2025.10.10
最終更新日:2025.10.10

【大人が買うべき新作スニーカーBEST5】2位はゴアテックス搭載「ミズノ×マーガレット・ハウエル」。1位は?【2025年10月】

2025年9月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!

BEST5:Reebok × NAUTICA|CLUB C 85 VINTAGE

Reebok × NAUTICA|CLUB C 85 VINTAGE
スニーカー¥22,000/リーボック×ノーティカ(フリークス ストア渋谷)
Reebok × NAUTICA|CLUB C 85 VINTAGE
Reebok × NAUTICA|CLUB C 85 VINTAGE

履きやすいゾーンに落とし込んだマリン感が新鮮

「この連載でも何度紹介したかわらかないリーボックのクラブシーから、ノーティカとのコラボが出ました。サイドのボックスロゴがリーボックフォントのNAUTICAになっていたり、シューレースもパラコード風の丸紐と、ディテールをいじっています。ノーティカは1983年にニューヨークで設立されたファッションブランドで、1990年代にはヒップホップの文脈で愛されていました。

当時高校生だった僕でもギリギリ買える価格帯だったから、並行輸入屋で探してティンバーランドのブーツなんかと合わせていました。ポロ スポーツやトミー ヒルフィガーといったブランドがラッパー御用達だった時代で、ノーティカはマリンテイストを打ち出していましたが、同じように“ストリート”のど真ん中のカテゴリーとしてとらえられていた記憶があります。

ベーシックなクラブシーは、アディダスのスタンスミス、ナイキのエア フォース 1と同じような無味無臭な感じがいいと思っています。でも最近は、履くとなんだか落ち着きすぎて、逆に落ち着かないんです。今回のノーティカコラボを見て、意外にポイントがあるほうが取り入れやすいのではないか? と感じるようになりました。

落とし込み方にセンスが出るクラブシーですが、ギザギザのステッチや白とネイビーの配色など、本来のノーティカらしいマリン感を履きやすいゾーンに落とし込んでくれています。実は大人向きだと思っています」(小澤)

BEST4:On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI

On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI
スニーカー¥27,500/オン×ビームス×アール・イー・アイ(ビームス メン 渋谷)
On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI
On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI

都会派オンの本気アウトドアシューズに注目

「オンのスニーカーには洗練された都会派の象徴というイメージがあります。でもこの3社コラボによる『クラウドロック ロウ ビームス アール・イー・アイ』を見て、オンってファッションだけじゃなく、もっと広い領域と接続できるブランドなんだな…と、その振り幅に改めて驚かされました。

ロエベとのコラボレーションではモードとのタッチポイントを提示しましたし、僕らのような働く40代にとってはデキる仕事道具のようなスマートな存在感もあったと思います。でも“アウトドア”という文脈は、正直これまでオンと結びついていなかった。もちろん、クラウドロックやクラウドホライズンといったハイキング向けのモデルは展開されていますが、どれも他のアウトドアメーカーのそれよりも都会的で、それがオンらしさだと感じていました。

今回のモデルは、アメリカ最大級のアウトドアブランド、REI(アール・イー・アイ)とのコラボということもあり、アウトドアショップのシューズコーナーに並んでいても違和感のない佇まい。黒×茶色の配色や、リサイクル素材を思わせるソールの質感など、王道アウトドアのディテールが逆に新鮮に映ります。

“都会的すぎるオン”を敬遠していた層にとっても、今回のコラボは魅力的に映るはず。新しい層へのアピールとしても面白い試みだと思います。僕自身、クラウドロックはまだ履いたことがないので、郊外ロケなどのタイミングでぜひ試してみたいです」(小澤)

BEST3:New Balance|204L

New Balance|204L
スニーカー¥13,970/ニューバランス(ニューバランスジャパンお客様相談室)
New Balance|204L
New Balance|204L

アーカイブと時代の気分を結ぶモードな新型

「ニューバランスは、アーカイブと時代の気分を巧みに結びつけながら、新しい形を提案することに長けています。それが人気の理由でもあるのでしょう。1906をローファー型スニーカーにしたり、2002をミュールにしたのも早かったですし、デザインやものづくりの自由度の高さには、いつも感動させられます。

