東京スニーカー氏こと、エディターの小澤匡行さんが、アディダスの新作スニーカーの中から特に注目のアイテムをピックアップ。コラボ・別注モデルから大人に似合うインラインモデルまで、周りと差がつくアイテムばかりだ。
01:adidas Originals for ADAM ET ROPÉ |SAMBA OG
サンバOGをちょっとしたアレンジで鮮度UP
「少し見飽きた感があるかもしれないサンバは、ブロークコアの流行で2022年頃から脚光を浴び、Y2Kファッションと結びついて大ブレイクしました。そこから枝葉のようにトレーニングシューズやフットボールシューズがリバイバルし、大きな流れを生んだことで、若い世代にとってサンバは“ひとつの軸”としてとらえられていると思います。
僕から見ると、いよいよサンバがスタンスミスやスーパースターと肩を並べる存在になっている気がして、フットボールのような一過性の流行がなくなってもサンバは残るんじゃないかと感じます。サンバ自体は1950年代にルーツがあるモデルですが、Y2Kという現代のファッションやスニーカーカルチャーの大きなカテゴリーの中で、アディダスの時代性を象徴するのがサンバなのだろうと思います。
サンバは基本的にベーシックカラー中心だから、一足持っていたら買い足しは不要だし、特に派手な色に挑戦したいわけでもないじゃないですか? そんな中にあってアダム エ ロペの今季の別注は、モダンなアレンジが施されていて目を引きました。
アウトソールをブラウンのガムソール、ライニングもブラウン系のレザー調素材でまとめ、コントラストカラーの白ステッチをきかせています。黒×茶色の配色やクラフト感といった旬の要素がうまく落とし込まれていて、シンプルながらも大人っぽく見えたので、今回ピックアップしてみました」(小澤)
02:adidas Originals|SUPERSTAR VINTAGE
ストリートの匂いがない大人のスーパースター
「1969年にデビューしたスーパースターの、初期のムードを取り入れた『スーパースター ヴィンテージ』というモデルがアディダス オリジナルスから出ました。スリーストライプスが少し細かったり、『adidas SUPERSTAR』の刻印のフォントが少し気の抜けた感じだったり、’70年代のディテールや空気感をうまく表現した、どこか余白のあるスーパースターです。
スーパースター 80sが出たときも、若い頃に古着屋や裏原宿界隈で見て憧れていたフランス製のヴィンテージの記憶が呼び起こされて欲しくなったんですが、これはそれよりももう少し前のモデル。品のいいスーパースターが欲しいなと思ったとき、1970年代のスーパースターのディテールが今の自分にはしっくりきました。
シュータンにもヒールにもロゴやトレフォイルが入っておらず、ストリートカルチャーの匂いはしません。これだったらRun-D.M.C.も履かなかったんじゃないかと、そんな感じすらします。レトロなムードはありつつヴィンテンージ感は薄くて、品はいいけれどどこか抜けている。まさに大人のスーパースターだと思います」(小澤)
03:adidas Originals|EQUIPMENT AGRAVIC XTR
90年代のデザインを今のテクノロジーと融合
「1996年に登場したアディダスのEQT XTR(エキップメント エックスティーアール)というモデルのアッパーに、トレイルライニング用に設計されたアグラヴィックシリーズのソールユニットを融合した新型です。EQT XTRはデザインはもちろん、当時最新のFYW(Feet You Wear/フィート・ユー・ウェア)テクノロジー("トルション"、"ポッズ"、"アディプリーン"などを集結させた、自然な足の動きをサポートするテクノロジー)を搭載したことでも話題を集めました。
今回このエキップメント アグラヴィックXTRには、今アディダスが得意とする部分が凝縮されています。パフォーマンスのテクノロジーをライフスタイルのシューズに応用して、例えばこのシューズならアウトドアでも使えるハイテクソールを採用しているのですが、街でもフィールドでも使えるように仕上げています。こういう広げ方はスポーツブランドならではですよね。
軽くて強度があるダイニーマ素材のリップストップをアッパーに使いながら、当時はなかったシルバーカラーで90年代後半のアディダスらしさとハイテクなムードを演出している点も印象的です。一周回ったうえで現代的なフィルターをかけて再構築しているあたりに、面白さを感じています」(小澤)
04:adidas Originals × BILLY’S ENT|PALMA
アイランドシリーズのパルマをビリーズが復刻別注
「1970年代から80年代にかけてリリースされていた“アイランドシリーズ”は、ヴィンテージのアディダスが好きな人なら、絶対に興味があると思います。僕自身もずっと注目してきたので、今回、スペイン・マヨルカ島のリゾートに由来するパルマがビリーズの別注で復刻されたと聞いてさっそく購入しました。
とはいいつつ僕、パルマの存在を知りませんでした。発売されると聞いて、こんなモデルがあったんだと。ただ、個人的にアディダスの好きな条件がすべて凝縮されているので、素直に欲しいと思ったんです。スタンスミスのようなパンチングスタイルのスリーストライプス。つま先がスクエアトウ気味で70年代のトレーニングシューズ風の佇まいであること。そしてこの軽量ポリウレタンソール。自分の好きな3つの要素が組み合わさった、まさにMYヒットな一足です。
ビリーズは日本にフォーカスした“シティシリーズ”を別注で手がけるなど、このところスニーカーシーンでも存在感を増しています。カルチャーに裏付けされている別注も多いのですが、今回のパルマのように、大人世代にぴったりの別注も最近増えているので、目が離せません」(小澤)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
ジュンカスタマーセンター TEL: 0120-298-0133
アディダス コールセンター TEL:03-6732-5461
ビリーズ エンター info@billys-tokyo.net











