2025.10.28
最終更新日:2025.10.28

【大人が買うべきスニーカー】差がつくメレル、オン、プーマ... エディターおすすめ「コラボモデル」5選

今季も人気ブランド同士によるコラボスニーカーが大豊作。その中から、東京スニーカー氏ことエディターの小澤匡行さんが注目する逸品をピックアップ。

01:PUMA × Graphpaper|Speedcat Plus GRAPHPAPER

PUMA × Graphpaper|Speedcat Plus GRAPHPAPER
PUMA × Graphpaper|Speedcat Plus GRAPHPAPER
スニーカー¥22,000/プーマ×グラフペーパー(グラフペーパー 東京)

大人が履きやすいグレージュワントーンの薄底モデル

「2000年前後のプーマのデザインは、今とても時代に合っている気がします。モストロ然り、スピードキャット然り。ヨーロッパのスニーカーならではの独特のフォルムが、今のファッションにマッチしているのだなと、カッコよく履きこなしている若者のSNSを見ていて思います。当時を経験していないひとつ下の世代が、新しい解釈でこういう靴をとらえているのも面白い。

そんな若者の靴をグラフペーパーが、大人っぽい色合いや素材感でアレンジしてくれました。ある意味無臭なグレージュのワントーンで、スムース、ショートスエード、ヌバックと3つの革で表情をつけています。クラークスのベージュのワラビーを愛用していたような人が、すんなり取り入れやすいカラーリング。グレージュがスニーカーとファッションの距離を縮めてくれます。

スピードキャットはドライビングシューズをベースにしたモデルだからかなりの薄底で、これがまた今の服に合わせやすい。着こなしを今っぽく見せてくれます」(小澤)

02:MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel

MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel
MERRELL|HUT MOC 2 × côte&ciel
スニーカー¥19,800/メレル(丸紅コンシューマーブランズ)

技術に裏打ちされた斬新なフォルム

「独特なフォルムのバックパックが人気のコートエシエルとメレルの初コラボレーションが今年の6月末にメレルの1TRL(ワンティーアールエル)ラインから発売されました。シルエットがユニークすぎて『どうやって履くのだろう?』と興味を持ちました。アッパーのファブリックをツイストして螺旋状にしたこのデザインは、富士山を囲む雲の形がインスピレーションだそうです。

渦の中央が履き口になります。中にはネオオプレーン製のソックインサートがあしらわれているので、ひとたびフィッティングしてしまえば、軽量で快適に履けます。靴としての造形もいいし、このフォルムを実現した技術力はすごいなと感動を覚えました。

1TRLは2020年にヨーロッパで始動して、さまざまなアイデアで今のファッションの文脈に沿ったシューズを打ち出しています。歴史こそ浅いけれど、革新的なデザインに挑戦するプレミアムラインをつくったからこその技術や経験が生きて、今回のコートエシエルとのコラボのような斬新な形状を製品化できたのだと思います」(小澤)

03:MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES

MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES
MIZUNO FOR MARGARET HOWELL|MIZUNO HIKING SHOES
スニーカー¥33,000/ミズノ フォー マーガレット・ハウエル(マーガレット・ハウエル)

ファッション軸がない「ウエーブガゼル3 GTX」を洗練

「毎回注目しているミズノ フォー マーガレット・ハウエルの2025年秋冬モデルです。僕は今回ハウエルがピックアップしたベースモデル『ウエーブガゼル3 GTX』を、3~4年前から愛用しています。ミズノがウォーキングシューズとして展開しているだけあって、とにかく歩きやすい。GORE-TEX仕様だから雨の日はもちろん、旅行や出張にも持っていく率が高い一足です。

“ファッション軸”を持たない本気のウォーキングシューズを、あえて選んでいるところに、ハウエルらしいセンスを感じます。さらに今回は、ブラックのワントーンに加え、ダークブラウン×ブラックの配色を出しています。このコンビネーションがすごく上品でいい。持っているモデルはブラックなので、コラボのほうはブラウンを買いました。履いてみるとフィットと軽さがオリジナルモデルよりも上がっていて、実用性も優秀です。

