2025.12.12
最終更新日:2025.12.12

【大人が買うべき新作スニーカーBEST5】2位はサロモン×エムエム6 メゾン マルジェラ。1位はアディダス名作の別注モデル!【2025年12月】

2025年11月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!

BEST5:Saucony|Saucony SILO MOMENTUM S

Saucony|Saucony SILO MOMENTUM S
スニーカー¥33,550/サッカニー(サッカニー公式オンラインストア)
Saucony|Saucony SILO MOMENTUM S
Saucony|Saucony SILO MOMENTUM S

ハイファッションを融合した新ラインは要チェック

「サッカニーと言えば『シャドウ』や『ジャズ』といった1980年代のランニングシューズがブランドのレガシーでしたが、この春からデザインにフォーカスした『サッカニー サイロ』ラインが登場しました。Y2Kからフットボールまで、トレンドをキャッチしたモデルをいろいろとラインナップしています。僕が気になった『モメンタム エス』は、90年代のモードスポーツを感じさせる一足。

ウォーキングシューズの歴史にインスピレーションを得たスタイルだそうです。ミッドソールがないような薄いソールとアッパーの関係性や、パテントレザーのあしらいが、レトロフューチャーなイメージでもあり、バリスティックナイロンのような質感のアッパーもモードブランドのスニーカーを彷彿とさせます。

『それどこの?』といわれそうな佇まいですが、波型のスリードットのアイコンもさり気なく使っています。サッカニー本体は、今、ランニングの世界ですごく評価が高く、アメリカでもヨーロッパでもシリアスランナーの着用率が上がっています。パフォーマンスシューズにもルックスのいいものが増えました。

僕はランニングのシーンにも常に注目しているので、サッカニーにポジティブなイメージがあります。だからライフスタイルシューズもこういう風に変わってきているんだなと、どこかで納得していました。スニーカーの専業ブランドでは、こういうチャレンジはまだ少ないので期待しています」(小澤)

BEST4:PATRICK for Steven Alan| COTTAGE OG

PATRICK for Steven Alan| COTTAGE OG
スニーカー¥18,700/パトリック フォー スティーブン アラン(スティーブン アラン フタコタマガワ)
PATRICK for Steven Alan| COTTAGE OG
PATRICK for Steven Alan| COTTAGE OG

スクエアトゥのシェイプも気分の70年代モデル別注

「コテージはパトリックの70年代のトレーニングシューズをベースにしたモデル。ライニングまでブラックで統一されたオールブラック仕様は、スティーブン アランによる別注です。パトリックはスニーカーカルチャーの中心にいるブランドではありませんが、こういう“外側”にあるシューズを、プロダクトの背景やルーツを理解したうえでフックアップしている点がスティーブン アランらしい。

カテゴリーとしては今旬なロープロファイル(低重心)のフットボール系シューズで、70年代特有のスクエアトゥのシルエットが、ちょっと前に紹介したドリス ヴァン ノッテンの上品なフォルムとも重なって見えて、気になりました。よく見ると木型の美しさや、メイド・イン・ジャパンならではのつくりのよさ、アッパーのスエード素材の上質さも光ります。今まで自分のカルチャーとはリンクせず、あまり履いてこなかったパトリックですが、大人になってそのよさがわかるようになりました。

最近、ローテクスニーカーのスクエアシェイプに魅力的なものが増えてきていて、注目しています。少し前までは見慣れない印象でしたが、今はしっくりくるようになりました。ブラックアッパーにブラウンソールという組み合わせも、今シーズンのスタイルに合わせやすいです」(小澤)

BEST3:CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI

CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI
スニーカー¥19,800/コンバース(コンバースインフォメンションセンター)
CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI
CONVERSE|ALL STAR AGED WAXEDLEATHER HI

ミッドナイトブルーの色みに惹かれる新作オールスター

「このオールスターは何がいいかといいますと、ミッドナイトブルーというカラーです。黒に見えますが、実は黒じゃないんです。若い頃、ドレス業界の諸先輩方から『一番フォーマルでクラシックなスーツはミッドナイトブルー(あるいはミッドナイトネイビー)だ』と教えられました。つまり黒に限りなく近いダークネイビーです。

当時はまだ黒いスーツをビジネスシーンで着ることはご法度でしたので、ミッドナイトブルーであれば冠婚葬祭にも行けるし、ビジネスでも風格が出せると。そういう経緯もあってミッドナイトブルーという言葉がとても好きになりました。それからというもの僕は、ミッドナイトブルーのスーツばかり買っていました。

