雨の日の出会いが功を奏して
香水は嗅覚を喜ばせるだけでなく、コンセプトやストーリーを求められる時代。ディプティックにある、香りを持たないものをインスピレーションに作り出される特別なコレクション「レ ゼサンス ドゥ ディプティック」から登場した、オードパルファン「ラズリオ」が表現しているのは美しいクジャクの羽。
ほのかに酸味を感じるルバーブから始まり、ベンゾインのクリーミーな香りと続き、ベチバーのニュアンスからの最後に香るのはローズ。確かにクジャクの羽に見られるブルーのグラデーションを思わせる。
初めてこれを嗅いだのは雨の日だった。まだ気温が高く、不快な東京の雨の中でこの香りに包まれて、鼻をスッと通り抜けつつ優しさに包まれる不思議な出会いだった。それ以来、朝、雨が降っている日は自然と手が伸びる一本になった。この原稿を書いている今日も雨が降っている。
編集主任
中野健吾
ファッション担当。映画と韓流ドラマが好き。甘いものと炭水化物が大好きで、運動は嫌い。にも関わらず30歳半ばを過ぎても中学時代と体重が変わらない代謝の良さが自慢。ワードローブは、白、黒、ベージュ。
Movie&Photos：Mitsuo Kijima
Stylist：RUI
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Editor Shibutsu
