2026年2月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST5:AMOMENTO|Vibram Lace-Up Sneakers
韓国ブランド発ファッション視点の薄底スニーカー
「UOMO本誌のスニーカー特集のリサーチをする中で見つけた、韓国のブランド・アモーメントの薄底スニーカーです。ソウルで2016年にスタートして、昨年10月には表参道にフラッグシップストアをオープンしています。ストリート系が強い韓国ブランドの中でも、ヨーロッパ的なモダンなベーシックが持ち味。最近注目のアフォーダブルラグジュアリー(“頑張れば買える”価格帯の高級ブランド)に分類されているようで、UOMOの読者が好きなテイストだと思います。
このカウスエードのスニーカーは、シンプルながらも存在感があるところに惹かれました。ミッドソールのない薄底ですが、シュータンと本体を一体化した袋状の構造やノーズのバランスなどファッションの視点でつくっているという姿勢がディテールに反映されています。個人的には非常にヨーロッパっぽいデザインだなと感じました。
最近のスニーカーのトレンドでもあるシューホールの多いアッパーやスムースレザーのトゥガードなど、トレイルやクライミングシューズ風のアレンジもキャッチーです。ダークブラウンの色みやスエードの質感も含めて、ファッションとして使いやすい一足に仕上がっています」(小澤)
BEST4:Reebok|CAMARGUE CF STEAD
懐かしさを感じるモデルをヴィンテージ調レザーで
「カマルグは、リーボック初のアスレチックレザーシューズとして1978年に登場したモデルだそうです。80年代初頭のフィトネスブームのとき、また90年代後半から2000年代にかけてはハイテクスニーカーを筆頭に、リーボックがスニーカーシーンを席巻した時代が何度かありました。僕がこの業界で雑誌の仕事を始めた2001年頃は、ヒップホップの文脈からもリーボックが人気を集めていたんですよね。
その時代にも、カマルグのようなフィトネスシューズをランクアップさせたようなモデルが出ていました。だからこれを見たときに、その当時の記憶が呼び起こされて、少し懐かく感じたんです。僕がクラブシーを好きになったり、2月に発売されるこのカマルグ CF ステッドを見て、『トライしてみよう』と思えるのも、過去の体験とつながる感覚からだと思っています」
「カマルグ CF ステッドは、オーセンティックなリーボックのデザインに、英国の老舗タンナー、チャールズ・F・ステッドのヴィンテージ調レザーを使用しているのがポイント。クラークスのデザートブーツのスエードを長年供給してきたことで有名なこのタンナーはスエードのイメージが強いものの、このヴィンテージ調のレザーも見事。あの時代のリーボックの雰囲気を、真面目に表現しようとしているところに好感を持ちました。大人に向けたスニーカーだと思います」(小澤)
BEST3:SATISFY|THE ROCKER
パリの注目ランニングブランドのグラベルシューズ
「フランスのランニグウェアブランドとして2015年にスタートしたサティスファイは、日本でもだいぶ知名度が上がっています。僕も日々のランニングではサティスファイを着て走ることが多くなりました。ランニングウェアというスポーツアパレルにラグジュアリーな視点を取り入れた、ファッション感度の高さはトップクラスだと思います。
速さや記録を達成するためではなく、すでにそれらを持っている人が自分の“走るという行為”に対して美意識を追求できるようなブランドというイメージ。ランニングがメディテーションになるような、そんな感覚があります。この『ザ・ロッカー』は、サティスファイから昨年の夏に初めて登場したオリジナルのランニングシューズ。海外のサイトではよく見かけていましたが、日本でもシップスのようなセレクトショップまでもがファッション的視点で取り扱うなど、広がりを見せています。
『ザ・ロッカー』という名の通り推進力のあるロッカー構造を取り入れていて、最新のランニングシューズを履いたときのような感動も味わえます。デザインやカラーリングで今のムードをしっかり取り入れつつ、靴擦れ防止のカバーやパッドを備えるなど、ディテールにも配慮が行き届いている。このモデルはいわゆるグラベルシューズで、トレイルもロードも走れる設計。出張時もこれを履いていけば、思い立ったときにそのまま走れます。いろんな面で時代に合ったシューズです」(小澤)
BEST2:Village PM|1 PM
アウトドア×スケートの新感覚シューズ
「ヴィレッジ ピーエムは、昨年の秋にドーバー ストリート マーケット ギンザやビームスのポップアップで知った、パリ発のスケーターシューズブランドです。この春から日本にも本格的に上陸するということで、今後目にする機会が増えそうです。現在は、紹介する1 PM(ワン ピーエム)とミドルカット仕様の1 PM MID(ワン ピーエム ミッド)、派生モデルの1.5PM(ワンサーティ ピーエム)の3型しかありませんが、とてもファッションの視点でデザインされています。
前回紹介したアモーメントのスニーカーにも採用されていた通り、クライミングシューズのようにつま先まで締め込めるレーシングシステムは今、トレンドでもあります。1 PMも然りで、実はこのシューズの開発には、サロモンやザ・ノース・フェイスのシューズを手がけるフランスの山奥、ヌアシーのクリエイティブシューズエージェンシー『オールトライアングルズ(All Triangles)』が携わっているそうです。
スケーターシューズらしいラバーのトゥガードも、アウトドア仕様で付いています。スラックスに合わせたときは、このつま先のディテールがアクセントになって、いろいろと遊べたりします。シュータン部分にネオプレン風の素材を配するなど、フィットや履き心地にもこだわっていて、誠実に“いい靴”をつくろうとしている姿勢が伝わってきます」(小澤)
BEST1:CONVERSE|WEAPON CC AG OX
茶芯&細身ラストでつくられた大人のウエポン
「1月下旬に発売された新作のウエポンです。復刻ではなく、ボリュームを抑えた新デザインで登場しました。ウエポンにしては低重心なフォルムがまず気になったのと、ディテールを見たときに茶芯が採用されていたので、今回ピックアップしています。日焼けしたような加工のソールからもわかるように、ヴィンテージライクな雰囲気をまとわせています。
試作していた昨年のことですが、『ヴィンテージ感を出すために茶芯でつくっている』と聞いて、細部へのこだわりに感心しました。茶芯というのはヴィンテージ用語で、茶色いレザーの上に色を塗り重ねることで、使っていくうちに下地の茶色が出てくる仕様のこと。このウエポンは切りっ放しのコバをそのまま見せることで、茶芯であることをアピールしています。
ヴィンテージなムード以上に、僕が惹かれたのは形の美しさです。素材使いも含めて若々しさを抑えたウエポンは、カジュアルではなく、ウールスラックスのようなドレッシーなボトムにもしっくり合います。マニア御用達のモデルですが、ヴィンテージ感を追及することでおしゃれ好きにも響く一足へと進化したのは興味深いとこ。名品の新機軸かもしれません」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。














