気軽に履けるのがスニーカーの本来の魅力。ここでピックアップした6方は、どれも1万円台以下とコスパ抜群。東京スニーカー氏ことエディターの小澤匡行さんも認めるアイテムゆえ、クオリティも確かだ。
01:CONVERSE|CONS ACCELERATOR MID
『スラムダンク』のリョータ着用モデルの現代版
「80年代後半から90年代中期、バッシュといえばコンバースという時代でした。有名なところでは、コンバースのパフォーマンスモデルとして、1986年に発売されて大ヒットしたウェポン。その後、90年代に入って人気を集めたのがアクセレレーターです。このモデルが発売されるというニュース記事を最初に見たとき、『スラムダンク』世代の僕としては懐かしい気持ちになりました。画像が悪くてディテールがよくわからなかったので、当時の完全復刻だと思い込み、期待が高まっていたのですが(笑)。
現物を見たら、ライフスタイルモデルではなく、パフォーマンスラインの本気のバッシュでした。『スラムダンク』では宮城リョータが履き、当時のNBAのスター選手、マジック・ジョンソンが愛用したモデルを、オリジナルのデザインは活かしつつ現代的に解釈しています。中空ミッドソールを搭載したリアルな白バッシュは、『スラムダンク』世代の大人ではなく、今のバスケ少年たちに向けてつくられています。
僕自身はもうバスケットからは引退宣言をしています。が、同世代でまだプレーしている人は、意外と多いんですよね。僕が今でもランニングシューズを買うように、大人になってからのプレー用バッシュを探している人も少なくありません。Bリーグでは富樫勇樹選手が、NBAなら今、最も注目されているシェイ・ギルシャス=アレクサンダーもコンバースを履いていたりと、再び盛り上がっています。またバスケをしようと思っているUOMO世代の、ひとつのチョイスとしてもありではないでしょうか」(小澤)
02:CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI
ミッドナイトブルーの色みに惹かれる新作オールスター
「このオールスターは何がいいかといいますと、ミッドナイトブルーというカラーです。黒に見えますが、実は黒じゃないんです。若い頃、ドレス業界の諸先輩方から『一番フォーマルでクラシックなスーツはミッドナイトブルー(あるいはミッドナイトネイビー)だ』と教えられました。つまり黒に限りなく近いダークネイビーです。
当時はまだ黒いスーツをビジネスシーンで着ることはご法度でしたので、ミッドナイトブルーであれば冠婚葬祭にも行けるし、ビジネスでも風格が出せると。そういう経緯もあってミッドナイトブルーという言葉がとても好きになりました。それからというもの僕は、ミッドナイトブルーのスーツばかり買っていました。
このコンバースはエイジド ワックスドレザーの風合いもすごくいいし、6mm幅のコットンシューレースの細さはきれいめな服装にもヴィンテージっぽい雰囲気で合わせやすそうです。トゥスプリング(靴を水平な床上に置いたときの、爪先部先端の床面からの反り)が少し低めに設定されていたり、ハトメに光沢があったりと微細な改良も随所に施されています。とてもきれいでありながら、レトロなムードを携えているのが秀逸です」(小澤)
03:East Pacific Trade(EPT)|Deck
韓国発ブランドのデッキスニーカーに注目
「今回紹介するイースト パシフィック トレード(通称EPT)は、前回のDCシューズにも関連するフットウェアブランドです。DC シューズや2000年代に僕が好きでよく雑誌で紹介していた、クリエイティブ レクリエーション(Creative Recreation)の立ち上げに携わったジェイ・ベック(Jai Baek)が2019年に韓国・ソウルで立ち上げました。2024年秋に日本に初上陸して、日本のマーケットはPoggy(小木基史)さんがクリエイティブディレクターをしています。
展開モデルは幅広く、2000年代のスケートシューズを彷彿とさせるようなファットなスニーカーからレトロランニングを再解釈したようなシューズまで多彩です。そんな中から僕が選んだのが、この『デッキ』。ほかのモデルに比べてシンプルで、ヴァンズのオーセンティックやエラとはまた違った、上品な佇まいがUOMOに合うなと思ったのはもちろん、このクオリティで1万円を切る価格に正直驚きました。
シューズ自体は厚底ながら軽量でとても履きやすく、スケートシューズをハイブランドが再構築したようなムードがあります。スケートカルチャー的にはソールが薄くデッキとの接地感が強いほうが王道で、厚底になるほどそのカルチャー色は薄くなっていくわけですが、そのほうが大人にはファッションとして取り入れやすいですよね」(小澤)
