2025.05.31
最終更新日:2025.05.31

世界が注目する美食の街・「富山」で食べるべき8選(前編)【大人の「おいしすぎる旅」】

世界が注目する美食の街・「富山」で食べるべき8選(前編)【大人の「おいしすぎる旅」】

立山連峰に富山湾というダイナミックな自然に囲まれ、美食家たちに愛される街として注目を集める富山。ニューヨーク・タイムズ紙の「2025年に行くべき52カ所」にも選出。世界遺産、民藝、アート…と見所は尽きないがオーストラリア出身で、日本食が大好きなイラストレーター、エイドリアン・ホーガンが巡ったのはあくまで地元に根づくローカル美食だ。

Adrian Hogan

オーストラリア・メルボルン出身。2013年に来日し、青森を経て東京に移住。雑誌、広告、書籍、壁画、絵コンテなどでイラストレーター・画家として幅広く活躍。2018年、スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京のウォールアートを手がけ、一躍有名に。Tarzan Webで「ヨガと気づき」を連載中。富山の旅中には風景や食事をさらりとスケッチ。

イラスト

「新幹線の改札を出ると目の前がトラム乗り場なのが、ユニークです。最新型よりもレトロな車両が好み」。富山駅から富山城まではトラムで4駅。市内中心部には6系統あり、昭和時代の車両から最新のLRTまでさまざまな車両が行き交う。おいしいスポットを巡るのに欠かせない“足”だ。

01|立山そば JR富山駅構内店

立山そば JR富山駅構内店
立山そばのしろえび天ぷらそば

新幹線を降りたらまず駆け込むべき場所

「ひと口すすって、優しい味。おつゆを吸った天ぷらがフカフカでさらにほっこり。これは昆布だしだそうで、とろろ昆布おにぎりの具も昆布の佃煮。富山の特産品なんですね。身体が温まって観光の準備は万端ですし、今晩、飲みすぎたら…明日の朝も寄っていいですか?」。立山そばのしろえび天ぷらそば(¥620)でエネルギーチャージ。変わらぬ味を守りつつ、季節で塩味や風味が微調整される。

立山そば JR富山駅構内店

富山県富山市明輪町1-227 JR富山駅構内
TEL:076-431-2104
営業時間:7時~21時 無休

02|立ち喰い鮨 人人

立ち喰い鮨 人人
8貫コース

立ち食いで、最高の素材をカジュアルに楽しむ

「まろやかな赤酢のシャリに、紅白のえび、あおりいか…と、すべて濃厚な味が爆発しました。気軽に入れるモダンな空間、目の前で握ってもらう本格寿司、過去と現在がつながっているような気分で感動的です」。ミシュラン一つ星を獲得した大将がオープン。一からつくった酒粕由来の赤酢を使用し、天然の桜鱒を使った鱒寿司も必食。8貫コース(¥4,180)からで追加注文も可能。

立ち喰い鮨 人人

富山県富山市一番町3-8
TEL:076-461-7466
営業時間:11時〜22時
定休日:月曜

03|魚芳商店

魚芳商店
とれたての魚

あのマンガ家もひいきにした鮮魚店で、とれたての魚を注文する

「店先に干物、中には鮮魚、フライや煮つけのお惣菜も並び、お造りが手際よく出来上がる様子も楽しいですね。今日は鯛を刺身に」氷見出身のマンガ家、藤子不二雄Ⓐ先生の生家である光禅寺のお膝元に店を構える魚芳。うろこ取り、三枚おろし、刺身、焼きなど好みのオーダーが可能で、地元の朝どれのみが並ぶ。冬になれば氷見名物の寒ブリを注文して送ってもらうもよし。エイドリアンの出身地であるオーストラリアの海岸事情にまで詳しい店主と世間話に花が咲く温かいお店。

北陸新幹線で東京から2時間余りでたどり着けるが、手前には長野、先には金沢があり、意外と見過ごされがちな街だった富山。しかし、豊かな環境に恵まれたこの場所は、実はおいしいものの宝庫なのだ。そんな噂を聞きつけ、旅が大好きだというエイドリアンとともに、富山の地を踏むことに。今回訪れたのは、メジャーから少し逸れた店。魚をあえてレストランでは食べず、この道50年のお母さんが切り盛りする鮮魚店で注文してみたり、中心部から外れたホルモン店を訪れてみたり、住宅街でまさかの超本格的なパキスタンカレーに出会ったり。けれども、足を踏み入れればどこも名店で、わざわざ旅でここへ?というような店にこそ、大人が満足する味が隠れていることを知る。エイドリアンも初めての富山に大満足。「メジャーな観光地は整備されすぎていて、絵を描くときに少し寂しい気持ちになることも少なくない。だがここにはまだ描きたい景色が山ほどあります」と言いながら、スケッチブックを片手に、食道楽と化した。

魚芳商店

富山県氷見市比美町9-3
TEL:0766-72-0422
営業時間:8時~16時30分
定休日:日曜、市場休業日

04|お多福

お多福
もつ鍋
ホルモン焼き
タン刺し

「自宅でもつ鍋を作ったり上野でホルモン焼きを食べたりしますが、過去いちばんおいしい。タン刺しは甘くてとろける。おつまみの豚サガリはふっくらしてジューシー。そして名物の焼いていただく豚のもつ、ビールが進みすぎる。まったく臭みがないのは新鮮だから? タレがすごいから?」。親族で営み、地元民に愛されるお多福。卓上で煮る定番“もつ”は豚(¥550)と牛(¥750)を選べる。タレに漬け込んだもつと野菜の水分だけで仕上げる逸品。

お多福

富山県富山市婦中町速星543
TEL:076-466-2265
営業時間:16時30分~22時
定休日:日曜

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