冬の着こなしをシックに演出してくれる黒スニーカー。今季は、人気ブランドの新作からコラボモデルまで、ハイクオリティなアイテムが大豊作。エディターの小澤匡行さんが、周りと差がつく5足をピックアップ。
01:PATRICK for Steven Alan| COTTAGE OG
スクエアトゥのシェイプも気分の70年代モデル別注
「コテージはパトリックの70年代のトレーニングシューズをベースにしたモデル。ライニングまでブラックで統一されたオールブラック仕様は、スティーブン アランによる別注です。パトリックはスニーカーカルチャーの中心にいるブランドではありませんが、こういう“外側”にあるシューズを、プロダクトの背景やルーツを理解したうえでフックアップしている点がスティーブン アランらしい。
カテゴリーとしては今旬なロープロファイル(低重心)のフットボール系シューズで、70年代特有のスクエアトゥのシルエットが、ちょっと前に紹介したドリス ヴァン ノッテンの上品なフォルムとも重なって見えて、気になりました。よく見ると木型の美しさや、メイド・イン・ジャパンならではのつくりのよさ、アッパーのスエード素材の上質さも光ります。今まで自分のカルチャーとはリンクせず、あまり履いてこなかったパトリックですが、大人になってそのよさがわかるようになりました。
最近、ローテクスニーカーのスクエアシェイプに魅力的なものが増えてきていて、注目しています。少し前までは見慣れない印象でしたが、今はしっくりくるようになりました。ブラックアッパーにブラウンソールという組み合わせも、今シーズンのスタイルに合わせやすいです」(小澤)
02:adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG
サンバOGをちょっとしたアレンジで鮮度UP
「少し見飽きた感があるかもしれないサンバは、ブロークコアの流行で2022年頃から脚光を浴び、Y2Kファッションと結びついて大ブレイクしました。そこから枝葉のようにトレーニングシューズやフットボールシューズがリバイバルし、大きな流れを生んだことで、若い世代にとってサンバは“ひとつの軸”としてとらえられていると思います。
僕から見ると、いよいよサンバがスタンスミスやスーパースターと肩を並べる存在になっている気がして、フットボールのような一過性の流行がなくなってもサンバは残るんじゃないかと感じます。サンバ自体は1950年代にルーツがあるモデルですが、Y2Kという現代のファッションやスニーカーカルチャーの大きなカテゴリーの中で、アディダスの時代性を象徴するのがサンバなのだろうと思います。
サンバは基本的にベーシックカラー中心だから、一足持っていたら買い足しは不要だし、特に派手な色に挑戦したいわけでもないじゃないですか? そんな中にあってアダム エ ロペの今季の別注は、モダンなアレンジが施されていて目を引きました。
アウトソールをブラウンのガムソール、ライニングもブラウン系のレザー調素材でまとめ、コントラストカラーの白ステッチをきかせています。黒×茶色の配色やクラフト感といった旬の要素がうまく落とし込まれていて、シンプルながらも大人っぽく見えたので、今回ピックアップしてみました」(小澤)
03:On × POST ARCHIVE FACTION (PAF)|Cloudmonster Hyper PAF
ファッションとランを両立する旬のコラボ第4弾
「オンとポスト アーカイブ ファクション (PAF)のコラボレーションは昨年の春にスタートして、その後も継続的に展開されています。僕は昨年秋の第2弾で登場した『クラウドベンチャー ピーク PAF』を、ドーバー ストリート マーケット ギンザで購入しました。それを履いていると、若い世代からも『いいですね』言われることが多く、“褒められ靴”の代表格というか、オンの魅力に気づくきっかけになっているようです。
数あるオンのコラボレーションの中でもポスト アーカイブ ファクションは、ファッション好きが一番に飛びつくブランド。スニーカーはモノトーンベースのものが多く、特に黒の表現の仕方が秀逸です。僕が手に入れた『クラウドベンチャー ピーク PAF』はトレイルランニングシューズだからソールがしっかりしていて、ミラノ出張では石畳の街中も快適に歩くことができました。
そして今回の第4弾では、 “走りたくなる”モデルとして人気の『クラウドモンスター』をピックアップしています。カラーリングやカーブを描くアッパーのデザインなど、僕がオンに期待する要素を見事に具現化しつつ、ライフスタイルとランニングをシームレスにつなぐ一足に仕上がっています。今回はどちらかと言えばランニングベースで履いて、自分のスタイルに落とし込んでいきたいと思っています」(小澤)
04:THE NORTH FACE|Nuptse Loafer
「ヌプシ」のDNAを受け継ぐ新型ローファー
「この秋、『ヌプシ ブーティ』からローファータイプが登場しました。ローファー人気も、ついにザ・ノース・フェイスにまで波及したか…と。アッパーはダウンのようなリサイクルポリエステルとスエード、2種類あります。個人的にはヌプシダウンがネタであることが大事なので、リサイクルポリエステルアッパーの方に惹かれました。
3年前にザ・ノース・フェイスがパラブーツとコラボしています。それはヌプシを彷彿とさせるキルティングをフルグレインレザーで仕立てたアッパーに、パラブーツの自社製ラバーソールを組み合わせていました。残念ながら、そのコラボレーションは一般発売されず…。もしリリースされていたなら、今でも欲しいと思っています。
今回の『ヌプシ ローファー』は、ただトレンドに寄せるわけではなく、アイコンを踏襲しつつ、どうやってモダンなアイテムに落とし込むかを考えられている点が素晴らしい。これはスニーカーに限らず、ファッションにおいて大事なことです。“ヘリテージ企画”としても、残し方と変え方のバランスが絶妙だと感じました。
余談ですが、僕は『ヌプシ ダウン ミュール』をずっと愛用しています。これは山のテント用にできたアイテムですが、冬場のルームシューズとして、自宅でも山でも、コレです。室内を歩いていても足音がしないからいいんですよ」(小澤)
05:New Balance|204L
アーカイブと時代の気分を結ぶモードな新型
「ニューバランスは、アーカイブと時代の気分を巧みに結びつけながら、新しい形を提案することに長けています。それが人気の理由でもあるのでしょう。1906をローファー型スニーカーにしたり、2002をミュールにしたのも早かったですし、デザインやものづくりの自由度の高さには、いつも感動させられます。
今回取り上げる204Lは新型ですが、どことなくミュウミュウとコラボした530を彷彿とさせます。2000年代のランニングモデルのアッパーデザインとロープロファイルを融合させ、とてもモダンな一足に仕上げている。この手腕もまた、ニューバランスならではです。
204Lのような、Y2Kなアッパーに薄いソールのモデルが出始めた当初は、正直なところ違和感がありました。でも今ではすっかり自然で、とてもモードな印象に変わりました。ただ、この204Lのように、センスを感じるフォルムや配色、素材を選び、インラインで展開できるのは、やはりニューバランスの技だと思います」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
スティーブン アラン フタコタマガワ TEL: 03-5491-7511
ジュンカスタマーセンター TEL: 0120-298-0133
オン・ジャパン TEL: 050-3196-4189
ゴールドウイン カスタマーサービスセンター TEL:0120-307-560
ニューバランスジャパンお客様相談室 TEL:0120-85-7120














