スーパーチタニウム。ケース径38.3㎜。¥418,000/ザ・シチズン(シチズンお客様時計相談室)

テクノロジーから生まれた
愛し抜ける高性能ウォッチ

大きな時分針にシンプルなインデックスを合わせ、ダイヤルにはブランドの象徴「イーグル」の優雅な羽ばたきを表現した端正な時計。しかし光発電エコ・ドライブで駆動し、その精度はなんと年差±5秒。しかもチタニウムにデュラテクトという表面硬化技術を施した独自素材を使い、軽くて傷つきにくい。

御菓子司 中里|揚最中

御菓子司 中里|揚最中
「揚最中」¥186(1個)/御菓子司 中里

加えたひと工夫で
愛され続ける銘菓に

江戸時代から庶民に親しまれてきた最中(もなか)を進化させたのが、東京・駒込「御菓子司 中里」の三代目。彼は最中の皮をゴマ油で揚げ、つぶあんを挟んだ「揚最中」を昭和初期に考案した。ザクッとした歯触りと香ばしい香り、そしてあんの甘さを引き立てる焼き塩が三位一体となり、得も言われぬ口福が訪れる。トースターなどで炙ると、さらに風味がよくなる。

多様性を楽しむ“東京生まれ”の時計と銘菓

 観光客にあふれる東京は世界屈指の人気都市。その魅力は語りきれないが、さまざまな価値観が入り交じる多様性を評価する人は多い。そんな東京ならではの個性が詰まっているのが、東京で生まれ育った「ザ・シチズン」だ。

 このブランドは、1918年に現在の高田馬場で創業したシチズンのフラッグシップ。市民のために良質な時計をつくってきた同社の歴史が詰まっており、嫌みのないデザインに高精度ムーブメントを合わせ、先端技術から生まれた美しい外装を取り入れた。普遍的でありながら、高度なハイテク技術が詰まっているという多様性こそが“東京”らしさなのだ。

 そんな時計に合わせる手土産には、御菓子司 中里の「揚最中」をすすめたい。最中の皮を上質なゴマ油で揚げたことで、サクッとした風味が加わる。最中という伝統菓子にひと工夫を加えたことで、100年以上も愛される東京の銘菓となっている。

 東京という街は、異なる価値観を受け入れる度量がある。普通に見えて普通じゃない時計や銘菓にも、そういった文化の力を感じることができるのだ。

時計を選んだ人|ウォッチディレクター
篠田哲生

40を超える媒体で時計記事を担当し、イベントの企画なども手がける。手土産はあげるよりも、もらうほうが多い。

手土産を選んだ人|スタイリスト
小林 新

広告や雑誌で活躍。撮影現場などに持っていく手土産に一家言アリ。時計好きでもあり、ヴィンテージを複数持つ。

RECOMMENDED