コンパクトに収納できる軽量ダウンは、もはや冬の必需品。アウターはもちろん、真冬はミッドレイヤーにもなる汎用性が魅力だ。気温や装いに応じて着こなせる柔軟さも、現代のライフスタイルに寄り添う。ここでは、最新テクノロジーと洗練されたデザインが融合した、大人が選ぶべき「薄くて軽い」ダウンを紹介する。
01. HERNO|NYLON ULTRALIGHT PACKABLE BLOUSON
ヘルノの代名詞「軽さ」を極めた、驚異のパッカブルブルゾン。なめらかな感触を持つ20デニールナイロンにダウンを直接注入する独自技術で、持った瞬間に驚くほどの軽さを実現している。季節の変わり目はこれ一枚で、真冬はコートのインナーとして活躍するトランスシーズナルな一着だ。
本体ポケットに収納すれば、カバンにもスッと収まる携帯サイズに。フードのドローコード、袖口のウインドカフス、左右のジップポケットなど細部まで抜かりなく作り込まれ、撥水加工で急な雨にも対応する。ダウン90%、フェザー10%の黄金比により、薄くても確かな暖かさを生み出すイタリアンラグジュアリーの真骨頂。
02. Goldwin|1000FP Sputtering Hooded Down Jacket
ダウンの品質を示すフィルパワーは最高値の1000。つまり、最小限の量で最大限の暖かさを生む究極のダウンということ。ダウンパックを使わない柔らかな仕上がりは、体の動きに寄り添ってくれる頼もしさがある。さらに巧みなのは背面の設計。バッフルを広くとることで、ダウンが体幹部分に集まり、効率的に体を温める。
裏地に施されたチタンスパッタリング加工も、薄さと暖かさの両立に一役買っている。チタンの微粒子を蒸着させたこの特殊な加工は、体から発する熱を効率的に反射し、薄い生地でも驚くほどの保温力を発揮する。コートの下に着ても着膨れせず、それでいて単体でも暖かい。これぞまさに、都市生活者が求める理想形だ。
03. KARRIMOR|cross grid down jkt
英国生まれのカリマーが提案するのは、クラシックなダイヤキルトの美学。このキルティングパターン、実は見た目だけでなくダウンが偏らないための設計。ひし形のステッチが規則正しく並ぶ様子は、どこか懐かしさと品の良さを感じさせる。10デニールの極薄素材なのに、思いのほかタフで頼りになるのが意外な発見だ。
横方向の突っ張り感を軽減する構造のおかげで、電車でつり革を掴んでも肩まわりが楽なのは、通勤戦士には地味に嬉しいポイント。朝晩の寒暖差が激しい季節、オフィスに一着常備しておけば、急な外出や残業でも慌てることがない。毎日使える実力派として、クローゼットの定番になること間違いなしだ。
04. NORRØNA|trollveggen superlight down800 Hood
北欧ノルウェー発の万能ダウンが、オールシーズン活躍してくれる。800フィルパワーのダウンには撥水加工「ExpeDRY」が施され、急な雨でも慌てずに済む安心感がいい。さらに3.5㎜幅の細かなキルティングが職人技のような美しさを見せながら、どこを触っても均等な暖かさを実現している。
肘の立体裁断により腕の動きはスムーズで、ビーニー対応フードのフィット感も秀逸。背面を長めにとったデザインは自転車通勤時も腰が出ない絶妙な配慮だ。裾のスピンドルが風の侵入を防ぎ、リフレクティブロゴで夜間の視認性も確保。スカンジナビアンデザインの機能美が光る、頼りになる一着といえるだろう。
05. Columbia|Corelite™ Down Jacket
コロンビア独自の「オムニシールド」撥水技術が、小雨なんて気にしない身軽さを約束する。700フィルパワーのRDS認定ダウンがしっかり暖めてくれるから、朝晩の冷え込みも余裕でクリア。左ポケットに本体を丸め込むパッカブル仕様は、旅慣れた大人の必需品だ。20デニールの生地が生み出す、しなやかな着心地もいい。
表地の高密度ナイロンが耐久性を確保し、長く付き合える頼もしい相棒になってくれる。PFAS不使用という環境配慮も、今どきの大人なら外せないポイントだろう。ロゴをさりげなく配したミニマルなデザインは、着る人を選ばない懐の深さが魅力。週末のアウトドアから出張まで、フレキシブルに対応してくれる万能選手だ。
06. Product Twelve|Utility Down Jacket Made by ZANTER
小松マテーレの「ダントツ撥水」とブルガリア産ムラードダックダウンが出会った、特別な一着。何度洗濯しても撥水性が落ちないから、雨の日も気にせずガンガン着回せるのが嬉しい。変形スプリットラグランという聞き慣れないパターンも、実は前から見るとセットイン、後ろから見るとラグランという遊び心ある仕掛け。
