ベーシックから“あるようでない”を探す愉しみ
クラシカルなロングコート、ウォッシュドデニム、レザーアウター、カシミヤニット、淡い色のシャツ…年々コレクションを重ねるごとに、もはや手に入らないベーシックはないといえるほど、近年のオーラリーは高いクオリティで、より充実したラインナップを展開している。その中から、ベーシックに使えつつも、より独創的なアイデアを感じさせるアイテムを探すのがまた楽しい。このホームスパン風に仕上げられたシャツブルゾンは、まさにそう。
微光沢を放つ細番手のウールで仕立てられたシャツブルゾンなら見たことがあるが、おじいちゃんが着ているようなツイード生地で作られたものは見たことがない。シャツと呼びつつ、アウターとして着られるようカッティングになっているが、あくまでボタンは小さいままで、こうしたバランスは古着でも見ることができないモダンさで気分が高まる。
シャツや薄手のニットとレイヤードしたいので、袖裏があればなお嬉しかったが、背中に裏地があるだけでも気が利いていて、生地、裏地、ボタンと、トーンバランスが美しい。
編集
西坂和浩
クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。
Movie&Photos:Mitsuo Kijima
Stylist:RUI
265
Editor Shibutsu