普段の生活圏から飛び出して、訪れた土地の味を食らう。クルマがあればふと週末に思い立ってそんなことができるのもいい。『カーシェアグルメドライブ』著者の五明拓弥さんが、マンガとエッセイでローカルメシ紀行を綴る。
お笑いトリオ・グランジのメンバー。千葉県柏市生まれ。芸人のほか、マンガ家(ごめたん名義)・CMプランナーなど幅広く活躍。39歳で運転免許を取ったことをきっかけにカーシェアを利用して飲食店を巡るエピソードを綴った著書『カーシェアグルメドライブ』はドラマ化も。
01:神奈川|ハングリータイガー 保土ヶ谷本店
神奈川県が誇る炭火焼き牛肉100%のハンバーグが楽しめる人気チェーン店。その本店は開店当初から変わらない建物も魅力的だ。
「冬晴れの空の下、流れる第三京浜を横浜方面へ走っている。初めて乗るID.BUZZは高速道路を走っているのが噓のような静けさだ。目的地のハングリータイガー保土ヶ谷本店に到着。神奈川県民にはお馴染みのハンバーグ専門店、県内に12店舗チェーン展開している。ハングリータイガーの歴史は長く創業1969年(昭和44年)。人類がはじめて月面着陸に成功した同じ年、ここ保土ヶ谷本店がオープンした。レトロ風ではなくレトロなレンガ色の建物は“風”では決して醸し出すことができないオーラがある。
店内は都心の飲食店にはない開放感。中央には4~5メートルはありそうなトーテムポールと、それを立たせることができる高い天井。大きな窓からは自然光が降り注ぐ。建物の周りに生えている木々が、私の座る席一帯に木漏れ日を生み出している。
ジューと音を立てながら運ばれてきたのは熱々の鉄板にのったオリジナルハンバーグ。紙ナプキンを身体の前で広げ、仕上げを見つめる。店員さんはナイフとフォークでまん丸のハンバーグを真っ二つに切り、断面部分をぎゅぅぅっと鉄板に押し付け、オリジナルソースをどろりとかけて帰っていった。
“よく焼き”されたハンバーグを口に運ぶ。嚙み応えがあり肉肉しい。ビーフ100%、つなぎは使っていないらしい。ソースは醬油のような和風感ある濃い味付け、ライスが進む。私は今、おいしいハンバーグを木漏れ日の下で食べている。とても幸せな気分だ」(五明さん)
ハングリータイガー 保土ヶ谷本店
神奈川県横浜市保土ヶ谷区星川3-23-13
TEL:045-333-7023
営業時間:11時~22時
休業日:12月31日、元日
02:埼玉|元祖田舎っぺうどん 本店
平日でもお客さんが途切れることなく店内をにぎわせる熊谷の人気店。ボリューミーな麺の量に対して良心的すぎる価格に驚愕。
「暖簾をくぐり内装に驚いた。店の中央にドーンと麺打ち台がありその周りに厨房、それを客席が囲む形になっている。厨房と客席の間に仕切りはなく“お客様を厨房に招き入れる”というコンセプトで設計されたそうだ。厨房、カウンター席はステンレスのシルバーで統一されていて、天井に設置されたスポットライトが店を照らす。『元祖田舎っぺうどん』という店の名前からは想像がつかないスタイリッシュな内装だ。埼玉県北部で6店舗チェーン展開しており、訪れたのは熊谷市にある本店。
ここのうどんは麺を汁につけて食べるつけめんで肉ネギ、きのこ、塩肉ネギ、塩きのこ、うま辛肉、うま辛きのこから選ぶ。店に通う友人からは塩きのこを勧められていたが、私は初訪問なので定番の肉ネギ・温かいつけ汁、麺の量はもり(400g)。それとメニューに名物と印のついたきんぴらごぼうを注文。すぐにきんぴらごぼうが運ばれてきた。平皿に盛られた照り照りのごぼうとにんじん、これがすごく太い。けれども煮物のような柔らかさだ。程よい辛さと甘みが芯まで染みこんでいて、ビールが欲しくなる。
麺はオーダーが入ってから打って茹でるのがお店のこだわり。……コンコンコンコンコン。うどんを待っている間、麺打ち台から麺を切る音がリズムよく聴こえてきて心地よい。
肉ネギうどんが到着。きんぴらごぼうに負けず麺も極太。箸で一本摑んで持ち上げると太いだけではなく、長い。身長190㎝ある大男の私が腕を高々と上げてようやく一本の麺を引きずり出すことができた。豚バラとネギがたっぷり入ったつけ汁に麺を浸け啜る。コシがかなり強く、しっかりとかじるうどんだ。つけ汁はしょうゆベースでコク深く、甘い。けれど濃すぎず絶妙なバランスで400gをあっという間に完食。
