2026.03.18
最終更新日:2026.03.18

【大人の春服】「薄スニーカー」×「スラックス」の組み合わせが最強。プラダ×プラダ、オーラリー×ルメールほか、正解コンビ5選

テーラー仕立てのスラックスが新しいスタンダードになると、スニーカーもドレスな薄底に更新したくなる。シルエットに緊張感を与えながら、大人の抜け感もつくれる、ミニマルだけど新しいデザインが増えてきた。

01|プラダのスニーカーとプラダのスラックス

プラダのスニーカーとプラダのスラックス
プラダのスニーカー
スニーカー¥165,000・スラックス¥192,500・レザージャケット¥1,155,000・タートルネックニット¥357,500(すべて予価)/プラダ(プラダ クライアントサービス) ソックス/スタイリスト私物

近年のThin・スニーカーのトレンドは、プラダがつくり上げてきたところが大きい。振り返れば’90年代〜2000年代に薄底スニーカーをデザインしてきたプラダには、このジャンルへの深い矜持と愛着すら感じる。新作の「プラダ スピードロック」は、クライミングシューズを連想させるシューレースと波型のラバーソールが特徴。クラシックなカットと膝から裾にかけてまっすぐ落ちるストレートスラックスとともに、今の気分を表していて、プラダ的。ボトムの裾をかぶせても、爪先のデザインやフォルムが主張できる。

02|アワー レガシーのスニーカーとビボヤのスラックス

アワー レガシーのスニーカーとビボヤのスラックス
アワー レガシーのスニーカー
スニーカー¥96,800/アワー レガシー(エドストローム オフィス) スラックス¥89,100/ビボヤ・シャツ¥38,500/フィガレ(ともにランヴェール) ニット¥110,000/スタジオ ニコルソン(スタジオ ニコルソン 青山)

切り替えがほとんどないミニマルなアッパーは、ヒールの組み合わせなどにランニングシューズの名残を感じる。肌のように薄いイタリアンレザーと板のように薄いビブラムソールは、繊細なテーラードパンツとの相性もいい。ビボヤはノルウェーのテーラーによる既製のスラックス。ヒップからわたりにかけて直線的なラインが魅力で、裾もほとんど絞っていない。やや厚手のギャバジンウールを含め、縦に落ちるようなシルエットを引き立てる要素がこのスニーカーに詰まっている。

03|ルメールのスニーカーとオーラリーのスラックス

ルメールのスニーカーとオーラリーのスラックス
ルメールのスニーカー
スニーカー¥61,000/ルメール(エドストローム オフィス) スラックス¥55,000・ジャケット¥99,000・シャツ¥44,000/オーラリー ソックス¥4,620/パンセレラ(真下商事)

ルメールの新しいキャンバススニーカーは、アッパーを袋状に包み込むようなデザイン。トウがやや長めで、余白を感じさせるフラットな設計が、カジュアルな中に上品なムードを漂わせている。ソールは1㎝にも満たないような薄いガムソールで、足袋のようなシルエット。こういった抜け感のある足元には、はきジワすら魅力的に映し出してくれるオーラリーのスラックスがいい関係性を築いてくれる。ヒップはフィット、レッグはストレート。この独特のバランス感が気分だし、セットアップにスニーカーを合わせるのもいい。

04|キャプテン サンシャイン×リプロダクション オブ ファウンドのスニーカーと ユーゲンのスラックス

キャプテン サンシャイン×リプロダクション オブ ファウンドのスニーカーとユーゲンのスラックス
キャプテン サンシャイン×リプロダクション オブ ファウンドのスニーカー
スニーカー¥33,000/キャプテン サンシャイン×リプロダクション オブ ファウンド(キャプテン サンシャイン) スラックス¥60,500/ユーゲン(イデアス) ジャケット¥418,000/ハリーマンディ(TOD) ニットベスト¥55,000/エクストリームカシミヤ(シップス インフォメーションセンター) ソックス¥3,960/パンセレラ(真下商事)

ミリタリーシューズを現代的に解釈するリプロダクション オブ ファウンドにキャプテン サンシャインが別注したジャーマントレーナーは、エレガントなワントーンのブラックで表現。上質なレザー使いにヒール芯を省略した、非構築的なデザインだ。ユーゲンのようなハイウエストのかっちりしたトラウザーズには、スリッパ感覚で履けるThin・スニーカーのバランスがモダン。

05|ジル サンダーのスニーカーとジル サンダーのスラックス

ジル サンダーのスニーカーとジル サンダーのスラックス
ジル サンダーのスニーカー
スニーカー¥162,800・スラックス¥203,500・ジャケット¥544,500・ニット¥148,500・シャツ¥192,500/ジル サンダー(ジルサンダージャパン) ソックス¥4,290/パンセレラ(真下商事)

26SSからクリエイティブ・ディレクターが交代し、細身でシャープな印象を強めたジル サンダー。ローファー型のスニーカーが世の中に増え続けている今、新しく注目すべき革靴スニーカーは、ワラビー型だ。ランウェイでもたびたび登場したユニセックス仕様で、フィナーレではディレクターのシモーネ・ベロッティも着用した本作は、カジュアルなブルーのラバーソールと光沢のある上質なイタリアンレザーの組み合わせが、ちょうどよいバランス。直線的で緊張感のあるスラックスに、程よい軽さを宿している。

薄い革、薄いソールでスニーカーは柔らかくなった

文/小澤匡行

ラグジュアリーにおいて「静けさ」や「控えめ」がキーワードになって以来、足元のトレンドは随分と落ち着いた。ボリュームを極力レスさせた、薄いスニーカーが増えている。ウィメンズにぺたんこ靴なんて言葉があるが、バレエシューズやパンプスのようにミッドソールが主張しない、柔らかいアッパーが時代性を強調している。そんな薄さに新鮮味を感じるスニーカーを「シン(Thin)・スニーカー」と定義してみたい。これはボトムのウエスト位置が高くなり、縦長に見せるファッションの流れが影響している。スタイリングに干渉しないシルエット、そして服に溶け込むような上質な素材。スポーツ感のないレザーやスエードなどで全体のバランスを図るのが、スニーカー選びのポイントになるだろう。

そう考えると、ただレトロなスニーカーばかりがフォーカスされがちだが、「シン(新)」であることもウェーブをつくるには重要である。クラシックな魅力がありつつも、スニーカーならではの新しいデザイン性があり、現代のスラックスと良好な関係を構築できる、5足5本をピックアップしてみた。

小澤匡行

1978年生まれ。エディター。制作プロダクション「MANUSKRIPT」代表。スニーカーにまつわる書籍やコラムを多数執筆。本誌連載「教えて! 東京スニーカー氏」はもうすぐ100回を迎える。

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