01:MERRELL|SPEED ARC MATIS GORE-TEX
プロポーションのいいハイテクシューズ
「ゴープコアのジャングル モックもありながら、こういうフューチャリスティックなモデルも手がけるメレルは、本当に器用なブランドになっているなと思います。最新のスピード アーク マティス ゴアテックスには、メレルのハイテクシューズへの意欲が見えます。メレルといえば素材を組み合わせる複雑なレイヤーが特徴でしたが、これは完全に圧着で、見事なハイテクシューズになっています。
アッパーには少しミリタリーなムードがありつつ、アッパーからはみ出すソールユニットが現代的です。足入れしてみると、今までにない不思議なクッショニングを感じました。そして、とても軽い。テクノロジーを駆使しているようで、意外にシンプルにまとまっているのも好印象。
ソールの張り出し方を見ると、マーティン・ローズがデザインしたスニーカーを思い出しますが、このシューズは独特の形状のソールを使いながら、プロポーションがすごくいい。きれいに見える理由はそこだと思います。本格的なアウトドアのスペックではありますが、ファッションユースによさそうです。ハズしとかではなく、素直に合わせたいと思います」(小澤)
02:MERRELL|JUNGLE MOC EVO VENT SE
名品ジャングル モックを今のムードでデザイン
「メレルの1TRL (ワンティーアールエル)という、ファッション向けのプレミアムなラインから今年出た、新しいジャングル モックです。ここのところメレルは人気を集めていますが、Y2Kやゴープコア(GORPはGood Old Raisins and Peanutsの頭文字をとった造語。アウトドア要素を日常に取り入れたスタイル)のトレンドがあるとはいえ、じゃあ僕たちの世代が好きだったあの時代のジャングル モックをファッションとして履くか? と言われたら、そうではない気がします。実は僕も2年前に定番のジャングル モックを買ってみたものの、やっぱり今着ている服に合わせると、時代感を合わせるのが難しいなと感じました。
今年1月に登場したこの『ジャングル モック エボ ベント』は、甲部分のゴム使いや、アッパーのしずく型のデザインが2000年代ぽくて、今のユースなムードのトレンドに合っています。グレーにブルーを差した配色も合わせやすそうです。アウトドアに捉われず、ストリートなスタイルで履くのが僕はいいと思います。マウンパとかダウンベストに合せるのではなく、シャツやスラックスのモダンな格好に合わせるぐらいがおしゃれじゃないかと。
土踏まず部分が盛り上がっているところがいなたい部分ですが、これがこのシューズの愛すべきところ。『ジャングル モック エボ ベント』のような、アウトドア専門店が扱っていないモデルのほうが、ファッションとして履くには合わせやすいと思います」(小澤)
03:MERRELL|MOAB 2 SLIDE QUILTED
メレルの勢いが凝縮された新作モック
「メレルの『MERRELL 1TRL (ワンティーアールエル)』コレクションからの新作モックです。キルティング&スエードアッパーにヴィブラムソール、ライニングはフリースと見た目と機能を両立していていいなと思いました。メレルはもともとアメリカのアウトドアシューズブランドで、海外では日本以上に盛り上がっています。
このモックは山歩きの後のアフタースポーツシューズを、タウンでも履きやすい冬のスライドやミュールのようなデザインに落としこんでいます。以前のメレルはジャングルモックに象徴されるように、いなたさのあるデザインをハズしとして使うイメージでしたが、今はファッションとしてちゃんとトレンドの真ん中に着地しているので、どんなコーディネートに合わせても今っぽく見える。
今のムードをサラッと表現できるブランドに進化したなと驚いています。だからこそ、コラボのオファーが絶えないんでしょうね。メレルには勢いを感じています」(小澤)

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
丸紅コンシューマーブランズ TEL:03-6838-9677