04:DC Shoes|DC ASCEND
大人が楽しめるちょうどいい“現代解釈”仕様
「スニーカーは薄底ブームが継続中ではありますが、こういうときこそ逆転の発想で、ボリューム系の中にこそ面白いものがある気がして探したくなります。DCシューズを久しぶりに見たら、OGモデルをアップデートした、懐かしさと今の気分がほどよくミックスされた新作を発見しました。
僕は昨今のスケートカルチャーに明るくはありませんが、今回紹介するDC アセンドのベースになったトゥルース OGのことはよく覚えています。DC アセンドは90年代後半のエクストリーム系まではいかないボリューム感や、あの時代特有の装飾的なOGのデザインを、人気のランニングシューズのようなスタイルに落とし込んでいるのが面白いなと。
アメリカに1年ほど住んでいた頃、僕はスケボーショップで約半年インターンをしていて、たくさんのDCシューズを見ていました。当時は、TPUパーツに色を使ったモデルが人気で、それこそオールブラックなんて全然売れていなかったんですよね。でも今、こうしてDCシューズらしいデザインをオールブラックで見ると新鮮で、当時の思い出がいい方向に補正され、洋服に合わせやすそうだなと感じています。
50歳も近くなって、スケボーもしないのに、あの頃のスケートシューズ感を求めるのもどうかと思うので(笑)、DCアセンドくらいの“現代解釈”仕様はちょうどよさそうです。久々にDCシューズを懐かしんでみたいという気持ちになりました」(小澤)
05:adidas Originals × BILLY’S ENT|PALMA
アイランドシリーズのパルマをビリーズが復刻別注
「1970年代から80年代にかけてリリースされていた“アイランドシリーズ”は、ヴィンテージのアディダスが好きな人なら、絶対に興味があると思います。僕自身もずっと注目してきたので、今回、スペイン・マヨルカ島のリゾートに由来するパルマがビリーズの別注で復刻されたと聞いてさっそく購入しました。
とはいいつつ僕、パルマの存在を知りませんでした。発売されると聞いて、こんなモデルがあったんだと。ただ、個人的にアディダスの好きな条件がすべて凝縮されているので、素直に欲しいと思ったんです。スタンスミスのようなパンチングスタイルのスリーストライプス。つま先がスクエアトウ気味で70年代のトレーニングシューズ風の佇まいであること。そしてこの軽量ポリウレタンソール。自分の好きな3つの要素が組み合わさった、まさにMYヒットな一足です。
ビリーズは日本にフォーカスした“シティシリーズ”を別注で手がけるなど、このところスニーカーシーンでも存在感を増しています。カルチャーに裏付けされている別注も多いのですが、今回のパルマのように、大人世代にぴったりの別注も最近増えているので、目が離せません」(小澤)
06:adidas Originals|SUPERSTAR VINTAGE
ストリートの匂いがない大人のスーパースター
「1969年にデビューしたスーパースターの、初期のムードを取り入れた『スーパースター ヴィンテージ』というモデルがアディダス オリジナルスから出ました。スリーストライプスが少し細かったり、『adidas SUPERSTAR』の刻印のフォントが少し気の抜けた感じだったり、’70年代のディテールや空気感をうまく表現した、どこか余白のあるスーパースターです。
スーパースター 80sが出たときも、若い頃に古着屋や裏原宿界隈で見て憧れていたフランス製のヴィンテージの記憶が呼び起こされて欲しくなったんですが、これはそれよりももう少し前のモデル。品のいいスーパースターが欲しいなと思ったとき、1970年代のスーパースターのディテールが今の自分にはしっくりきました。
シュータンにもヒールにもロゴやトレフォイルが入っておらず、ストリートカルチャーの匂いはしません。これだったらRun-D.M.C.も履かなかったんじゃないかと、そんな感じすらします。レトロなムードはありつつヴィンテンージ感は薄くて、品はいいけれどどこか抜けている。まさに大人のスーパースターだと思います」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
コンバースインフォメーションセンター TEL: 0120-819-217
ジェイアイシーグローバルジャパン
ボードライダーズジャパン
ビリーズ エンター
アディダス コールセンター TEL:03-6732-5461

















