2025.10.17
最終更新日:2025.10.17

【大人の楽ちんスニーカー】メレル、ザ・ノース・フェイス、ナイキ... エディターおすすめ「紐無し」モデル6選

近年、人気が高まっているスニーカーが、シューレースのない「紐無し」モデル。脱ぎ履きがしやすく、個性的な足元を演出できるのが魅力だ。東京スニーカー氏ことエディターの小澤匡行さんも注目するアイテムで周りと大きく差をつけよう。

01:PUMA|DEVIATE NITRO ELITE TRAIL HELIOT EMIL

PUMA|DEVIATE NITRO ELITE TRAIL HELIOT EMIL
PUMA|DEVIATE NITRO ELITE TRAIL HELIOT EMIL
スニーカー¥44,000/プーマ(プーマ お客様サービス)

モードなアプローチが光る気鋭のデザイナーコラボ

「コペンハーゲン発のモノクロームでソリッドな、それでいてスポーティなニュアンスも携えるモード系のブランド、エリオット・エミルとプーマとのコラボレーションです。ディヴィエイト ニトロ エリート トレイルというプーマのハイテクランニングシューズがベースになっていますが、アッパー全体をテキスタイルでカバーして、ブラックワントーンにしているので、ベースモデルがまったくわからなくなっています。

世代的に僕は、プーマと言えばフラットでローテクなバッシュのイメージが強く、ハイテクなランニングシューズはノーチェックで、今までプーマのランニングシューズを履いたことがありませんでした。でも今年は箱根駅伝でも25人の選手がプーマを履いていたそうで、僕が推している立教大学の選手もプーマを履いている人が多かった。最近はランニング市場でもリアルなアスリートに落ちてきている気がして、プーマ、頑張っているなと。

テクノロジーも備えたランニングシューズがこれだけファッション感度の高いものになっているということは、僕が出張スニーカーとして挙げる『走れて日常生活にもマッチする』という条件をクリアしています。プーマは90年代にいち早くジルサンダーとコラボするなど、先鋭的なアプローチに僕もずっと注目してきました。このエリオット・エミルとのコラボはデザインとしても面白いので、ぜひ履いてみたいと思っています」(小澤)

02:NIKE SPORTSWEAR|AQUA TURF

NIKE SPORTSWEAR|AQUA TURF
NIKE SPORTSWEAR|AQUA TURF
スニーカー¥7,480/ナイキ スポーツウェア(ナイキ カスタマーサービス)

ネオンカラーのスリッポンを着こなしの外しに

「今年復刻されたアクア ターフの新色で、ネオングリーンが登場します。昔のランニングシューズっぽいこの配色がよくて、今回ピックアップしました。アクア ターフは1992年に登場したスリッポン。もともと80年代にアクア ソックがあって、その次世代として当時のACGから出た水陸両用シューズがアクア ターフです。

配色だけでなく、折りにふれ登場するナイキのスリッポンにも僕は弱くて、出ると常にチェックしています。エア ウーブンやエア プレストもそうですが、足を包み込む構造のナイキのスニーカーが好きで、このアクア ターフもナイキのフィッティングに対するひとつのアプローチだと思うんです。ネオプレンの使い方が、90年代のエア ハラチを彷彿とさせます。

水陸両用ではありますが、あくまでファッションとして取り入れるのがおすすめです。間違っても短パンに素足で合わせてはいけません。普段のコーディネートに合せれば、ネオンカラーのスリッポンが今っぽいスポーティなムードを添えてくれます。いつまでもこういうネオンカラーを外しで取り入れられる、カッコいい大人でいたいですね」(小澤)

03:adidas Originals|ZPONGE FLUX SHOES

adidas Originals|ZPONGE FLUX SHOES
adidas Originals|ZPONGE FLUX SHOES
スニーカー¥18,700/アディダス オリジナルス(アディダス コールセンター)

新テクノロジーを搭載した和を感じるスニーカー

「アディダスは最近、ランニングシューズのテクノロジーをライフスタイルのスニーカーに落としこんでいます。昨年登場したアディゼロ アルクがその筆頭ですが、2025年秋冬の新型として登場したこのZponge(ズポンジ) フラックスシューズもそんなモデルのひとつ。Zpongeはアディダスの最新テクノロジーで、衝撃吸収技術を融合したスポンジのようなミッドソールが特徴です。

この7月に登場したZponge フラックス シューズは、2000年代に登場したAdiflux(アディフラックス)のアッパーにこのZpongeミッドソールを融合しています。アッパーのクロスしたようなデザインはハイテクだけれどもどこか和テイストという2000年代のトレンドで、モードなスタイルとも親和性が高い。第一弾はイエローにブルー、オレンジという鮮やかな配色でしたが、最近リフレクティブ素材を使用したモノトーン配色が発売されました。こういうオリエンタルなムードのスニーカーをサラッとスラックスに合わせてもいいんじゃないかと思いました。

