2016.11.25

【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタンスミスって種類が多い。どれを買えば正解でしょうか?

“東京スニーカー氏”ことエディターの小澤匡行がスニーカーにまつわるギモンに答える月イチ連載。今月はおしゃれな足元の代名詞になった、アディダスのスタンスミスについて。

【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタの画像_1

こんにちは。スニーカーにまつわるギモンって、くだらないことこそ奥が深かったり、今さら聞けないことが重要だったりするもの。楽しく役に立つ回答を本気で考えますので、よろしくお願いします。質問もぜひ編集部まで! とごあいさつは早々に、お題は2014年の再販以来、おしゃれな足元の代名詞になったスタンスミスについて。

【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタの画像_2

スタンスミスの新しいブームをつくった高級モデルがこちら。天然レザーは柔らかく、ソールはヴィンテージっぽい質感。



【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタの画像_3

これはABC-MART流通限定モデルで、鮮やかなグリーンが特徴。フォルムは上に比べると丸っこくて、ソールも真っ白だ。



この質問は「カップ麺を探しにコンビニへ行ったら種類がたくさんありました」と言われる感覚に近いです。はい。僕の中で日清のカップヌードル(しょうゆ)的アイコンにあたるのは、定価¥8,900のABC-MART流通限定モデルです。足元をじっくり観察できる電車内を見渡すと、8〜9割がこのスタンスミスを履いています。つまり購入場所も特定できます。



一方セレクトショップなどで定番扱いされるスタンスミスは¥14,000のもの。これは行列のできるラーメン店が監修したカップ麺です。決定的な違いは、前者がつるっと白い人工皮革のアッパーに対し、後者はシボ入りの天然皮革であること。ベロもソールもよく見りゃまるで違うし、後者のデザインはシーズンでコロコロ変わってます。

【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタの画像_4

ディテールで違いが出やすいのがベロの構造。左のABC-MART流通限定はステッチがなく裏地にメッシュが当てられている。



【教えて! 東京スニーカー氏 #1】スタの画像_5

こちらのスタンスミスは、ゴアテックス搭載モデル。これならサイドのパンチングから水が入ってこない。



この価値基準は人それぞれ。僕は華麗なる復活劇を遂げる前の、どこにでもあるスタンスミスが好きでしたので、身近なABC-MART限定に親近感を覚えるし、質感もそれに近い。それでもラーメンブームをつくったのは行列のできるお店のカップ麺だから、どっちもポジティブに履くべきだと思います。



象徴のグリーンの色味一つとっても、よく見れば全然違う。(上から)¥14,000・¥8,900・¥22,000/アディダス オリジナルス(アディダスグループお客様窓口)

小澤匡行プロフィール画像
小澤匡行
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。スニーカー好きが高じて『東京スニーカー史』(立東舎)を上梓。靴のサイズは28.5㎝。

アディダスグループお客様窓口 TEL: 0570-033-033

Photos:Yuichi Sugita
Illustration:Yoshifumi Takeda
Text:Masayuki Ozawa
(2017年1月号掲載)

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