定番の白黒スニーカーに飽き足らなくなった人におすすめしたいカラーが「茶色」。シックで暖かみのある色味は大人の着こなしに最適だ。東京スニーカー氏ことエディターの小澤匡行さんが目をつけた6型なら、どれを選んでもハズレ無し!
01:MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES
ファッション軸がない「ウエーブガゼル3 GTX」を洗練
「毎回注目しているミズノ フォー マーガレット・ハウエルの2025年秋冬モデルです。僕は今回ハウエルがピックアップしたベースモデル『ウエーブガゼル3 GTX』を、3~4年前から愛用しています。ミズノがウォーキングシューズとして展開しているだけあって、とにかく歩きやすい。GORE-TEX仕様だから雨の日はもちろん、旅行や出張にも持っていく率が高い一足です。
“ファッション軸”を持たない本気のウォーキングシューズを、あえて選んでいるところに、ハウエルらしいセンスを感じます。さらに今回は、ブラックのワントーンに加え、ダークブラウン×ブラックの配色を出しています。このコンビネーションがすごく上品でいい。持っているモデルはブラックなので、コラボのほうはブラウンを買いました。履いてみるとフィットと軽さがオリジナルモデルよりも上がっていて、実用性も優秀です。
メンズのドレスファッションの世界では、黒と茶色を合わせるのは長らくタブーとされてきました。黒はフォーマル、茶色はカントリーの色だからというのがその理由です。その境界線を越えてファッションに昇華させたのは2010年代、ディストリクト ユナイテッドアローズのディレクターだった栗野宏文さんでした。
スニーカーの世界でこの配色は、アウトドア系でもライフスタイル領域でもなかなか見かけません。ミズノ フォー マーガレット・ハウエルの独特で洗練されたこの配色のシューズを、この秋冬はブラウンのパンツに合わせて履きたいと思います」(小澤)
02:On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI
都会派オンの本気アウトドアシューズに注目
「オンのスニーカーには洗練された都会派の象徴というイメージがあります。でもこの3社コラボによる『クラウドロック ロウ ビームス アール・イー・アイ』を見て、オンってファッションだけじゃなく、もっと広い領域と接続できるブランドなんだな…と、その振り幅に改めて驚かされました。
ロエベとのコラボレーションではモードとのタッチポイントを提示しましたし、僕らのような働く40代にとってはデキる仕事道具のようなスマートな存在感もあったと思います。でも“アウトドア”という文脈は、正直これまでオンと結びついていなかった。もちろん、クラウドロックやクラウドホライズンといったハイキング向けのモデルは展開されていますが、どれも他のアウトドアメーカーのそれよりも都会的で、それがオンらしさだと感じていました。
今回のモデルは、アメリカ最大級のアウトドアブランド、REI(アール・イー・アイ)とのコラボということもあり、アウトドアショップのシューズコーナーに並んでいても違和感のない佇まい。黒×茶色の配色や、リサイクル素材を思わせるソールの質感など、王道アウトドアのディテールが逆に新鮮に映ります。
“都会的すぎるオン”を敬遠していた層にとっても、今回のコラボは魅力的に映るはず。新しい層へのアピールとしても面白い試みだと思います。僕自身、クラウドロックはまだ履いたことがないので、郊外ロケなどのタイミングでぜひ試してみたいです」(小澤)
03:Dries Van Noten|Suede Sneakes
“スニーカー以上革靴未満”のシューズのニューカマー
「この連載で、ドリス ヴァン ノッテンのスニーカーを取り上げるのは今回が初めてです。ドリスの革靴のシルエットが以前から好きで、スクエアトゥのローファーのような、今のムードを取り入れつつデザイナーのオリジナリティを融合したシューズに挑戦してみたいと考えていました。それでECサイトのコレクションをチェックしていたところ、このスニーカーに出会いました。
薄底で、見た目にも今っぽいルックスで、どこかヨーロッパらしさが漂います。履き口のパイピングや、シューレースホールパーツのピンキングなど、革靴のいいエッセンスを取り入れてレトロなスニーカーをつくっています。
スエードとナッパレザーの組み合わせが上品だし、ドリスらしいトゥの丸いシェイプも含めて、全体のフォルムがとても美しい。僕の中で、“スニーカー以上、革靴未満”のシューズといえば、これまではジャーマン・トレーナーが定番でしたが、ドリス ヴァン ノッテンのこのスニーカーはもう少しレトロなよさがあって、とても気に入っています」(小澤)
