扇げばバルセロナの風を思い出す

松下洸平さんの連載スペシャル回の撮影で訪れたスペイン。バルセロナでのロケハン時に立ち寄ったのが、10月号表紙の撮影場所にもなったモンジュイックの丘に建つ、世界最大の個人美術館であるミロ美術館。ジョアン・ミロはバルセロナで生まれ育った、遅咲きのシュールレアリスト。カラフルな原色のオブジェや巨大タペストリー、版画、スケッチなど彼の作品約1万点が所蔵されている。10月号で松下さんがラグジュアリーブランドを着こなした「バルセロナに恋して」特集はミロの作品から着想を得て撮影予定だったので、本番前に実物を見ることができてフォトグラファーと一緒に興奮していた。
そしてお楽しみはやっぱりミュージアムショップ。カラフルなお土産が多数並ぶ中で、黒バックに白文字のサインが描かれた扇子に目が留まる。スペインで日本的な扇子って、どうかなあ、と思っていたら「フラメンコでも使用する扇子は、実はスペインの定番土産なんですよ」とコーディネーターさん。箱にはしっかりMade in Spainの文字が。ミロのサインながら、どこかジャクソン・ポロックのようでもあるモダンアートな佇まいに惹かれた。たしかに、バルセロナでよく見かけた観光客向けの露店では扇子がだいたい売られていた。



編集主任
中野健吾
ファッション担当。映画と韓流ドラマが好き。甘いものと炭水化物が大好きで、運動は嫌い。にも関わらず30歳半ばを過ぎても中学時代と体重が変わらない代謝の良さが自慢。ワードローブは、白、黒、ベージュ。
Movie&Photos:Mitsuo Kijima
Stylist:RUI
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Editor Shibutsu