青い紙に書ける日は来るか

ノートを開くという習慣がめっきり減った。編集会議中も、打ち合わせでも、常にポチポチ、カタカタ打っている。この春、贈り物でスマイソンのノートをいただき、久しぶりに「書きたい欲」にかられたのである。10年以上前、メンズノンノ編集部にいた頃、はじめてのロンドン出張で僕の行きたいお店リストのひとつにスマイソンが入っていた。20代前半の自分にとって「スマイソンブルー」は大人の色であり、高級なその紙に殴り書きすることに快感を覚えた。2020年に紙のスケジュール帳をやめ、スマホでスケジュール管理をするようになってから、いよいよスマイソンに触れる機会は消滅した。そこにきて、青い紙との邂逅。
ロンドンのエリア名である「SOHO」と名付けられたノート。スケジュール帳ではなく、最もオーソドックスな横罫線で、表紙は柔らかな羊革。下部には「UOMO」と金の刻印あり。雑誌への忠誠心が感じられなくもない。青い紙はUOMOのWEBで使われている「ウオモブルー」にも見えてきた。編集部員にとって完璧なノートではないか。
ただこういったノート、最初のページに何を書くか、答えがいまだに分からず、まっさらなままデスクに鎮座している。そんなことを考えている時点で大人ではない。



編集主任
中野健吾
ファッション担当。映画と韓流ドラマが好き。甘いものと炭水化物が大好きで、運動は嫌い。にも関わらず30歳半ばを過ぎても中学時代と体重が変わらない代謝の良さが自慢。ワードローブは、白、黒、ベージュ。
Movie&Photos:Mitsuo Kijima
Stylist:RUI
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Editor Shibutsu