「昔っぽい名前」で出ています。
シャツの襟裏タグをよく見て欲しい。スマホならピンチアウトで拡大してほしい。通常のメゾン マルジェラ特有の数字が並んだカレンダータグの上に、小さな筆記体のブランドネームタグがあるでしょ。その古風な書体のタグを見た瞬間、このシャツを買いたくなった。他にもほつれた襟先や袖、胸元に小さくあしらわれたM.M.の刺繍が。見ているとお店のラックになにかの間違いで古着が混じってしまったような、他人のクローゼットに迷い込んだような錯覚を覚える。本当の古着でもないのに。昔からメゾン マルジェラで買い物すると、誰かの記憶を一緒に辿ってるような感覚が味わえて大好きだった。
この筆記体タグで思い出したのが、手持ちのコート。15年ほど前、メゾン マルジェラの⑭ライン内に、メンズワードローブをまとめた「サルトリアル」というコレクションが登場してあっという間に消えたことがあったが、自分は運よくコートを一着買っていた。その「サルトリアル」コレクションは「Maison Martin Margiela」のブランド名が筆記体で、ベージュ糸の刺繍で入れられていた。ちょうど誰かがオーダーで誂えた服に自分の名前を刺繍しているみたいに。先日、自宅衣装ケースからその古いコートを掘り返して着てみたら、現在の自分のわがままボディには見事に肩がパッツパツだった。でも宝物です。
マルジェラ ジャパン クライアントサービス
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ワードローブは、アウトドアやミリタリーものから唐突なハイブランドまで混ぜたもん勝ち。恒例「試着フェス®」発案者だが、ショップに行く暇を惜しみ、試着ゼロ状態で衝動的に通販しがち。好きなモノは、深夜の飲酒からの寝落ち。MT車の運転。スノーボードとキーボード。
Photo: Yoshio Kato
Stylist: Takeshi Toyoshima
Composition: Ai Hogami

