長い時間を埋めるように3人で
話し合うことで進化しようと決めた

──アルバム『EXPO EXPO』から18年ぶりに、3人が手がけたアルバムがリリースされました。完成した時の手応えや達成感は?


☆Taku m-floとしては5年ぶりのアルバムで、新しいアルバムを作ろうとしてから2年かかりました。この期間で、m-floはどういったサウンドを出すべきか、納得いくまで掘り下げて、すごく粘って作りました。


VERBAL ☆Takuとは小学校からの仲で、音楽活動を始めてからこれまで、アルバムを作るごとにリスペクトが増していく。楽曲を作っていくときって、「この曲ってどんなジャンルになるわけ?」「どういう曲調?」「このラップどういう風にハマるの?」って不安になるし、一曲一曲はよくできたけど、アルバムの中で並べるとどうなるんだろうって思ったりするんだけど、長年やってきた信頼もあるので、どうにかなるだろうと(笑)。ただ、今作は完成した時のマジックのかかり方がすごいなって。


LISA 私はこのアルバムを聴いた時に感動して泣きました。このアルバムは、☆Takuが積極的に先導してくれていたんです。VERBALはマイペースだし、私は好きなことを書きたがる。でも☆Takuはそれをやるなとは言わずに「もうちょっとハードルを高くね」って導いてくれた。リクエストやダメ出しが割と多くて、葛藤もあったけど、完成してすべてが報われました。



──この20年間を経たからこそ今に繋がったもの、アルバムに反映できたものはありますか?


☆Taku LISAは歌うだけじゃなくて楽曲も提供したり、VERBALはAMBUSH®というブランドを世界的に大きくして行ったり。一方で僕はblock.fmというインターネットラジオのメディアを作ったり、みんないろいろ経験してきました。業界のセオリーでいうと20年前にヒット曲を作っていたら、今もそういうヒット曲を作っていればいいんだけど、僕らは違うタイプ。常に新しいものが好きだし、チャレンジしていきたいんです。それをどうやって形にして行くための話し合いや行動が、これまでの経験で自然とできるようになった。


LISA 私たち3人とも「そういうチャレンジいいじゃん! 面白いじゃん!」って思える人間でよかったよね。


☆Taku うん。そう思う人間だからこそ、VERBALやLISAとのインタラクションで刺激されて、未知なるものが生まれる。VERBALが言う「m-floは“なんじゃこれ感”が面白い」を聞いて、すごく納得して。


VERBAL LISAと☆Takuと自分で始めた第1章、m-flo「loves」 の第2章があって、そして成長した3人が組む第3章が始まると決まった時に、本当にワクワクしました。自分のことで言えば、20年間さまざまな経験をしてきた中で、音楽を聴くと「これは○○っぽいよね」なんて商業的な聴き方になっていて、どこかで突拍子もないことしてみたり、新しいものにハングリーだったりする自分がいて、一度ピュアな音楽ファンに戻る必要があるって今回気づけました。



──昔に比べて、コミュニケーションの取り方やアルバムの作り方で変化、または進化した部分はありましたか?


☆Taku それぞれの得意分野を出し合うっていうのは変わっていません。ただ今回は、どうしたら面白いことができるのか語り合ったり、お互いの価値観を改めて話し合ったり、人生相談をしたりしながら制作していきました。最初の2枚のアルバムではこんなことしてなかった。


VERBAL 意識的にコミュニケーションを取ろうというのは、以前より高まった。昔に比べて、相手がどういうこと考えているかもっと知りたいから何でもかんでも話して行こうっていう気持ちにお互いなっていたんです。


LISA そこでわかったのは、m-floを知っている人が思う「あの3人ならきっとこう作るだろうR&Bヒップホップっぽいサウンド」を、☆Taku自身がことごとくぶっ壊していこうと思っていたこと。私は懐かしさもすごく大事だと思っていたけど、新しいファンも大事だし、僕らはそれでも前に行かなきゃならないぞっていうクールな姿勢を見せてくれたことに、m-floの進化、いや成長、いや冒険を感じたんです!


