ヴァンズのスニーカーは、肩の力の抜けた大人のカジュアルスタイルを演出するのに最適なアイテム。その中でも特に注目したい3つの新作を小澤匡行氏がご紹介。
01:VANS|PREMIUM OLD SKOOL
クッショニングと合わせやすさで群を抜く
「2月に発売されたヴァンズの『プレミアムオールドスクール ミュージックコレクション』の一足です。ヴァンズがスケーターだけでなく、ミュージシャンにも愛されていた歴史をセレブレートするカプセルコレクションの第1弾として、このレッドやレオパード柄が登場しました。
ヴァンズはロックとかスケートといった雰囲気を持っている人のほうがカッコよく履きこなせるイメージがずっとありますが、そんなことを考えなくても合わせやすいのがプレミアムラインの魅力。僕はプレミアムのオールドスクール(の黒)を最近よく履いています。まず履き心地がいいし、シルエットが今どきのパンツに合います。ジーンズでもスラックスでも、スウェットパンツでも、とにかく収まりがいい。
靴のつくりとしても、よくできていると思います。最近の海外出張にも持っていきましたが、合わせやすさとクッショニング、総合力が高くて、すごく活躍しました。カルチャーレスなスタイルでも、しっくり見える安心感もあります」(小澤)
02:VANS|Premium Authentic 44
秋冬に履きたいプレミアムなオーセンティック
「ヴァンズから今年の春にプレミアムラインが登場しました。以前はアナハイムコレクションという、ヴァンズ創業当時のアナハイム工場で生産されたモデルのディテールを忠実に再現していたラインがあったんです。プレミアムはそれに加えて履き心地を高めたり、バイオ素材を使用するなど環境にも配慮しています。
スニーカー好きとしては過去の完全復刻にこだわる気持ちもわかります。でも過去を見ながらどれだけ未来に向けてものづくりができるか? が、今のスニーカー業界では大事になっています。ヴァンズのプレミアムは、ヒールの4本ステッチのようなオールドな要素を踏襲しつつ高反発ポリウレタンフォームを使用したインソールを採用するなど、とてもバランスがいいんですよね。
オーセンティックは夏に素足で履きたくなるスニーカーだという人が多いですが、僕は秋冬に履くのが好きです。8月に新色で、ブラウン系レッド×黒というヴィンテージ調の配色が出ました。スエードとキャンバスの組み合わせも秋っぽいし、少し涼しくなったら履こうと思います」(小澤)
03:VANS|Authentic
ヴァンズはインラインの定番モデルが最強!?
「インラインで普通に売られているヴァンズのオーセンティックです。いろいろトピックはあるものの、インラインでこういう光るスニーカーが見つかるのが、ヴァンズの魅力。おしゃれな人たちは、なんてことのない定番のオーセンティックをサラッと履いているイメージがあります。
多くの場合、ハイブランドや人気ストリートブランドとのコラボモデルがうらやましく思えたりするものですが、ヴァンズはインラインのド定番が普通にカッコイイと思わせてくれます。誰かがオーセンティックの上位コラボを履いていたとしても、『自分は別にこっちでいいし』となるんです。守ってもらえている感覚がある。
今シーズンのこのCREPE PEYOTE(クレープ ペヨーテ)というオーセンティックの新色は、クリアクレープソールとスエードアッパーでこんなに高級感があるのに8,250円という価格。これでいいですよね。こういうのをサラッと品よく履いていたいです」(小澤)

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。