このコンバースはエイジド ワックスドレザーの風合いもすごくいいし、6mm幅のコットンシューレースの細さはきれいめな服装にもヴィンテージっぽい雰囲気で合わせやすそうです。トゥスプリング(靴を水平な床上に置いたときの、爪先部先端の床面からの反り)が少し低めに設定されていたり、ハトメに光沢があったりと微細な改良も随所に施されています。とてもきれいでありながら、レトロなムードを携えているのが秀逸です」(小澤)

BEST2:MM6 Masion Margiela|MM6 Masion Margiela × Salomon XT-MM6

MM6 Masion Margiela|MM6 Masion Margiela × Salomon XT-MM6
スニーカー¥80,300/エムエム6 メゾン マルジェラ(マルジェラ ジャパン クライアントサービス)
MM6 Masion Margiela|MM6 Masion Margiela × Salomon XT-MM6
MM6 Masion Margiela|MM6 Masion Margiela × Salomon XT-MM6

今までのコラボとは違う広がり方が新鮮

「10月下旬に発売された、エムエム6 メゾン マルジェラとサロモンによる最新のコラボレーションスニーカーです。メゾン マルジェラとエムエム6はメゾンブランドの中でも、同じブランドと長く関係を築きながらコラボレーションを続けていくようなところがあります。メゾン マルジェラとリーボックとのコラボレーションは長きに渡って続きましたし、エムエム6はサロモンと3年前にスニーカーで初めて取り組んで、昨年秋にはスニーカーだけでなくウェアのカプセルコレクションも展開しています。

メゾン マルジェラとリーボックのコラボレーションでは、アイコンである『タビ』シューズのスプリット トゥやトロンプルイユの手法を取り入れてスニーカーをつくっていました。エムエム6とサロモンのコレボレーションではそういう手法を使わずにブランドらしさを別の角度から表現しています。エムエム6にもアウトドアの文脈があるんじゃないか? と思わせるようなデザインがいいなと、素直に思いました。

僕は昨年秋にランニング用のバックパックを買って、ときどきそれを背負って走ることがあります。ギア的なアイテムを出してくれたおかげで、これまでのエムエム6になかったイメージの広がり方を感じました。そのバックパックがバニラカラーだったので、今回のXTモデルもバニラのようなこのホワイト×ブラック配色が気になっています。

エムエム6はロゴのような記号的要素をエッジィかつシャープに見せることに長けています。ほかのブランドだったら『ないほうがいい』と思うようなSALOMONの大胆なロゴや、目立つトゥ位置のナンバリングロゴも、あったほうがいいと思わせてくれる。そしてスポーティなモデルなのに、スポーティに見えず、かといってモードすぎない。ランにも普段履きにもちょうどいいバランスです」(小澤)

BEST1:adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG

adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG
スニーカー¥15,950/アディダス オリジナルス フォー アダム エ ロペ(ジュンカスタマーセンター)
adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG
adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG

サンバOGをちょっとしたアレンジで鮮度UP

「少し見飽きた感があるかもしれないサンバは、ブロークコアの流行で2022年頃から脚光を浴び、Y2Kファッションと結びついて大ブレイクしました。そこから枝葉のようにトレーニングシューズやフットボールシューズがリバイバルし、大きな流れを生んだことで、若い世代にとってサンバは“ひとつの軸”としてとらえられていると思います。

僕から見ると、いよいよサンバがスタンスミスやスーパースターと肩を並べる存在になっている気がして、フットボールのような一過性の流行がなくなってもサンバは残るんじゃないかと感じます。サンバ自体は1950年代にルーツがあるモデルですが、Y2Kという現代のファッションやスニーカーカルチャーの大きなカテゴリーの中で、アディダスの時代性を象徴するのがサンバなのだろうと思います。

サンバは基本的にベーシックカラー中心だから、一足持っていたら買い足しは不要だし、特に派手な色に挑戦したいわけでもないじゃないですか? そんな中にあってアダム エ ロペの今季の別注は、モダンなアレンジが施されていて目を引きました。

アウトソールをブラウンのガムソール、ライニングもブラウン系のレザー調素材でまとめ、コントラストカラーの白ステッチをきかせています。黒×茶色の配色やクラフト感といった旬の要素がうまく落とし込まれていて、シンプルながらも大人っぽく見えたので、今回ピックアップしてみました」(小澤)

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

RECOMMENDED