等身大の自分を丁寧に表現した、ソウル・ヨニドンの小さな家
「Esquire」「Chronos」「Magazine B」などを経て、現在はフリーエディター・作家として活動。村上龍さんのファンで、取材できる日を夢見て日本語を勉強中。@parcchanyong
韓国で今話題の書籍『ソウルのある家』。古い建物の小さな部屋を7年かけて改築したパク・チャンヨンさんの、“住まいと生き方”をテーマにしたノンフィクションエッセイだ。既成概念に疑問を投げかけながら、自身の心地よい暮らしを求めてつくり上げた自宅に伺った。
「この家は築55年で、エレベーターのない最上階。購入時は、僕の周りの全員が反対しました(笑)。日本とは違い、韓国ではマンション(ソウルの高層マンションはほぼ同じ間取り)を購入することが一種のステータスになっていますが、僕はその考え方にずっと違和感があって。ここはヨニドンという場所で、ソウルの中心地・江南とは反対側の西側に位置します。古い建物が多く並ぶ雰囲気が好きです。東京だと高田馬場や本郷三丁目のような感じでしょうか。家は北向きでリビングには日があまり入りませんが、大量の本を所有する僕にとっては最適でした。しかし、改築はやはり一筋縄ではいかなかった(笑)。まず、床が水平ではないため既製の家具は合わず、一から造りました。いちばん苦労したのはイメージする家の見本がなかったこと。やりたいことを伝えて具現化するのは難しかったですが、ちょうどいい大きさの部屋と動線、家具、白樺の木の壁など、やりたいことをやりきり、自分らしい家になったのではないかと思います」
購入したのは築55年の年季が入った家。古い壁紙は剝がすのが難しかったこともあり、ずっとやってみたかった木の壁で構成。デザイナーは入っておらず、施工の職人と製作した。
玄関前の本棚は、白樺の木を使い家具工房のスタジオ植木日(@studio_sikmokil)と製作。
時計誌の編集者出身。愛用時計は、手前がジャガー・ルクルトのヴィンテージ。奥のG-SHOCKは、開発者である伊部菊雄さんのサインが入った宝物。
スイスで’90年代に製作された洗面台。鶴洞駅で見つけたもの。
自身の著書。上からソウルでの初めての一人暮らしに焦点を当てた『最初の家 年代記』、韓国の食品業界の裏側を取材した『モダンキッチン』、自分らしい暮らし方を表現した『ソウルのある家』。