04:Onitsuka Tiger|MEXICO 66 DRIVING
今こそ履きたい高感度なドライビングスニーカー
「オニツカタイガーの名品、メキシコ66のドライビングシューズが昨年の秋に誕生しました。トレンド感のあるダークブラウンのワントーンは、今シーズンの新色です。メキシコは僕から見れば『元祖薄底スニーカー』という観があって、今の流行とリンクする部分も多いモデル。しかも、オニツカタイガーの靴づくりのレベルはそもそも高いので、とても高級感のある一足になっています。
僕は『キル・ビル』ファンでもなかったし、ストリートのカルチャーで育ったので、正直に言うと若い頃はオニツカタイガーとの接点がほとんどありませんでした。それがヨーロッパのカルチャーを知る中で海外からの信頼の大きさに感動を覚え、また大人になったことで洗練されたフォルムやものづくりへの真摯な姿勢を、自分なりの視点で受け止められるようになりました。
個人的にこのメキシコ 66 ドライビングは、モダンなイタリアのスニーカーのような印象があります。ブラウンの色みもシックだし、ソールユニットの完成度も見事です。この秋は、ストンと落ちるスラックスに合わせて、大人のスタイルを楽しみたいと思っています」(小澤)
05:ARC’TERYX|KRAGG INSULATED M
シャープなデザインが魅力の中綿入りシューズ
「クライミング後の回復期間に最適なシューズとしてラインナップされているクラッグ。本来はシューレースが配されるパートにニットを採用して、フィットさせるというよりも足をリラックスさせることを大前提にした設計ですが、アークテリクスのシューズは、一般的なスニーカーとは違うアプローチでつくられているのが魅力だと思います。
ミッドカットのクラッグ インサレーテッドは、化繊中綿が入ったあたたかいモデルです。ニット部分を広げて、ソックスというか、フィットのいいブーツを履くような感覚で履けます。見た目はシャープでエッジが効いていますが、脱ぎ履きがしやすく、クッション性に優れた厚めのインソール入りで履き心地もいい。ラバー製のトゥキャップとヴィブラムメガグリップソールが一体になったアウトソールで、安定感もあります。
Carob/Black(キャロブ/ブラック)というブラウン系のカラーは今年の新色。アークテリクスは色出しが独特で、この絶妙なカラーリングがアークテリクスらしさを際立たせている気がします。自然を表現するカラーウェイすら、デザインという視点で選ばれている。その切れ味の鋭さというか、シャープさが魅力です」(小澤)
06:adidas Originals × BILLY’S ENT|PALMA
アイランドシリーズのパルマをビリーズが復刻別注
「1970年代から80年代にかけてリリースされていた“アイランドシリーズ”は、ヴィンテージのアディダスが好きな人なら、絶対に興味があると思います。僕自身もずっと注目してきたので、今回、スペイン・マヨルカ島のリゾートに由来するパルマがビリーズの別注で復刻されたと聞いてさっそく購入しました。
とはいいつつ僕、パルマの存在を知りませんでした。発売されると聞いて、こんなモデルがあったんだと。ただ、個人的にアディダスの好きな条件がすべて凝縮されているので、素直に欲しいと思ったんです。スタンスミスのようなパンチングスタイルのスリーストライプス。つま先がスクエアトウ気味で70年代のトレーニングシューズ風の佇まいであること。そしてこの軽量ポリウレタンソール。自分の好きな3つの要素が組み合わさった、まさにMYヒットな一足です。
ビリーズは日本にフォーカスした“シティシリーズ”を別注で手がけるなど、このところスニーカーシーンでも存在感を増しています。カルチャーに裏付けされている別注も多いのですが、今回のパルマのように、大人世代にぴったりの別注も最近増えているので、目が離せません」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
マーガレット・ハウエル https://www.margarethowell.jp
ビームス メン 渋谷 TEL:03-3780-5500
ドリス ヴァン ノッテン TEL:03-6778-7975
オニツカタイガージャパン https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/contact/
アークテリクス ゲストサービスセンター https://arcteryx.jp
ビリーズ エンター info@billys-tokyo.net

















