2018.03.25

【教えて! 東京スニーカー氏 #17】40歳男子が似合うエア マックスってどれですか?

エディター・小澤匡行がスニーカーにまつわるギモンに答える月いち連載【教えて! 東京スニーカー氏】。第17回はナイキのエア マックスについて。

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偶然にもこの原稿を書いている日に、このエア マックス 270が発売されました。過去のエア マックスを連想させる派手なカラーリングは外国人受けしそう。UOMO世代にはシックなワントーンのアッパーがあるので、そちらもオススメです。カーキやネイビーなども控えています。スニーカー(各)¥15,000/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス)



毎年、ナイキは3月26日をエア マックス デーとし、イベントを企画したり新しいプロダクトを限定発売して盛り上げてきました。昨年はヴェイパーマックスが登場しましたね。スニーカーカルチャー以上にファッションとして話題だったのは記憶に新しいところ。コム デ ギャルソン別注は、今でも手に入れたい一品です。ああ履きたい。



ギャルソンつながりといえば、今年の別注はエア マックス 180でした。UOMO3月号のスニーカー特集でも紹介した鮮烈なピンク。コーディネートするにはなかなかハイレベルな色でしたが、このエア マックス 180は僕が大好きなエア マックスの一つ。1991年に登場し、それまでのシリーズに比べて大幅にソールのエアの容量がアップし、クッション性が高まりました。



アッパーのフィット感もよく、吸いつくような履き心地は、その次(厳密に言うと次の次)のエア マックス 93でより高尚なものになったのです。リアルタイムの僕は純粋無垢な中学生でしたので、ファッションで履きたい願望はもう少し後のことでしたが、ランナーとしてエア マックスを手に入れたい欲求が日に日に強くなった頃でした。



僕にとってエア マックスの魅力は進化です。正直、最近のヴェイパーフライのようにこれを履いても足は速くなりません。当時も90〜120分のLSDの時間が少し楽しく感じる程度の影響力でした。感覚的にエア マックスとエアジョーダンは毎年新作が出ると思っていたので、次はどんなデザインかな〜と楽しみ、機能の進化は陸上競技マガジンの説明で知るって感じでした。今でいうところのiPhoneみたいな存在に近かったのかもしれません。



今年のトピックは、この’90年代初期のエアマックスに着想を得たエア マックス 270です。270とは前述したエア マックス 93の可視化できるエアの角度で、最初は数センチの長方形の窓からのぞく程度だったエアユニットが、270度にまで広がりました!ということです。つまり左右だけでなくアウトソール、裏側からも認識できるようになりました。



ちなみにエア マックス 180は360度の半分、そこからもう4分の1増えて270、という進化の過程です。iPhoneにたとえるなら端末サイズと画面の比率の関係でしょうか。今はフルサイズ、エア マックスも360度です。なぜ今、270にナイキがこだわったのかはわかりませんが、iPhoneにたとえるなら(しつこい)4と4Sを足して、今の要素やトレンドを加えた新型iPhoneがエア マックス 270な気がします。



そういえば、ナイキ好きはApple好きと聞いたことがあります。互いの最新モデルを身につけ、しゃれたカフェでコーヒーを飲む。意識の高さを感じるニューヨーカーのとある姿が想像できますね。そういう人は生活もスタイリッシュで、おそらく既にひとっ走り終えて、即レス必須なメールチェックをすませています。つまりカッコイイ大人こそ、過去の復刻より最新を履くべきだと思います。似合う、似合わないは後からついてきます。最新モデルを履く行為がカッコイイ生き方につながるのが、エア マックスですから。

小澤匡行プロフィール画像
小澤匡行
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。スニーカー好きが高じて『東京スニーカー史』(立東舎)を上梓。靴のサイズは28.5㎝。

NIKE カスタマーサービス TEL: 0120-6453-77

Illustration:Yoshifumi Takeda
Photos:Yuichi Sugita
Text:Masayuki Ozawa
(2018年5月号掲載)

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