2025.06.20
最終更新日:2025.06.20

【マハリシ×ミズノの「WAVE MUJIN LS GTX」】マハリシのミズノでどこへ行く?|教えて! 東京スニーカー氏

マハリシ×ミズノの「WAVE MUJIN LS GTX」
¥27,500/マハリシ×ミズノ(ミズノお客様相談センター)

自然や環境に配慮した素材選びやデザインでも知られているマハリシらしく、トレイルランニングシューズをセレクト。ジャカード織りのメッシュとPUシートをレイヤードしたアッパーには随所に反射材を使用。乾いた路面はもちろん、濡れた路面でも優れたグリップ力を発揮する。

マハリシのミズノでどこへ行く?

 今月号の別企画の取材でミラノに行きました。海外の出張先での朝ランは時差ボケ解消になるし、ランニングアプリに思い出を刻む行為として、半ば強引に続けているところもあります。荷物は多くなる、ホテルで洗濯しなきゃなどの面倒をいかに快適にできるかを考えるのも旅慣れのプロセス。今ではだいぶスマートになりました。

 到着日の翌朝に外に出ると、しゃれたランナーたちが急ぎ足でどこかに向かっていると思ったら、ミラノマラソンの開催日でした。で、僕も集合場所を目指すようにランニングして、いろいろ見てきました(何食わぬ顔でレースに合流もしたり)。すると日本のメーカーであるミズノ(とアシックス)のシューズを履いている人が多く、あらためて評価が高いんだなと感じました。僕もGORE-TEXが搭載されたミズノのトレイルランニングシューズやウォーキングシューズは、雨の日やロケ撮影用にかなり使い込んでいます。やっぱりクオリティが高いから、とにかく歩きやすい。普段履きにミズノのテックシューズは、われながらセンスのいい選択だと思っています。

 そして先日、マハリシと二度目となるコラボレーション情報が発表されました。僕というかストリートを通ってきたUOMO世代にとってマハリシは、かなり特別な存在。デビューは1994年だから、シュプリームとも同世代。でもマハリシは、カモフラージュ柄やミリタリーそのものの辞書みたいなブランドで、その圧倒的な専門性をロンドンのストリートに落とし込むそのムードが好きでした。ライター駆け出しの20年以上前に原宿などでスナップの仕事をしていると、おしゃれな人のマハリシ率は高かったし、その頃はステューシーやフューチュラにテキスタイルを提供したりと、何かと話題になっていました。2004年には、長年にわたる迷彩の研究結果を一冊にまとめた洋書『DPM-Disruptive Pattern Material』が発売されたのですが、これがまた名著で勉強になった。お世話になっているフォトグラファーのスタジオにあって、いつも食い入るように見てました。当時はお金がなくて買えなかったのですが、今じゃ30万円以上の値段がついていて、無理してでも買えばよかったと後悔しています。そんな思い出が甦るミズノのコラボは、僕の好きな「WAVE MUJIN 10」がベースモデルで、アッパーにデジタルカモをのせています。今の僕にはちょっと派手なオレンジですが、とても気になりました。

 話を戻すと、ミラノは街の至るところが石畳だから、ランニングに使ったのもトレランシューズ。グリップ力のあるソールが本当に役に立ちましたが、それでも珍しく足をひねって今もまだちょっと痛い。でも、この「WAVE MUJIN LS GTX」ならきっと快適です。ビブラム社のメガグリップをソールに使っていて、フルレングスの「MIZUNO WAVE」でクッション性も高い。次の欧州出張でミズノとマハリシ、履いてみたいです。

小澤匡行プロフィール画像
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

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