僕はデザイン文化や音楽はアメリカの影響を強く受けているけれど、一方で20代の頃、バックパッカーで旅したタイをはじめとしたアジア各国の思い出がある意味強烈で。以来30年近く、仕事や休暇にかこつけて転々とアジア各地を旅するようになりました。特に食においては脈々と受け継がれる伝統料理ではなく、流行や文化が複雑に絡み合う中で生まれたB級的ローカル料理が好き。現地で口にした“あの味”を日本で食すにはどうしたら?を探るべく、東京に住む現地の人たちに徹底的にリサーチ。宝探し気分でひたすら掘り続け、今に至ります(笑)。


1.ウィパダー の鶏肉とじゃがいものマッサマンカレー

日本でも浸透してきた本格マッサマンカレー

場所はアジア料理の名店が並ぶ錦糸町駅そば。「タイのチェンマイ地方の料理が食べたくて探し当てた店。どれを食べても絶品ですが、初心者には、ピーナッツバターやココナッツミルクを使った『鶏肉とじゃがいものマッサマンカレー』¥1,100がおすすめ」。兄弟シェフが作る地元の味に魅了され、開店と同時にタイ人が集団で訪れるほど。

SHOP DATA
東京都墨田区太平2の4の4/TEL:03-6658-8940/営業時間:11時~15時、17時~23時30分 無休


2. 萬来亭 の上海焼きそば

このためだけに中華街へ足を運びます

プロ御用達の製麺所を併設する、横浜中華街にある由緒正しき老舗の上海料理店。「25年前に本場で食べた味が忘れられず、約15年前から通っている店。モチッとした自家製の太麺、量は多いのにぺろっと平らげてしまう老油(ロウチュウ)をきかせた味…この『上海焼きそば』¥800を食べるためだけに先日も足を延ばしてきました」。

SHOP DATA
神奈川県横浜市中区山下町126/TEL:045-664-0767/営業時間:11時30分~14時30分、17時~20時30分(L.O.)、土・日曜11時30分~20時30分(L.O.) 木休

3. カフェと印度家庭料理 レカ のベリー・スペシャルセット

“レカママ”の作る家庭の味が素晴らしいです

「多くのインド人が暮らす葛西は、まさに“日本のインド”。ローカル料理に出会える確率が極めて高い」。女性店主のレカさんが作る家庭の味は軽やかなのに、食材やスパイス、ハーブの味わいが掛け算的に広がる。「ベリー・スペシャルセット」¥1,600(税込み)はカレー4種、ビリヤニ、チャパティ、ライタなどがつく。

SHOP DATA
東京都江戸川区東葛西6の23の11/TEL:03-6676-0941/営業時間:11時30分~15時(L.O.)、18時~21時30分(L.O.) 月休


4.香港麺 新記 四谷三丁目店 の雲呑麺

香港麺とスープは唯一無二の味

都内にありそうでない、ローカル料理を提供する香港料理店。「香港の麺を代表する海老ワンタン麺こと『雲呑麺』¥850(税込み)は、豚骨でとった白濁した塩味ベースのスープ、ぷりぷりのワンタン、卵を使わないコシのある極細麺…シンプルなのに奥行きがある。店は三宿や虎ノ門にもありますが、四谷三丁目店の雰囲気が好きですね」。

SHOP DATA
東京都新宿区四谷3の8 2階/TEL:03-6380-0239/営業時間:11時30分〜14時45分、17時30分〜24時、土曜11時30分〜24時、日曜・祝日11時30分〜23時30分 無休

5.台湾客家料理 新竹 の魯肉飯

台湾発“おふくろの味”が食べられる店

「台湾人の友人に教えてもらった、客家出身の女性店主が始めた家庭料理店」。台湾版のおふくろの味「魯肉飯」¥850(税込み)は、豚のひき肉や椎茸を五香粉やしょうゆ、長ねぎなどを加えて甘辛く炒め煮した具をご飯にのせたもの。「夜は台湾ソーセージや砂肝のしょうゆ煮などの一品料理も充実しています」。

SHOP DATA
東京都台東区台東3の14の9 1階/TEL:03-5688-1388/営業時間:11時30分~14時、17時~22時(月・火・水曜~21時) 日、祝休


6. ハリマ・ケバブ・ビリヤニ のチキンビリヤニ

多数のホールスパイスを使用。口の中で華やかに香ります

インドのケララ州の五ツ星ホテルで腕を磨いたシェフが考案する、化学調味料や添加物未使用のメニューが並ぶ。「カルダモンやクローブ、八角など、スパイスを丸ごと使ったカレー風のベースと、ジャスミンライスが層をなす『チキンビリヤニ』¥1,440(税込み)は必食。ライタと呼ばれるヨーグルトを混ぜて食して」。

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東京都台東区東上野3の36の7 1階/TEL:03-6672-1796/営業時間:11時~15時、17時~22時30分 無休

Smooth Suzuki

モバイルアプリ、カスタマーエクスペリエンスのUIデザイン、サービスデザイン全般を行う。アジアでの活躍も目覚ましく、各地を巡り、徹底的に食べ歩く日々。「ナオヒロック&スズキスムース」としても有名。https://speedgraphics.jp/


Photos:Midori Yamashita
Composition&Text:Yukino Hirosawa