2020.02.28

タンノイのスピーカーで’80年代ポップスを聴く、ウッドの温もりある空間

外出を控えがちなこんな時こそ、心地よい部屋作りを自宅を愛してやまない男たちから学ぼう。幅広くファッションに精通するクリエイティブ・ディレクターの坂田真彦さんの自宅は、ウッドの家具が中心の、温もりあふれる家だった。

坂田真彦さんMASAHIKO SAKATA 49歳/アーカイブ&スタイル代表 東京都港区 夫婦+娘 1970年和歌山県生まれ。幅広くファッションに精通するクリエイティブ・ディレクター。現在はソフネットやタケオキクチなどのブランドのディレクションを手がける。

ウッドの温もりを感じられる空間にしたかった

タンノイのスピーカーで’80年代ポップスの画像_1
ウッドを基調にコーディネートされたリビング。ジャンヌレのチェアが2脚とバルセロナチェアが1脚。キャビネットはハンス・J・ウェグナー。

「娘が成人したこともあって、あらためてインテリアを夫婦の趣味で考えることができるようになった」という坂田さん。以前はもう少し生活感があったが、今はメゾネットタイプの1階が自分たちのための寛ぎの空間になった。

「前の家はどちらかというとブリティッシュクラシックテイストでしたが、ここに越してきてからはジャンヌレやジョージ・ナカシマなど、ウッドの家具が中心。温もりのある空間にしたかったんです」

趣味と生活。今はそれを自宅の中でしっかり切り分けることを意識しているのだそう。

「その境界線が曖昧になっていろんなところにモノが混在すると、やっぱり気分的に贅沢になれない。そこはしっかり区別しています」

リビングでは、タンノイのスピーカーで、好きな音楽を聴いて寛いでいることが多い。ヴィルヘルム・ラウリッツェンがデザインしたルイスポールセンのやわらかな明かりが、有機的なアナログの音質に優しく寄り添う。

「最近よく聴いている日本の’80年代ポップスには、この組み合わせがいい。ジャズなんかを聴くならまた違うシステムのほうがいいのかもしれないけど」

空間に無駄なものはいっさいなく、一つ一つが理想的な佇まいだ。ちなみに今、ここに加えるとしたらどんなインテリアがいいか尋ねてみた。

「何か石っぽいものがあったらいいかも。今はウッド中心でだいぶほっこりしたから、もう少し存在感があるものがあると締まるかもしれませんね」

まだもう少し、愛すべき自宅のアップデートは続きそうだ。


タンノイのスピーカーで’80年代ポップスの画像_2
ターンテーブルはリン。レコードで日本の古いポップスを聴くのが、坂田さんがリビングで寛ぐときの定番だ。
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やちむんの巨匠、大嶺實清のペルシャブルーシリーズのうつわ。これを買うために読谷村の陶芸市まで行ったのだそう。
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玄関にはジャンヌレのチェアとジョナス・ウッドの絵をコーディネート。温かみとモダンなセンスが絶妙にマッチング。
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ダイニングのテーブルとチェアはジョージ・ナカシマ。その奥にはハンス・J・ウェグナーのカップボードキャビネットが。アンティークウッドの温もりに、大嶺實清のペルシャブルーのうつわが鮮やかに映える。
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タンノイのヴィンテージスピーカーとバング&オルフセンのローズウッドのヴィンテージオーディオラック。音楽は基本的にクラウド上の圧縮音源ではなく、CDなどから直接取り込んで聴いている。真空管のアンプはオクターブのもの。
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ダイニングテーブル脇に置かれたシャルロット・ペリアンのヴィンテージスツール。飴色に変化したウッドの調和が美しい。

Photos:Tohru Yuasa
Composition&Text:Jun Namekata[The VOICE]

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