コンバースのアーカイブを、オールブラックのレザーで再構築する新レーベル「ROYAL STAR(ロイヤルスター)」が始動した。デザイナー竹ヶ原敏之介氏の監修のもと、オイルステアの一枚革で包まれた3型は数量限定。スニーカーカルチャーに精通する編集者・小澤匡行氏の視線を通して、その真価を読み解く。
ROYAL STARは「めんどくさい」が辿り着いた、新しいラグジュアリー
「僕がコンバースで好きなところは“めんどくさい”ところです。変化より進化に軸を据えて、シンプルな靴をどこまでもめんどくさく職人的な技術と情熱を注げるか。だからこそ、嘘のない靴が履けるんです。ですが、このロイヤルスターはそれとは違う、コンセプトから進化させる裏切りのシリーズだと思いました。装飾が少ないものほど堂々としてモダンに見える——このシューズは新しいラグジュアリーです」(小澤)
ROYAL STAR OS
外羽根の革靴に、スターをひとつ
「3型のなかでは、これが一番オリジナルのスニーカーらしさを残していると思います。ただ、分厚いソールがドレスっぽいバランスを生んでいて、外羽根の革靴にスターモチーフをエンボスしたような佇まい。SUVのクルマや建築と同じで、大きくてフラットな面を美しく見せるには素材のクオリティが問われる。このワンスターはまさにそこで勝負しています。レザーがとても高級感があって柔らかいので、普通に売っているワンスターよりも最初からフィットを感じますね」(小澤)
1974年誕生のバスケットボールシューズの系譜を、オイルステアの一枚革で再設計。アッパーからハトメ、シューレースに至るまで全パーツをジェットブラックで統一し、サイドのスターモチーフは素押しのエンボスで表現。光の角度によって浮き沈みする繊細な表情を持つ。前半にアーカイブの誕生年、後半に2026年のファーストシーズンを示すナンバリングを採用している。インソールには硬度の異なる2層構造のリアクトインソールを搭載し、厚みを持たせたソールがヘリテージの輪郭に現代的な重心を与えている。
ROYAL STAR WP
削ぎ落とした先に残る、スニーカーの佇まい
「WEAPONのらしい部分を削ぎ落として、ミリタリーブーツっぽいデザインで再構築しています。ただ、本来は足首を守るためにあてがわれたくるぶしのレザーの切り替えと、つま先の補強パーツはしっかり残していて、スニーカーとしての佇まいは崩れていない。ステッチもびっくりするほど細かくて丁寧です。アウトソールがとても新鮮で、ラグジュアリーな視点で設計されているなと感じました。最初から本気で革靴を作ろうとしているのが、このモデルにはとくに表れていると思います」(小澤)
1986年のNBAコートを彩ったWEAPONを、オールブラックのレザーで再構築。象徴的なYバーはステッチワークで輪郭を際立たせ、ロゴはハンドメイドによる精密な素押しで仕上げている。主張を抑えた仕上がりにより、手に取った際に初めて気づくほどの繊細さがある。ボリュームのあるミッドカットの造形を漆黒で引き締め、武骨さと端正さを両立させた。インソールには2層構造のリアクトインソールを採用し、見た目の重厚感に反して軽快な歩行を支える。
ROYAL STAR SC
スニーカーと革靴が交わる、いまのバランス
「ベースはランニングシューズなんですが、レザーの面で構成されることで、すごく美しいフォルムになっています。とくに横から見た時に、現代的なランニングシューズの佇まいを感じました。ただWEAPONと同様に、靴紐まわりのデザインはマウンテンブーツっぽいというか革靴ライクな仕上がり。いまの時代が求めているスニーカーと革靴のミックスの、ちょうどいいバランスで作られていると思います。自分たちの強みをラグジュアリーという観点で勝負する——ロイヤルスターのその意志が、よく見えるモデルですね」(小澤)
1970年代後半のランニングモデル、STAR FIREの系譜を継ぐSTAR CRUISERを全面レザーで再構築。走るための靴ではなく、街歩きを前提に再設計された一足だ。アウトソールにはVibramソールを採用し、スタビライザーとの二重構造で、最新素材に頼らない構造的アプローチによりクッション性と安定性を確保している。クライミングシューズに由来するフック仕様のアイレットや、エンボスのシェブロン&スターロゴ、パーフォレーションが意匠のポイント。光沢を抑えたオイルステアのアッパーと低く構えたシルエットが、現代的な佇まいを形成している。
SPECIAL SHOE BOX
すべてのモデルには、このコレクション専用にデザインされたスペシャルボックスが付属する。艶を抑えたブラックの箱に、モデル名とサイズを刻印。開封の瞬間から、「ROYAL STAR」という試みの完成度を物語る。靴はもちろん、箱まで含めて一つのプロダクト。そう言い切れる仕上がりだ。
編集プロダクション「MANUSKRIPT」主宰。スニーカー文化をファッション視点で語れる編集者として、UOMOでも「大人がこのスニーカーを買う理由」「教えて! 東京スニーカー氏」を連載中。
コンバースインフォメーションセンター
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