Zpongeというネーミングはさておき、履き心地はとてもよくロッカー構造だから歩きたくなります。デザイン的にもファッショナブルで、意外と大人が履きやすい一足ではないかと。無地のブラックやネイビースタイルの足元によく合います」(小澤)

04:MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel

MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel
MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel
スニーカー¥19,800/メレル(丸紅コンシューマーブランズ)

技術に裏打ちされた斬新なフォルム

「独特なフォルムのバックパックが人気のコートエシエルとメレルの初コラボレーションが今年の6月末にメレルの1TRL(ワンティーアールエル)ラインから発売されました。シルエットがユニークすぎて『どうやって履くのだろう?』と興味を持ちました。アッパーのファブリックをツイストして螺旋状にしたこのデザインは、富士山を囲む雲の形がインスピレーションだそうです。

渦の中央が履き口になります。中にはネオオプレーン製のソックインサートがあしらわれているので、ひとたびフィッティングしてしまえば、軽量で快適に履けます。靴としての造形もいいし、このフォルムを実現した技術力はすごいなと感動を覚えました。

1TRLは2020年にヨーロッパで始動して、さまざまなアイデアで今のファッションの文脈に沿ったシューズを打ち出しています。歴史こそ浅いけれど、革新的なデザインに挑戦するプレミアムラインをつくったからこその技術や経験が生きて、今回のコートエシエルとのコラボのような斬新な形状を製品化できたのだと思います」(小澤)

05:MERRELL|JUNGLE MOC EVO VENT SE

MERRELL|JUNGLE MOC EVO VENT SE
MERRELL|JUNGLE MOC EVO VENT SE
スニーカー¥20,900/メレル(丸紅コンシューマーブランズ)

名品ジャングル モックを今のムードでデザイン

「メレルの1TRL (ワンティーアールエル)という、ファッション向けのプレミアムなラインから今年出た、新しいジャングル モックです。ここのところメレルは人気を集めていますが、Y2Kやゴープコア(GORPはGood Old Raisins and Peanutsの頭文字をとった造語。アウトドア要素を日常に取り入れたスタイル)のトレンドがあるとはいえ、じゃあ僕たちの世代が好きだったあの時代のジャングル モックをファッションとして履くか? と言われたら、そうではない気がします。実は僕も2年前に定番のジャングル モックを買ってみたものの、やっぱり今着ている服に合わせると、時代感を合わせるのが難しいなと感じました。

今年1月に登場したこの『ジャングル モック エボ ベント』は、甲部分のゴム使いや、アッパーのしずく型のデザインが2000年代ぽくて、今のユースなムードのトレンドに合っています。グレーにブルーを差した配色も合わせやすそうです。アウトドアに捉われず、ストリートなスタイルで履くのが僕はいいと思います。マウンパとかダウンベストに合せるのではなく、シャツやスラックスのモダンな格好に合わせるぐらいがおしゃれじゃないかと。

土踏まず部分が盛り上がっているところがいなたい部分ですが、これがこのシューズの愛すべきところ。『ジャングル モック エボ ベント』のような、アウトドア専門店が扱っていないモデルのほうが、ファッションとして履くには合わせやすいと思います」(小澤)

06:THE NORTH FACE|Nuptse Loafer

THE NORTH FACE|Nuptse Loafer
THE NORTH FACE|Nuptse Loafer
スニーカー¥20,900/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター)

「ヌプシ」のDNAを受け継ぐ新型ローファー

「この秋、『ヌプシ ブーティ』からローファータイプが登場しました。ローファー人気も、ついにザ・ノース・フェイスにまで波及したか…と。アッパーはダウンのようなリサイクルポリエステルとスエード、2種類あります。個人的にはヌプシダウンがネタであることが大事なので、リサイクルポリエステルアッパーの方に惹かれました。

3年前にザ・ノース・フェイスがパラブーツとコラボしています。それはヌプシを彷彿とさせるキルティングをフルグレインレザーで仕立てたアッパーに、パラブーツの自社製ラバーソールを組み合わせていました。残念ながら、そのコラボレーションは一般発売されず…。もしリリースされていたなら、今でも欲しいと思っています。

今回の『ヌプシ ローファー』は、ただトレンドに寄せるわけではなく、アイコンを踏襲しつつ、どうやってモダンなアイテムに落とし込むかを考えられている点が素晴らしい。これはスニーカーに限らず、ファッションにおいて大事なことです。“ヘリテージ企画”としても、残し方と変え方のバランスが絶妙だと感じました。

余談ですが、僕は『ヌプシ ダウン ミュール』をずっと愛用しています。これは山のテント用にできたアイテムですが、冬場のルームシューズとして、自宅でも山でも、コレです。室内を歩いていても足音がしないからいいんですよ」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

プーマ お客様サービス TEL:0120-125-150
ナイキ カスタマーサービス TEL: 0120-6453-77
アディダス コールセンター TEL:03-6732-5461
丸紅コンシューマーブランズ TEL: 03-6838-9677
ゴールドウイン カスタマーサービスセンター TEL:0120-307-560

RECOMMENDED