2026年1月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST5:East Pacific Trade(EPT)|Deck
韓国発ブランドのデッキスニーカーに注目
「今回紹介するイースト パシフィック トレード(通称EPT)は、前回のDCシューズにも関連するフットウェアブランドです。DC シューズや2000年代に僕が好きでよく雑誌で紹介していた、クリエイティブ レクリエーション(Creative Recreation)の立ち上げに携わったジェイ・ベック(Jai Baek)が2019年に韓国・ソウルで立ち上げました。2024年秋に日本に初上陸して、日本のマーケットはPoggy(小木基史)さんがクリエイティブディレクターをしています。
展開モデルは幅広く、2000年代のスケートシューズを彷彿とさせるようなファットなスニーカーからレトロランニングを再解釈したようなシューズまで多彩です。そんな中から僕が選んだのが、この『デッキ』。ほかのモデルに比べてシンプルで、ヴァンズのオーセンティックやエラとはまた違った、上品な佇まいがUOMOに合うなと思ったのはもちろん、このクオリティで1万円を切る価格に正直驚きました。
シューズ自体は厚底ながら軽量でとても履きやすく、スケートシューズをハイブランドが再構築したようなムードがあります。スケートカルチャー的にはソールが薄くデッキとの接地感が強いほうが王道で、厚底になるほどそのカルチャー色は薄くなっていくわけですが、そのほうが大人にはファッションとして取り入れやすいですよね」(小澤)
BEST4:DC Shoes|DC ASCEND
大人が楽しめるちょうどいい“現代解釈”仕様
「スニーカーは薄底ブームが継続中ではありますが、こういうときこそ逆転の発想で、ボリューム系の中にこそ面白いものがある気がして探したくなります。DCシューズを久しぶりに見たら、OGモデルをアップデートした、懐かしさと今の気分がほどよくミックスされた新作を発見しました。
僕は昨今のスケートカルチャーに明るくはありませんが、今回紹介するDC アセンドのベースになったトゥルース OGのことはよく覚えています。DC アセンドは90年代後半のエクストリーム系まではいかないボリューム感や、あの時代特有の装飾的なOGのデザインを、人気のランニングシューズのようなスタイルに落とし込んでいるのが面白いなと。
アメリカに1年ほど住んでいた頃、僕はスケボーショップで約半年インターンをしていて、たくさんのDCシューズを見ていました。当時は、TPUパーツに色を使ったモデルが人気で、それこそオールブラックなんて全然売れていなかったんですよね。でも今、こうしてDCシューズらしいデザインをオールブラックで見ると新鮮で、当時の思い出がいい方向に補正され、洋服に合わせやすそうだなと感じています。
50歳も近くなって、スケボーもしないのに、あの頃のスケートシューズ感を求めるのもどうかと思うので(笑)、DCアセンドくらいの“現代解釈”仕様はちょうどよさそうです。久々にDCシューズを懐かしんでみたいという気持ちになりました」(小澤)
BEST3:CONVERSE|CONS ACCELERATOR MID
『スラムダンク』のリョータ着用モデルの現代版
「80年代後半から90年代中期、バッシュといえばコンバースという時代でした。有名なところでは、コンバースのパフォーマンスモデルとして、1986年に発売されて大ヒットしたウェポン。その後、90年代に入って人気を集めたのがアクセレレーターです。このモデルが発売されるというニュース記事を最初に見たとき、『スラムダンク』世代の僕としては懐かしい気持ちになりました。画像が悪くてディテールがよくわからなかったので、当時の完全復刻だと思い込み、期待が高まっていたのですが(笑)。
現物を見たら、ライフスタイルモデルではなく、パフォーマンスラインの本気のバッシュでした。『スラムダンク』では宮城リョータが履き、当時のNBAのスター選手、マジック・ジョンソンが愛用したモデルを、オリジナルのデザインは活かしつつ現代的に解釈しています。中空ミッドソールを搭載したリアルな白バッシュは、『スラムダンク』世代の大人ではなく、今のバスケ少年たちに向けてつくられています。
僕自身はもうバスケットからは引退宣言をしています。が、同世代でまだプレーしている人は、意外と多いんですよね。僕が今でもランニングシューズを買うように、大人になってからのプレー用バッシュを探している人も少なくありません。Bリーグでは富樫勇樹選手が、NBAなら今、最も注目されているシェイ・ギルシャス=アレクサンダーもコンバースを履いていたりと、再び盛り上がっています。またバスケをしようと思っているUOMO世代の、ひとつのチョイスとしてもありではないでしょうか」(小澤)
BEST2:ASICS SportStyle × MIYAKE DESIGN STUDIO|HYPER TAPING
共同プロジェクト「イッセイミヤケフット」の第1弾
「昨年、パリで発表された三宅デザイン事務所とアシックスによる共同プロジェクト、『イッセイミヤケフット』の第1弾スニーカーが1月5日に発売されました。ミッドソールのないロープロファイルで、モデル名は『ハイパー テーピング』。アシックスのアイコンであるアシックスストライプを、テーピングとして再解釈しています。
アシックスストライプはほかのスポーツブランドのアイコンと同様に、もともとはアッパーの補強やフィット感の向上など機能の一部として考案されました。そういう背景から生まれてきたものを、運動をサポートするテーピングの概念に置き換え、デザインに昇華しているのが実にイッセイミヤケらしい。そういったファッションの視点からとらえた革新性や哲学を楽しめるシューズって貴重だし、何よりもこのデザインが素直にカッコいいと思いました。
グリーンやグレーといったよりイッセイのイメージが強いカラーもラインナップしている中で、やっぱりUOMO世代にはこのブラックをおすすめします。オールブラックで、レザーやエナメル、メッシュなどアッパーの素材の配し方が際立つし、テーピングの使い方も巧みです。ルメールのストレートスラックスを穿いていたときに試着したのですが、上から見たときの計算された素材の切り替えに感動しました。デザイナーズブランドが関わってこその端正な一足は、まさに大人のためのスニーカーだと思います」(小澤)
BEST1:CONVERSE|JACK PURCELL 1935 LOAFER
レザーアッパーの販路限定ローファースニーカー
「昨年ローンチした『ジャックパーセル1935』ラインの新作ローファー。このラインはジャックパーセルを再解釈し、革靴っぽいインソール構造を採用しているのがユニークで、ミッドソールにはしっかりシャンクを内蔵しています。70年代のディテールを用いながら現代的なアップデートを施し、レガシーを尊重しつつ、あくまで今の時代に履きやすいスニーカーをつくっている。
1月に発売されたこのローファーは、アッパーにしっかりと重厚なレザーを用いた端正な佇まいに加え、ソールにも重みがあって、僕が体感した限りでは、履き心地もほぼ革靴でした。いくらトゥのモカ部分を手縫いにして洗練した革靴風に仕上げても、地面とのクッショニングがやわらかいとスニーカーになってしまうのですが、そんな甘さもなく、緻密で丁寧につくられている感じが伝わってきます。
「爪先にスマイルのアイコンがあってこそのジャックパーセルなのに、それを同色にしているあたりにも革靴としての見え方へのこだわりや攻めの姿勢を感じます。ローファースニーカーは大人気で、いろいろなブランドから出ていますが、ここまで大人っぽく、かつ上質なモデルは希少です。ぜひチェックしてほしいです」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。














