2025.07.13
最終更新日:2025.07.13

【大人が買うべき新作スニーカーBEST5】1位は日本企画のホカ「マファテ」【2025年7月】

2025年6月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!

BEST5:SUPERGA|1925 Made In Italy

SUPERGA|1925 Made In Italy
スニーカー¥30,800/スペルガ(カメイ・プロアクト)
SUPERGA|1925 Made In Italy
SUPERGA|1925 Made In Italy

原点回帰した無垢な100周年限定モデル

「ストリートからは縁遠い存在のスペルガ。若い頃はカルチャーも違うし、履いたことがなかったんですが、15年ほど前でしょうか? プレッピーやアイビー、それからイタリアのクラシックなドレススタイルがトレンドに浮上したとき、初めて手に入れました。定番『2750』のネイビーを、インコテックスやGTA(ジーティーアー)のスラックスに合わせて、ベルベスト、バブアーのジャケットなんかを着たりして、自分なりのカジュアルスタイルをつくっていた時期がありました。

それまでの僕にはありえないくらいレトロなスニーカーでした。1960年代にアイビーリーガーが愛用していた靴だからそれは当然で、当時はそれなりに新鮮に感じました。そんなスペルガが100周年を迎え、イタリア製のモデルが世界1000足限定で発売されると聞いて見てみたところ、無垢なキャンバスでつくられていたのですごく面白いなと。メイド・イン・イタリーでラグジュアリーにするのではなく、アーカイブの一番古そうな原点に向かったのがよかった。

目の粗いキャンバスアッパーにはクラフト的なムードがあるし、通常はアッパーに付いているロゴタブもない。トゥがシュッとしていてバランスがよく、品もあります。このスペルガのように、ゼロに戻すと靴の本質が見えてきますよね。これにアーティストっぽく手書きでカスタムするのもいいかもしれません。定番に比べて価格は高めですが、薄底ブームの今、クラフト感のある『1925 メイドインイタリー』は買いだと思います」(小澤)

BEST4:Last Resort AB|CM002-LO

Last Resort AB|CM002-LO
スニーカー¥16,500/ラストリゾートエービー(サンプルデリカ)
Last Resort AB|CM002-LO
Last Resort AB|CM002-LO

スケーター仕様ながら品のいいスニーカーの新色

「毎回楽しみにしているラストリゾートエービーの新色が5月下旬に発売になりました。最近はモックトゥシューズやローファーなど革靴っぽいスケートシューズを楽しんでいましたが、今回ネイビーがドロップされたCM002-LO(シーエムゼロゼロツー ロー)は昨年末に発売されたスポーティなモデル。個人的に僕が好きな80年代のコートシューズやバッシュのムードを感じていて気になっていたところに、ネイビーが出たのでこれは欲しいと思いました。

ナイロンメッシュとレザー、スエードのコンビネーションアッパーには、ミリタリーの要素を強く感じます。トゥやサイドなどトリックをするときに使う部分が二重に補強されていたり、カップソールのフィット感も高まって、それまでの定番モデルよりも機動力が上がったそうです。僕はスケートボードをしませんが、スケートシューズとしての実用的な部分もしっかりしていて、それなのにとても品がいい。つくっている人たちが、根っから品がいいんでしょうね。

 仕事でラストリゾートエービーのアートディレクター、サミ・トルッピ(Sami Tolppi)に会うために近々スウェーデンのストックホルムまで行くんですが、そのときにはこのスニーカーを履いていきたいなと思っています」(小澤)

BEST3:adidas Originals|MONTREAL

adidas Originals|MONTREAL
スニーカー¥15,400/アディダス オリジナルス(アディダス コールセンター)
adidas Originals|MONTREAL
adidas Originals|MONTREAL

