2023.01.22

【かっぴーインタビュー】僕の頭の中に息づく「柳一」の食をめぐるストーリー

大手広告代理店を舞台にした青春群像劇『左ききのエレン』が完結し、この秋からUOMOのウェブにてスピンオフ連載がスタート。その制作背景を尋ねた。

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 代表作『左ききのエレン』をはじめ、共感を強く誘うストーリーや台詞回しを得意とするかっぴーさん。このほどUOMOのウェブで始まった新連載『柳さん ごはんですよ』では、『左ききのエレン』に登場する孤高のクリエイティブ・ディレクター、柳一の食事に焦点を当てながら、仕事一徹な男の愛すべき一面も垣間見える。


「僕の頭の中では、常にメタバースのようにキャラたちが存在しています。原作に描かれていなくても、当然、みんな食事をしているわけで、特に柳は一家言あるタイプ。仕事と同様、食にも妥協しませんが、その方向性が天然でズレています(笑)。柳は裕福な家に生まれた設定なので、高級な味を知っていて食事のマナーもあり、けっして味音痴ではありません。だからこそ、仕事第一の超多忙な生活において、何かを食べなきゃ…となるたびに、ストイックな気質が出てきて悩みます。切羽詰まっているときに、ピザみたいな浮かれたモンを、カップラーメンみたいな愉快なモンを食べていいのか!?みたいな面倒なツッコミを逐一入れる人なんです(笑)」


 そんな柳を描く一方で、かっぴーさん自身の食に対する価値観は?


「それほど自覚はないですが、妻に『食事に命かけてるよね』と言われます(笑)。毎食、満足感にはこだわっていたいんです。美大時代の友人の中には、みんなといるときでも『ファストフードは食べない』と頑固な人がいました。そのときはびっくりしましたが、一年に1000食しか食べられないから、と聞いてすごく腑に落ちたのを覚えています」



かっぴー
漫画家・漫画原作者。株式会社なつやすみ代表。1985年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学卒業後、大手広告代理店でアートディレクターとして活躍。ウェブ制作デザイナーを経て2016年に漫画家として独立。現在、代表作『左ききのエレン』のスピンオフ作品をUOMOのウェブにて連載中。



Photo:Akira Yamada
Interview&Text:Takako Nagai

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