横浜代表 崎陽軒

「シウマイ」の名を日本に広めた立役者といえば、やはり崎陽軒をおいてほかにないだろう。20世紀初頭に東京から程近い横浜で生まれた崎陽軒は、現在の中華街周辺で、前菜あるいは酒のアテとして提供されていた「焼売」に注目、一口サイズにカスタマイズし揺れる車内でも食べやすい駅弁のおかずに昇華させた。今も変わらぬ豚肉と干し貝柱を使ったレシピは、当時から大好評。「冷めてもおいしいシウマイ弁当」は瞬く間に人気となった。シウマイ弁当 ¥860


「そして時は流れ、昨年東京駅にオープンした「横濱 崎陽軒シウマイBAR」は、焼売と酒を一緒に楽しめるスタイルのお店だ。仕事終わり、ビール片手にアペロをキメる男女。彼らはきっと焼売のおいしさを再確認していることだろう。「シウマイ」の魅力を発信し続ける企業の矜恃がここにあった。シウマイ全種 盛り合わせ 6個 ¥810

横濱 崎陽軒 シウマイBAR

東京都千代田区丸の内1の9の1
東京駅一番街 地下1階
TEL:03-3201-5600
営業時間:10時〜23時(フード22時L.O.)
定休日:無休


大阪代表 551蓬莱

大阪名物といえば、お笑い、たこ焼き、そして551蓬莱。豚まんのテイクアウトがあまりに有名だが、焼売も隠れた人気メニューとして評価が高い。土産物需要に隠れているが、551蓬莱が街の中華食堂からスタートしたことはあまり知られていない。大阪を中心に実に20近くの食事ができる店舗をもっていて、関西では街の食堂としてお馴染み。店舗では海鮮焼きそばやチャーハンが人気だが、セットで焼売を追加注文する客も多く、大ぶりの焼売にはお腹いっぱいになってほしいというサービス精神を強く感じる。メインの前に、焼売をつまみに軽く一杯というスタイルも悪くないだろう。551蓬莱ではガラス張りのライブキッチンを採用している店舗がほとんどで、厨房を見ると調理している様子が楽しめる。料理はもちろん出来立てを提供してくれるし、親しみやすい接客も大阪ならでは。551蓬莱の焼売のうまさの秘密は、もてなしの心と、サービス精神にあるのかもしれない。2個 ¥170 (価格は店舗によって異なります)

551蓬莱 なんばウォーク店

大阪府大阪市中央区難波2
なんばウォーク1番街北通り4
TEL:06-6213-8551
営業時間:テイクアウト10時~22時 レストラン11時〜21時30分(L.O.)
定休日:毎月第3水曜


あの食材が焼売に?
名産をギュッとIN

焼売は中華料理だが、長く親しまれてきただけあって日本各地に「ご当地焼売」が数多く存在する。かの崎陽軒でさえ「横浜のローカルフード」といった意見があるように、地方のご当地焼売の実力は折り紙付きで、全国でも通用するポテンシャルをもっていることは明らか。シンプルな料理だけに、食材をフィーチャーすることで獲得した突出した「攻撃力」もご当地焼売の特徴だ。地元の名産品を具に盛り込んで「まちおこし」の大役を担うものも多い。今回本紙が注目したのは玉ねぎの技巧派、いかの本格派、明太子のバランス型。地元の誇りを胸に、全国区に躍り出るのは果たしてどの代表か。個性的な3戦士を紹介する。


栃木県代表「足利シュウマイ」

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戦後の屋台では食材の保存が難しかったことから、肉の代わりに玉ねぎを使って生まれた「足利シュウマイ」。具材は片栗粉と玉ねぎのみ。それらを練って蒸しただけというシンプルさなのになぜか味わい深い。足利名産のチョイ辛ソースでどうぞ。12個 ¥870

樹洞(うろ) TEL:0284-21-434

福岡県代表「明太しゅうまい」

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ふっくらとした魚のすり身に粒のしっかり立った明太子を混ぜて蒸し上げた「明太しゅうまい」。プチプチの食感がアクセントとなり、さらに付属の明太味のタレにつけて食べると、ピリッとした辛さと旨味が渾然一体となってとにかくお酒が進む。8個 ¥1,080(税込み)

かねふく kanefuku.co.jp


佐賀県代表 「いかしゅうまい」

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呼子の名物といえばイカ。日持ちしないイカの活用法として生まれた「いかしゅうまい」は、すり身にしてイカの旨味をたっぷり閉じ込めた具を、細かく切った皮でまぶし蒸し上げる。最初は店舗限定メニューだったが、評判を呼び気がつけば大人気の一品に。8個 ¥1,296(税込み)

萬坊 yobuko-manbou.com/


Photos:Hiroyuki Takenouchi Motokazu Hara
Composition&Text:kinmasataka