Dries Van Noten|Suede Sneakes

“スニーカー以上革靴未満”のシューズのニューカマー
「この連載で、ドリス ヴァン ノッテンのスニーカーを取り上げるのは今回が初めてです。ドリスの革靴のシルエットが以前から好きで、スクエアトゥのローファーのような、今のムードを取り入れつつデザイナーのオリジナリティを融合したシューズに挑戦してみたいと考えていました。それでECサイトのコレクションをチェックしていたところ、このスニーカーに出会いました。
薄底で、見た目にも今っぽいルックスで、どこかヨーロッパらしさが漂います。履き口のパイピングや、シューレースホールパーツのピンキングなど、革靴のいいエッセンスを取り入れてレトロなスニーカーをつくっています。

スエードとナッパレザーの組み合わせが上品だし、ドリスらしいトゥの丸いシェイプも含めて、全体のフォルムがとても美しい。僕の中で、“スニーカー以上、革靴未満”のシューズといえば、これまではジャーマン・トレーナーが定番でしたが、ドリス ヴァン ノッテンのこのスニーカーはもう少しレトロなよさがあって、とても気に入っています」(小澤)

70年代のマラソンシューズからインスピレーションを得て、2024年春夏に発表されたレザースニーカー。カーフレザーとスエードを手作業で丹念に組み合わせ、足を包み込むすっきりとしたシルエットを実現。カジュアルにもモードにもマッチして、品のよさを添える一足として世界中で高い人気を誇り、ここ数シーズンは定番モデルとしてラインナップされている。ブラウンは発売当初からの定番色だ。
ドリス ヴァン ノッテン TEL:03-6778-7975

エディター
小澤匡行
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。