ベンさん BEN
34歳/モデル
東京都杉並区 33㎡ 一人暮らし
1985年イギリス生まれ。ウオモでもお馴染みの人気モデル。日本に住んでもうすぐ8年。趣味は料理。インテリアについてはブランドにこだわりはない。民芸をこよなく愛す。

あんまり難しいことは考えない。
いいなと思ったものを集めているだけ

建物は古いけれど、窓が大きい。日当たりのよさもこの部屋の魅力の一つだ。旅先で手に入れたり、もらったり、部屋にはたくさんのものがあるが、雑然とせずすっきりして見えるのはベンさんのセンスの賜物。


友人とシェアしていた家を離れ、一人暮らしを始めたのは5年前。33㎡とけっして広くはない部屋だけど、そこはベンさんならではの世界観がぎっしり詰まった空間だ。

「とにかくただ自分がいいなって思ったものを集めて並べているだけ。インテリアやファッションはもちろん嫌いじゃないけど、わざわざそのために何かを買いに行ったりすることはほとんどないかな。大体、旅先とかたまたま立ち寄ったお店で買ったものだと思う。あんまり覚えてないけど(笑)」

ただ、昔から民芸は大好きで、積極的に集めているのだそう。

「僕の故郷はイギリスですが、バーナード・リーチと濱田庄司の関係もあって民芸は昔から人気。それにうつわ好きの母の影響もあって、僕も民芸は大好きです」

といっても、作家が作った高価なものばかりではなく、自分の感性に響いたものを自由に集めるのがベンさんのスタイル。うつわだけじゃなく凧やこけし、お札にうちわなど、そのバラエティがインテリアを面白くしている。

「銀座たくみにはよく行くかな。あとはここのビルの1階が古道具屋なので、たまに寄ってみるんだけど、そこで偶然いいものが見つかったりして。そういうのが楽しいよね」

それにしてもこのセンスのよさは普通じゃないような…。そのルーツはどこにあるのか聞いてみた。

「お父さんは考古学者で、お母さんが収集癖のある大学の先生。ちょっと変わった両親なんだけど…勝手にものが集まってしまうのは、もしかしたらその影響もあるのかもね(笑)」


上は王子の小さな神社のお祭りで、下は銀座たくみで購入した凧。「銀座たくみは僕が東京でいちばん好きなクラフトショップ。たまに行くと、必ずいいものに出会えるんです。この作品の詳細は忘れてしまったけど(笑)」。

「シチリアのお土産の馬車にコパカバーナの灰皿に…とにかくいろいろなところから集まってきたものたち(笑)。こういうものをつい買ってしまうんです」。

「左の二つのスリップウェアはイギリスのもの。伊万里のそばちょことのコントラストがいいでしょ」。

「左のボウルは濱田庄司の弟子の一人がつくったもので’60sのものと記憶しています。右のボウルは’20sの有田焼。本当は3つセットだったんだけど、1つ割ってしまいました。残念」。

キッチンラックにも所狭しとクラフトアイテムが。オーブントースターともなぜか調和してしまうところがさすが。

リビングから見たキッチン。コーヒーはドリップではなくエスプレッソをお湯で割るアメリカーノ派。

ドライフラワーでつくったお手製のモビール。

「マグネットもつい買ってしまうアイテムの一つ。お土産でもらったりもして、気づけばこんなにたくさん集まってしまいました」。

「これらの有田焼のお皿はとても古いものですね。ティーポットは益子焼です。清澄白河の素敵な古いお菓子屋さんで買った駄菓子の箱もお気に入り」。

11部屋にポスターは欠かせない。「伊丹十三監督の作品『タンポポ』のポスターは人からのもらいもの。すごく気に入っています」。

こちらも世界中から集まったコレクション。イタリアの卵、栃木のてまり、ブラジルの種子と石など。

根津神社で購入した、月ごとに絵柄が変わる花御札。

料理好きが高じて、モデルと並行してレストランで働いているベンさん。棚にはスパイスや調味料などがたくさん並んでいる。

「私の両親はインドのヴィンテージの広告ポスターの素晴らしいコレクションを持っているのですが、これは彼らへのオマージュ。キッチンに飾ってあるのだけど、みんなには食欲がなくなると言われたりします(笑)」。

「友人からもらった仙台のこけし。ほかにも複数所有しているんですが、彼らは僕が家の中のどこにいようと、僕を見ている気がします。とっくりは確か明治時代のものだったと思います」。


Photos:Tohru Yuasa
Composition&Text:Jun Namekata[The VOICE]