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JIL SANDERのネイビースーツ
2026.04.09
最終更新日:2026.04.09

JIL SANDERのネイビースーツ

UOMOブランド統括 山崎

見れば見るほど気づかない。

JIL SANDERのネイビースーツ

例えば昭和の雑誌の巻末コラム、最近ならイタリア系ファミレスのメニューでおなじみの間違い探し。実は自分はあれが得意だ。校正等で誌面を凝視することが多い職業柄かもしれないし、90年代に流行したステレオグラムで培った裸眼立体視を駆使し、左右の目それぞれで絵を見つめて互いの齟齬を察知するテクも持っている。

で、このジル サンダーのスーツ。展示会で見たときに普通でいいな、と深く考えずにiPhoneで撮影して「エディター推し」企画用のアイテムリストに入れていた。いわゆるジル サンダーらしく「クリーンな」と形容されるであろうネイビースーツだ。しかし、その実これが普通のスーツとはかなり違うことに気づくだろうか? 目を凝らして仔細に見ると… まず「袖のボタンがない!」。この程度は袖を通した後に腕を見ると気づくかもしれない。次に「胸のポケットがない!」。灯台下暗しというやつで、顔から近い位置だとかえって気付かないものだ。最後に「フロント第二ボタン用のボタンホールが比翼になって見えない!」。自分はジャケット最下部のボタンを留めることが決してないので、買ってもずっと気づかないかもしれない。と、何が言いたいかというと、このスーツは引き算のディテールだけでも、けっこう攻めてるなということ。一見シンプルに見えても、着てみるとモダンでモードな味付け。こういう気付きはやはり楽しい。

JIL SANDERのネイビースーツ ジャケット
JIL SANDERのネイビースーツ パンツ
ジル サンダーといえばこれ、というシグネチャー的アイテムでもあるネイビースーツの新作。ヴァージンウールとモヘアを混紡したハリと光沢、柔らかさを備えたキャンバス地。ジャケット¥544,500・パンツ¥203,500/ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

ジルサンダージャパン
TEL:0120-998-519

山崎貴之プロフィール画像
UOMOブランド統括
山崎貴之

ワードローブは、アウトドアやミリタリーものから唐突なハイブランドまで混ぜたもん勝ち。恒例「試着フェス®」発案者だが、ショップに行く暇を惜しみ、試着ゼロ状態で衝動的に通販しがち。好きなモノは、深夜の飲酒からの寝落ち。MT車の運転。スノーボードとキーボード。

Photo: Yoshio Kato
Stylist: Takeshi Toyoshima
Composition: Ai Hogami

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