麺の量は半もりの200gから3kgまで選べ、稀に3kgを注文する人がいるそう。あまりイメージができなかったので『3kgのモノを教えて』とAIに聞いてみた。すぐに『大人の猫』と返ってきた。凄い量だ」(五明さん)
元祖田舎っぺうどん
埼玉県熊谷市代1060-1
TEL:048-521-8784
営業時間:10時~15時
定休日:日曜
03:茨城|グルービー 東海本店
関東では茨城でしか展開していないまさに“ローカル”な店。どこか懐かしく居心地のいい店内で、気取らない絶品イタリアンを堪能。
「茨城に祖父母の墓がある。墓参りは毎年ワクワクする。久し振りに手を合わせられるし、グルービーの海賊スパゲッティを食べに行けるから。茨城県で10店舗チェーン展開するイタリアンレストラン・グルービー。来たのは水戸の少し上にある東海本店。
グルービーは1982年にここから喫茶店としてスタートした。メニューはスパゲッティだけで100種類以上。他にもピザ、グラタン、ラザニア、焼きサンド、ピラフなどが豊富にあるので何人かで来てシェアするのも楽しそう。
私はいつも通り海賊スパゲッティを。まずテーブルに運ばれてきたのはセットで付いてくるアンティサラダ。ボリュームがあって嬉しい。ドレッシングは自社工場で造られているオリジナルでにんじん、セロリ、梅しそ、ごまの4種類から日替わりで提供される。今日はにんじんで、ほどよい酸味と甘み。
メインの海賊スパゲッティは見た目がほぼグラタン。焼き目のついたチーズとホワイトソースがたっぷりとかかっていて、下にはトマトソーススパゲッティと魚介(イカ、エビ、カニ、小柱、ツナ)がゴロゴロ入っている。耐熱皿の縁に溢れ出たチーズがより食欲をかきたてる。フォークでスパゲッティを巻き、火傷に細心の注意を払いながら口に運ぶ。まずはトマトソースで、次はホワイトソースを絡め、終盤はふたつのソースを混ぜ、粉チーズやタバスコも加える。完食まで次から次へと味が変化し、何種類ものおいしいを味わえる。また海賊スパゲッティを食べられるのは来年のお盆だ」(五明さん)
グルービー 東海本店
茨城県那珂郡東海村舟石川駅西4-10-6
TEL:029-283-0458
営業時間:11時15分~15時30分(L.O.15時)、17時30分~20時30分(L.O.20時) 土・日曜・祝日11時15分〜20時30分(L.O.20時)
定休日:第2・4火曜
04:千葉|ホワイト餃子 柏店
関東で広く親しまれるホワイト餃子。中でも五明さんが推すのは地元・柏店。餃子だけでなく家族経営の温かい雰囲気を味わいたい。
「本店は隣の野田市にあるが、物心ついた頃から私が育った柏市のソウルフードとして愛されているのが『ホワイト餃子 柏店』。ホワイト餃子は関東を中心に北は宮城、南は佐賀と全国に23店舗ある餃子専門店。はじめて食べたのが今から約30年前。高校生だったあの頃と場所も活気も変わらず営業していて嬉しい。
店に来たら瓶ビールと焼餃子を頼むのが恒例だが、車なのでノンアルコールビールと焼餃子一人前。待ち時間のお供にザーサイといかの塩辛も注文。職人さんの仕事を眺めることができるカウンターは特等席。年季の入ったフライパンに慣れた手つきで餃子を並べ、餃子が隠れそうなほどひたひたに熱湯を入れる。蓋をして蒸し、最後に大量の油をかけて揚げる。ホワイト餃子に来たならカロリーのことを気にしてはいけない。昔、店の斜め向かいにボクシングジムがあったが減量中のボクサーは辛かったと思う。
焼餃子が到着。形は丸く、きつね色の皮。揚げ饅頭のようだ。箸で摑み、作っておいたタレをたっぷりとつけて口に運ぶ。皮は表面がカリッと固く、ぶ厚い。かじるとパンのような食感でモフモフしている。餡は肉よりも野菜感多め。これは『餃子』ではない。『ホワイト餃子』という食べ物だ。
帰りにショッピングモールの駐車場に設置された充電スタンドに寄る。長時間のドライブにもかかわらずそこまで疲れを感じない。大男の私がストレスなく過ごせる広々車内のお陰だろうか。給電中、コーヒー片手に寛いでいるとサンルーフから綺麗な三日月が見えた。とても幸せな気分だ」(五明さん)
ホワイト餃子 柏店
千葉県柏市柏3-6-9 三ツ星ビル1階
TEL:04-7164-6367
営業時間:11時30分~13時30分、16時~20時
定休日:木曜、第2・3水曜
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