脇下のベンチレーションを開ければ、満員電車で汗ばんでも快適にやり過ごせる。裾口と袖口裏の内蔵ゴムが程よいホールド感を生み、風の侵入もしっかりブロック。東洋羽毛が手がけた上質なダウンの膨らみは、着るだけで気分まで軽やかにしてくれるはず。左腰ポケットに収納できるパッカブル仕様も旅好きには嬉しい。
07. Marmot × City Ambient Products|750FP PRIME DOWN JACKET
アウトドアブランドの武骨さを、都会的なムードで包み込んだシティ アンビエント プロダクツ別注モデル。微光沢のマイクロリップストップ生地が醸し出す上品な佇まいは、休日のカフェでも浮かない絶妙な塩梅だ。身幅広め・着丈短めの都会的なバランスで、750フィルパワーのダウンが確かな暖かさも約束してくれる。
2層仕様のダイヤキルトのステッチが作る陰影も、さりげないアクセントに。ユニセックスで着られる絶妙なサイジングだから、パートナーと「今日はどっちが着る?」なんて会話も生まれそう。両裾のドローコードでシルエット調整も自在。手洗い可能なため、週末のヘビロテにも気兼ねなく対応してくれる頼もしさがいい。
08. NANGA|ULTILIGHT DOWN PARKA PACKABLE
国産シュラフブランドが本気で作った、街でも山でも頼れる相棒。10デニールの極薄ナイロンなのに、着ると意外なほどタフで、ガシガシ使えるのが気持ちいい。撥水加工も施されているから、多少の雨なら気にせず行動できる。フードと袖口のシャーリングゴム、絶妙なフィット感は、自転車通勤の強い味方になってくれるはず。
右腰のダブルポケットは着用時はジップポケット、収納時はスタッフサックに変身する巧妙な設計。本体を丸め込めばカバンの隅にポンと放り込める手軽さも魅力的だ。朝晩の寒暖差が激しい季節には、「持っててよかった」と思える瞬間が必ず訪れる。厳冬期にはミドルレイヤーとしても活躍する、シーズンレスな実力派だ。
09. 無印良品|Pocketable Coller Less Vest
もはや説明不要の大ヒット商品。750フィルパワーのダウンがこの軽さで手に入るなんて、一昔前なら考えられなかった。ステッチレスの三層構造が生み出すフラットな表面は、ジャケットのインナーに忍ばせても着膨れしない優秀な仕上がり。マットなナイロン素材が、大人の品格を演出してくれるのも嬉しいポイントだ。
静電気を軽減する帯電防止糸を使った裏地の配慮も、冬のストレスから解放してくれる。週末のワンマイルウェアとしても、平日のスーツの下にも、どんなシーンでも溶け込む懐の深さがいい。襟なしのすっきりしたデザインはインナーとしても主張しすぎない。無印良品らしいミニマリズムが、いまかえって新鮮に映る。
10. THE NORTH FACE|ZIZ Aconcagua Jacket
2002年のディテールを蘇らせた、ザ・ノース・フェイスの定番中の定番。光電子ダウンという近未来的な素材が、じんわりと体を温め続けてくれる不思議な心地よさは、一度味わうとクセになる。20デニールナイロンの上品な光沢は、アウトドアブランドらしからぬ都会的な表情を演出している。
ゆったりシルエットだから、お気に入りのパーカを中に着ても窮屈さを感じない。ジップインジップ対応で拡張性もあるため、「今日は寒いな」と思ったら別売りのシェルと合体させればOK。擦れやすい袖口と裾はタフタ生地で補強されているのも心強い。付属のスタッフサックも、旅の良き相棒になってくれるはずだ。
11. SOUTH2 WEST8|Inner Down Jacket
インナーダウン専門ブランドTAIONとのコラボが生んだ、個性派ダウンの決定版。なんといってもブランドオリジナルのホーン柄をキルティングで表現した、アート作品のような一着だ。「人と同じは嫌だけど、奇抜すぎるのも……」という大人のわがままに、絶妙に応えてくれる塩梅が心憎い。
ゆとりのあるサイジングのおかげで、インナーとしてだけでなく、主役級のアウターとしても堂々と着こなせる。フロントジップの引き手や収納袋にまでオリジナルロゴをあしらったディテールワークは、ファッション好きの心をくすぐる仕掛けだ。周りと差をつけたいなら、迷わず手に取るべき一着といえるだろう。
カリマーインターナショナル TEL:03-3221-6883
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Photo: Yoshio Kato
Stylist: Takumi Urisaka
Text: Yuji Kuramochi
Composition: Ai Hogami