メンズのドレスファッションの世界では、黒と茶色を合わせるのは長らくタブーとされてきました。黒はフォーマル、茶色はカントリーの色だからというのがその理由です。その境界線を越えてファッションに昇華させたのは2010年代、ディストリクト ユナイテッドアローズのディレクターだった栗野宏文さんでした。

スニーカーの世界でこの配色は、アウトドア系でもライフスタイル領域でもなかなか見かけません。ミズノ フォー マーガレット・ハウエルの独特で洗練されたこの配色のシューズを、この秋冬はブラウンのパンツに合わせて履きたいと思います」(小澤)

04:On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI

On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI
On × BEAMS × REI Co-op|Cloudrock Low BEAMS REI
スニーカー¥27,500/オン×ビームス×アール・イー・アイ(ビームス メン 渋谷)

都会派オンの本気アウトドアシューズに注目

「オンのスニーカーには洗練された都会派の象徴というイメージがあります。でもこの3社コラボによる『クラウドロック ロウ ビームス アール・イー・アイ』を見て、オンってファッションだけじゃなく、もっと広い領域と接続できるブランドなんだな…と、その振り幅に改めて驚かされました。

ロエベとのコラボレーションではモードとのタッチポイントを提示しましたし、僕らのような働く40代にとってはデキる仕事道具のようなスマートな存在感もあったと思います。でも“アウトドア”という文脈は、正直これまでオンと結びついていなかった。もちろん、クラウドロックやクラウドホライズンといったハイキング向けのモデルは展開されていますが、どれも他のアウトドアメーカーのそれよりも都会的で、それがオンらしさだと感じていました。

今回のモデルは、アメリカ最大級のアウトドアブランド、REI(アール・イー・アイ)とのコラボということもあり、アウトドアショップのシューズコーナーに並んでいても違和感のない佇まい。黒×茶色の配色や、リサイクル素材を思わせるソールの質感など、王道アウトドアのディテールが逆に新鮮に映ります。

“都会的すぎるオン”を敬遠していた層にとっても、今回のコラボは魅力的に映るはず。新しい層へのアピールとしても面白い試みだと思います。僕自身、クラウドロックはまだ履いたことがないので、郊外ロケなどのタイミングでぜひ試してみたいです」(小澤)

05:On × POST ARCHIVE FACTION (PAF)|Cloudmonster Hyper PAF

On × POST ARCHIVE FACTION (PAF)|Cloudmonster Hyper PAF
On × POST ARCHIVE FACTION (PAF)|Cloudmonster Hyper PAF
スニーカー¥35,200/オン×ポスト アーカイブ ファクション(PAF)(オン・ジャパン)

ファッションとランを両立する旬のコラボ第4弾

「オンとポスト アーカイブ ファクション (PAF)のコラボレーションは昨年の春にスタートして、その後も継続的に展開されています。僕は昨年秋の第2弾で登場した『クラウドベンチャー ピーク PAF』を、ドーバー ストリート マーケット ギンザで購入しました。それを履いていると、若い世代からも『いいですね』言われることが多く、“褒められ靴”の代表格というか、オンの魅力に気づくきっかけになっているようです。

数あるオンのコラボレーションの中でもポスト アーカイブ ファクションは、ファッション好きが一番に飛びつくブランド。スニーカーはモノトーンベースのものが多く、特に黒の表現の仕方が秀逸です。僕が手に入れた『クラウドベンチャー ピーク PAF』はトレイルランニングシューズだからソールがしっかりしていて、ミラノ出張では石畳の街中も快適に歩くことができました。

そして今回の第4弾では、 “走りたくなる”モデルとして人気の『クラウドモンスター』をピックアップしています。カラーリングやカーブを描くアッパーのデザインなど、僕がオンに期待する要素を見事に具現化しつつ、ライフスタイルとランニングをシームレスにつなぐ一足に仕上がっています。今回はどちらかと言えばランニングベースで履いて、自分のスタイルに落とし込んでいきたいと思っています」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

グラフペーパー 東京 TEL:03-6381-6171
丸紅コンシューマーブランズ TEL: 03-6838-9677
マーガレット・ハウエル https://www.margarethowell.jp
ビームス メン 渋谷 TEL:03-3780-5500
オン・ジャパン TEL: 050-3196-4189

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