今回取り上げる204Lは新型ですが、どことなくミュウミュウとコラボした530を彷彿とさせます。2000年代のランニングモデルのアッパーデザインとロープロファイルを融合させ、とてもモダンな一足に仕上げている。この手腕もまた、ニューバランスならではです。

204Lのような、Y2Kなアッパーに薄いソールのモデルが出始めた当初は、正直なところ違和感がありました。でも今ではすっかり自然で、とてもモードな印象に変わりました。ただ、この204Lのように、センスを感じるフォルムや配色、素材を選び、インラインで展開できるのは、やはりニューバランスの技だと思います」(小澤)

BEST2:MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES

MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES
スニーカー¥33,000/ミズノ フォー マーガレット・ハウエル(マーガレット・ハウエル)
MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES
MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES

ファッション軸がない「ウエーブガゼル3 GTX」を洗練

「毎回注目しているミズノ フォー マーガレット・ハウエルの2025年秋冬モデルです。僕は今回ハウエルがピックアップしたベースモデル『ウエーブガゼル3 GTX』を、3~4年前から愛用しています。ミズノがウォーキングシューズとして展開しているだけあって、とにかく歩きやすい。GORE-TEX仕様だから雨の日はもちろん、旅行や出張にも持っていく率が高い一足です。

“ファッション軸”を持たない本気のウォーキングシューズを、あえて選んでいるところに、ハウエルらしいセンスを感じます。さらに今回は、ブラックのワントーンに加え、ダークブラウン×ブラックの配色を出しています。このコンビネーションがすごく上品でいい。持っているモデルはブラックなので、コラボのほうはブラウンを買いました。履いてみるとフィットと軽さがオリジナルモデルよりも上がっていて、実用性も優秀です。

メンズのドレスファッションの世界では、黒と茶色を合わせるのは長らくタブーとされてきました。黒はフォーマル、茶色はカントリーの色だからというのがその理由です。その境界線を越えてファッションに昇華させたのは2010年代、ディストリクト ユナイテッドアローズのディレクターだった栗野宏文さんでした。

スニーカーの世界でこの配色は、アウトドア系でもライフスタイル領域でもなかなか見かけません。ミズノ フォー マーガレット・ハウエルの独特で洗練されたこの配色のシューズを、この秋冬はブラウンのパンツに合わせて履きたいと思います」(小澤)

BEST1:HOKA®|Mafate Speed 4 Lite TS

HOKA®|Mafate Speed 4 Lite TS
スニーカー¥31,350/ホカ(デッカーズジャパン)
HOKA®|Mafate Speed 4 Lite TS
HOKA®|Mafate Speed 4 Lite TS

ホカ®らしさを消した視覚的デザイン

「昨年登場した『ステルス テック コレクション(STEALTH TECH COLLECTION)』が、今年も出ました。“存在を消す”という意味の“ステルス”という言葉を使いながらもリフレクターを全面に使っていて、それなりに存在感はあるのですが、どこかホカ®とわかりにくいデザインが特徴です。昨年は『ボンダイ 8』と『クリフトン 9』で、今シーズンは僕が好きな『マファテ スピード 4 ライト』がラインナップされていたので、紹介させてください。

『マファテ』はソールユニットがほどよいボリュームで、フォルムにもメリハリがあります。比較的シュッとしているところが僕好み。僕はトレイルを走るわけではないのですが、海外のランナーが『マファテ』を履いているのを見ることも多く、何よりその魅力に気づかされたのはフランスのパフォーマンスブランド、サティスファイとコラボレーションした『マファテ スピード 4 ライト』を見たとき。オールカーキ、オールブラウンといったトーナルカラーとシャープなフォルムのバランスが絶妙でした。

今回の『ステルス テック コレクション』もグラフィカルなモノトーンで、しかもシースルーアッパーを採用するなど視覚的にも美しい。ファッションとしても合わせやすいデザインだと思います」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

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