レトロデザインにベージュという万能な掛け算

「1976年のモントリオールオリンピックに向けて開発された、モントリオール76をアップデートした新作です。当時、競技用ではなくトレーニングシューズとして登場したもので、オリジナルモデルはヒール部分がラバーで覆われています。今回発売されたのは、ヒールのラバーパーツをなくした履きやすいデザインで、僕は初めて見ました。

このモントリオールに関してはオリジナルモデルが云々というよりも、配色でピックアップしました。アディダスのこの手のトレーニングシューズは、『スタンスミス=白』のように特定の色のイメージがあまりなく、色を楽しむためにつくられています。僕のような黒い格好が多い大人にとって、足元に白のスニーカーは万能ではなく、少しまぶしすぎる存在になってしまいました。その点、ベージュやクリームといった色だと落ち着くんです。

このモントリオールもアディダスが得意とするレトロなデザインでベージュと、これはもう万能な掛け算だと思いました。黒い服だけでなく、夏は白パンツに合せたり、チノパンでワントーンなんて着こなしにもよさそうです。セレクトショップがすぐに別注しそうな予感がします」(小澤)

BEST2:adidas Originals|ADISTAR HRMY

adidas Originals|ADISTAR HRMY
スニーカー¥25,300/アディダス オリジナルス(アディダス コールセンター)
adidas Originals|ADISTAR HRMY
adidas Originals|ADISTAR HRMY

2000年代の空気感を纏うモダンな新作

「2000年代のランニングシューズを現代的に再構築したスニーカーがファッションシーンに浸透しています。このアディスター Hrmy(ハーモニー)もそんな流れから生まれた新作なんですが、日本的なトレンドとは違う文脈を感じています。90年代後半のヨーロッパの写真集に出てきそうな、普通の若者が履いていそうないなたさもあって気になりました。

アディスターシリーズは昨年、アディスタークッションが復刻されて、懐かしいなと何足か試していたところ。若い世代は上手に履きこなせるのでしょうが、僕にはちょっとリアルすぎて難易度が高かった。その点、アディスター Hrmyは現代的な要素もミックスされているし、6月10日に発売された新色のネイビーは2000年代感もありつつ取り入れやすい、いいバランスになっています。

サイドのツメのようなTPU素材の補強は、90年代後半のスニーカーに見られたテクノロジー。そのアッパーに厚みのある最新のソールを付けてバランスを整えています。軽量で履きやすいシューズに仕上がっている点も好印象です」(小澤)

BEST1:HOKA|MAFATE THREE2 GRID JP

HOKA|MAFATE THREE2 GRID JP
スニーカー¥29,700/ホカ(デッカーズジャパン)
HOKA|MAFATE THREE2 GRID JP
HOKA|MAFATE THREE2 GRID JP

インソールに注目した日本企画

「マファテはホカのトレイルランニングシューズを代表するモデルです。僕のまわりは、ボンダイやクリフトンよりもマファテをファッションで履いている人の方が多い気がします。僕自身、ミニマルでなくちゃんとアウトドアの刺激があるマファテのデザインの方が、洋服にも意外と合わせやすいと感じています。

マファテ スリー2は、トレイルランニングシューズのマファテ スピード 2とマファテ 3を融合したモデルです。マファテ スピード 2の形状をベースに、アーカイブモデル、マファテ 3のブランド誕生時のHOKA ONE ONEロゴを組み合わせているのが特徴で、2023年に登場しました。このマファテ スリー2 グリッド JPは、インソールに注目したというユニークな日本企画です。

靴を脱ぎ履きする日本の習慣に着目して、脱いだときに見えるインソールに旧ロゴとオリジナルグラフィックをあしらって日本らしさを表現したそうです。ホカは歴史が浅いわりには初期モデルを復刻したり、こうしてハイブリッドにしたり、スニーカーカルチャー的な表現が上手ですよね。オリジナルモデルが神格化されてしまうと、こういうミックス手法もイメージを壊してしまうのでやりづらくなりますが、テックなスニーカーにレトロロゴというバランスは新しい方法かなと思います」(小澤)

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