VERBAL 確かに☆Takuが超引っ張ってくれた。彼がラップした時の盛り上がりすごすぎるので、僕のラップパートもやってもらいたいくらい(笑)。今度のライヴでも期待してほしいのが、☆Takuのブース越しの歌.。


LISA 女の人はメロメロになる歌声。すごく声通るんだよね(笑)。困っちゃう。このアルバム、m-flo的にいろいろ冒険してるよね。



──アルバムタイトルの「KYO」はどんな思いでつけたのでしょうか?


VERBAL この20年間、お互いいろいろな生き方をしてきて、でもこの2019年に再び3人で作品をリリースするに至ったというのは、やっぱり運命だなって。噛み合ってそうで噛み合ってない3つのワールドがひとつになって生まれるのがいろいろな「KYO」なんです。「今日」、「狂」、「響」、音楽性やコラボレーションの「協」とかね。毎回m-floは宇宙や未来をテーマにコンセプトやタイトルをつけてきたけど、和っぽい言葉が意味も深くて新鮮だなと。


☆Taku 今までメインアルバムでは和の名前がなかったから「KYO」かぁって最初は思いました(笑)。コンセプトが面白いなって思い、VERBALに任せました。LISAからは「大丈夫?」って電話がきましたけど(笑)。


LISA まあ、VERBALを信頼しているから、最初から理解しなくてもいいよと思いつつ…。☆Takuには「あのブラザー、寝かした方がいいんじゃない? あいつ寝てないから変なこと言ってるんだよ」って言った(笑)。ただ面白いのは、私が『KYO-TO-KYO』の歌詞を書いたとたん、「KYO」の意味がわかったの。頭で理解するんじゃなくて、心で理解したんです。VERBAL、ジーニアスすぎるって感動しましたね。


いろいろな顔のm-floを見せる記念ライヴで
ステキな思い出を持って帰ってほしい


──最後に、今月に豪華ゲストが参加する20周年記念のライブが控えています。どんなライヴにしたいですか?


☆Taku まずはアルバム『KYO』のライヴとしてたっぷり楽しませたいと思っています。そして同時に、20周年記念ライブでもあるので、「KYO」のテーマにぴったりの、さまざまなm-floを見せるパラレルワールドなライヴをしたいですね。『KYO』の曲はもちろん、LISAと始めたm-floの曲も、VERBALと作ったlovesの曲も披露します。ゲストアーティストに、Crystal Kay、 YOSHIKA、Emyli、日之内エミ、melody. 、JP THE WAVY、Minami(CREAM)、そしてMINMI。豪華ゲストに来てもらって祝ってもらいます!


LISA 『KYO』の魅力をしっかり届けたいと思っています。 私はlovesの時代に、一緒にライヴを回っていたこともあって、彼ら、彼女たちのことも知っているので、会えるのが楽しみ!


VERBAL 今回のライヴはこれまでで一番DIY感が強い。ライヴはたくさんの人たちに手伝ってもらっているとわかっていたけど、曲順決めや演出など自分がより深く携わるとなると、これ結構大変だぞって。全体的にどういう人にどうやって伝えたいのかを考え抜いたライヴになっています。


☆Taku 今まで経験した成功と失敗から学んだことを詰めこんだライヴにしようと準備はしています。あとはみんなで一緒に楽しめればなと。


VERBAL 思い出や気持ち、満足感など、来た人たちにいいものを持って帰ってもらいたいよね。


『KYO』
発売中


タイトルの「KYO」は、響、京、共、境、強、狂、今日、鏡、協、興など… さまざまな意味を持つ「言葉」であり、それは宇宙を超えて存在する別次元の「パラレルワールド」。14曲を収録したオリジナルアルバム、Mix CD『20th Anniversary Best Mix by in the blue shirt』、そしてMVを納めたCDを組み合わせた3形態でリリース。初回封入特典「イベント参加応募シリアルナンバー」で応募すると、抽選でm-floメンバーが参加するイベント『m-flo 20th Anniversary Live “KYO” ~UCHIAGE~』にご招待!



ライヴ情報

20周年記念ライヴ「m-flo 20th Anniversary Live “KYO”」


日程:11月22日(金)、23日(土)
会場:Zepp Tokyo
開場/開演:18:00/19:00(2日共通)
チケット代:全席自由 ¥5,500(税別)
※整理番号付 ドリンク代別
年齢制限:6歳以上有料、5歳以下入場不可


https://m-flo.com/


Interview&Text:Hisamoto Chikaraishi
Movie:Mayu Fujita