2024.03.20

今日は「駅」探訪の旅へ。簡単には辿り着けない秘境駅と終着駅3選【今こそ、鉄道旅に出よう】

一筋縄では辿り着けない秘境駅。そして、路線の最後の地点となる終着駅。じっくりと時間をかけた先にある駅に、ひとたび踏み入れれば、冒険心を取り戻してくれる旅がはじまる。

今日は「駅」探訪の旅へ。簡単には辿り着けの画像_1

神秘的な緑色に輝く湖に浮かぶまるでジオラマのような秘境駅

奥大井湖上駅

大井川鐵道井川線

奥大井湖上おくおおいこじょう駅

静岡県榛原郡

金谷ー千頭を結ぶ大井川本線(土砂災害の影響で現在は川根温泉笹間渡駅までの運行)と、千頭ー井川を結ぶ井川線の二つの鉄道路線からなる大井川鐵道は観光路線として名高い。天空に浮かぶ島のような「奥大井湖上駅」は日本を代表する名所として知られている。

奥大井湖上駅 看板
奥大井湖上駅 2

なんと、線路の横を歩けます!

なんと、線路の横を歩けます!

線路脇の遊歩道を歩き、駅から20分ほどで辿り着く山上の展望台から駅を眺めれば、その美しさに思わず息をのむ。

大井川本線ではSLを楽しむことも

SL
アプト式電気機関車

大井川鐵道は国内で最初にSLの動態保存を始めた鉄道で、現在は新金谷駅ー川根温泉笹間渡駅を運転している。アプトいちしろ駅〜長島ダム駅間は90パーミルの急勾配で、登山鉄道でお馴染みのアプト式電気機関車が走る。

アプト式電気機関車 2

海外の登山列車のような真っ赤なかわいらしい車体は日本車輌製造で造られたもの。山間のカーブの多い線路に合わせた小型客車で、大井川側は二人掛け、反対側は一人掛け。

■ACCESS
東京駅(時間によっては新横浜駅)から東海道新幹線で静岡へ。静岡から東海道本線で金谷駅へ。大井川本線に乗り換え、家山駅へ。家山駅から千頭駅へ向かうバスに乗り、千頭駅から井川線で9駅先が奥大井湖上駅。所要時間は約6時間〜。


見どころいっぱいの路線の行き着く先はパワースポットの玄関口だった

三峰口駅

秩父鉄道秩父本線

三峰口みつみねぐち駅

埼玉県秩父市

秩父地方のセメント輸送の足として活躍する秩父鉄道は、創業当時から観光開発に力を入れてきた経緯もあり、沿線には長瀞渓谷の「ラインくだり」をはじめ多くの観光スポットが。三峰口駅は関東有数のパワースポットとして知られる三峯神社の玄関口でもある。

ラッピング電車に出会うことも

ラッピング電車
三峰口駅 2

元東急8090系に、西武の101系。地方のローカル線にはよくあることだが、秩父鉄道でも過去に大手私鉄で活躍した譲渡車両が多く走っている。懐かしい列車がまだまだ活躍する姿に、元気をもらえることだろう。

中でもおすすめは秩父しゃくしなそば

そば
三峰口駅そば店

秩父はそばの名産地ということで駅構内の立ち食い店にも注目。「三峰口駅そば店」は出汁のきいた甘めのつゆの香りが食欲をそそる。雰囲気ある駅舎でそばと一緒に旅情も味わう。

■ACCESS
池袋から西武池袋線・特急ちちぶで西武秩父へ行ったのち、徒歩で御花畑駅へ。御花畑駅で秩父本線に乗り換え7駅先が三峰口。所要時間は約3時間〜。


ふるさとの駅百選にも選ばれた趣のある終着駅がお出迎え

弥彦駅
弥彦駅 2

JR東日本弥彦線

弥彦やひこ駅

新潟県西蒲原郡

1916年に彌彦神社への参拝客輸送を目的として開業したが、慢性的な客不足に悩まされやがて国有化。電化工事の際は国鉄が赤字に苦しんでおり、低コストの架線方式を採用。そのおかげで現在も最高速度が85㎞に制限されている。近くには全国唯一の村営競輪場も。

しんとした清冽な空気が心を浄化する

越後國の一宮 2
越後國の一宮

「万葉集」にも歌われた古社である、越後國の一宮(最も格式の高い神社)。境内の宝物殿には大太刀などの重要文化財もあり、分社が全国にある。「縁結びの神様」としても有名で「おやひこさま」の愛称で親しまれる。

神社の先には山頂まで上るロープウェイが

ロープウェイ
ロープウェイのりば

神社本殿横から出ているシャトルバスでロープウェイ乗り場へ。歴史を感じさせる車体に5分ほど揺られると標高634mの山頂に着く。山のシンボルともいえる「パノラマタワー」(回転して昇降する展望塔)からは佐渡島が望める。

■ACCESS
東京駅から上越新幹線で燕三条駅へ。弥彦線に乗り換える。弥彦駅までの直通列車は1日3本。直通以外では、途中の吉田駅で乗り換えて終点の弥彦駅へ向かう。所要時間は約3時間〜。



Photos:Sinsaku Yasuzima
Text:Masataka Kin

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