2024.01.12

【アークテリクス】トレイルランニングシューズへの興味|教えて! 東京スニーカー氏

“東京スニーカー氏”ことエディターの小澤匡行がスニーカーにまつわるギモンに答える月イチ連載。今回は、アークテリクスの新作トレイルランニングシューズ「NORVAN NIVALIS GORE-TEX」について。

【アークテリクス】トレイルランニングシュの画像_1
アークテリクス_NORVAN NIVALIS GORE-TEX_トレイルランニング用のシューズ_01

全体をまるっと包み込んだフォルムは、シューレースも隠すとミニマルかつモード。アウトソールは6㎜という深めのラグパターンが冬の自然のコンディションでも高いグリップ力を発揮する。もう一色のオールブラックも気になってます。¥31,900/アークテリクス(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン)



 学生で競技として携わるようになり、20代はわりと長めのブランクはあったものの、なんだかんだで30年間、ほそぼそと走り続けています。継続できている理由はもともと走る行為自体が嫌いじゃないってのもありますが、目的が年齢によって変わっている(変えている)からでしょう。今となっては速さや競うことは二の次で、フルマラソンの出場歴もゼロ。本気系ランナーからは逆に「なんで走ってるの?」と不思議がられますが、年々変わっていく仕事のペースや環境、生活スタイルに合わせて、自分の心身の健康をどうやって保つかがすべて。40代になると何事にも成長や進化の実感を伴いにくく、むしろ衰えとどうやって向き合い、順応するかが大事なフェーズになってきました。


 最近になってランニングも朝型に変わり、代々木公園内にある(自然とできた?)一周約3キロのトレイルコースを週2~3ペースで走ることが習慣になりました。そうすると、シューズのチョイスも変わり、ロード向けのランニングよりグリップがきき、かつ汚れが目立ちにくい色が欲しくなります。芝や土の上って思ったよりも汚れるし、靴の中に小石や木くずが入ってきたり、結露した落ち葉の水分がアッパーにしみてきます。軽いジョギング程度でも「どこ走ってきたの?」と言われるくらい。しかも数カ月に一度は地面に張った木の根にひっかかって転びます。それでトレイルランニング用のシューズを探していたところ、アークテリクスの新作NORVAN NIVALIS GORE-TEXの存在を知りました。


 これは僕のレベルではオーバースペックかもしれませんが、撥水のストレッチゲイターやゴアテックスなど、走るうえでの懸念材料をカバーしてくれています。何よりこれは見た目がいい。こうした機能系シューズは仕事や日常と併用できるか、が大事なポイント。ミッドカットのボリュームはボトムに合わせやすいし、ショーツとの相性もよさそう。そして何よりワントーンの配色がアーバンです。ベージュやカーキなどの都会系トレイルは他ブランドでも増えていますが、アークテリクスは上品なスモーク感があります。今季のアパレルで気になっていたアトム ジャケットやソーヤー ジャケットのベージュと似たような雰囲気を感じました。僕にとってはギア的な魅力をカバーしながらも、極めてアパレルっぽい佇まいのトレランシューズというのが、アークらしいです。


 週末は標高の高い長野で過ごすことが多くなりました。八ヶ岳を縦走なんてハードな目標はもっていませんが、自然の中を歩いたりすると、トレイル系のスニーカーは日用品になってきます。周りに誰もいない場所でスニーカーとどう楽しむか。これもまた環境の変化に対する自分の課題でもある。ハイプな価値とは疎遠なシーンで「なんでもいい」より「これがいい」と思えるアンテナを、40代後半はもっと増やしていきたいですね。

小澤匡行プロフィール画像
小澤匡行
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

Illustration:Yoshifumi Takeda
Photos,Composition&Text:Masayuki Ozawa

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