インビジブルこそ、究極の機能美

自分はGMTを欲しいと思ったことがあまりない。たくさん持てるならばひとつコレクションに加えたいが、いささかタフな印象が強い。しかし、驚くほどエレガントなGMTがあると聞けば話は変わってくる。
パルミジャーニ・フルリエは、知る人ぞ知るブランドから、年々認知度とモデルバリエーションを増やしている注目のブランド。無駄をそぎ落とした「トンダ PF コレクション」は、贅沢の究極形のひとつともいえるが、それに新色のGMTが加わった。
このGMT ラトラパンテの魅力は、大きくふたつある。ひとつは、2カ国目の時刻を表す短針が、普段は本来の短針の下に重なって隠れていること。つまり、プッシャーを押してゴールドの短針を出さない限りGMTとはわからない。そしてもうひとつが、この瑞々しいブルーのフェイスカラーである。パルミジャーニ・フルリエといえば、毎シーズン独特なカラーパレットを用いることでも知られている。いわゆるGMTの真逆をいく静かな一本。異国の太陽の下で眺めたい。
パルミジャーニ・フルリエ
pfd.japan@parmigiani.com

クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。
Photo: Yoshio Kato
Stylist: Takeshi Toyoshima
Composition: Ai Hogami