
いつもよりちょっぴりケミカル。
ようやく夏も終わりそうな頃合い。グローバルブランドの「UNIQLO(ユニクロ)」において、シーズン立ち上がりの起爆剤とも言える特別コレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」2025年秋冬が、いよいよ9月26日(金)に発売される。その発売に先んじて、編集部員が試着ルポに訪れた。
薬師神:店頭配布中の「LifeWear magazine」最新13号を持ってきました。加えて、オフィシャル画像を紹介した速報記事も参考になります!


今秋冬のテーマは「Future Layers」。直訳すると「重なり合う未来」、つまりは「未来のレイヤードスタイル」とも受け取れる。国内外の無頼なアーティストの日常に寄り添うワードローブの軸は、メリノウール、クリスピーナイロン、パフテックなど。これらの異素材をシームレスかつ自由に組み合わせたレイヤードスタイルを、「LifeWear magazine」の誌面で打ち出していた。
薬師神:レイヤードを気ままに楽しむアーティスト。ボクもこんなふうに着こなしたい!
北條:このグリーンのブルゾン、たぶん高機能中綿の「PUFFTECH(パフテック)」採用アウターですね。それにしても色合いが濃い…。
薬師神:決めた。この2つの見開きページで紹介されている、「ベージュのカバーオール」と「グリーンのブルゾン」を試着ルポのゴールにします!
①ラムクルーネックセーター ¥4,990

編集部員の北條も薬師神と一緒に試着ルポに参加。今秋冬、アーティスティック・ディレクターを務めるクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ-リン・トラン(SARAH-LINH TRAN)が率いるパリのデザインチームが求めたインスピレーション源は「北海とその周辺の雄大な自然」だ。
薬師神:フィヨルドだっけ。行ったことないよ。
北條:札幌出身の私ですら生命の危険を覚えるほどの極寒の地。どす黒い北海がヴァイキングたちを飲み込んだという伝説がいくつもございます。
ブルーグレーともチャコールとも異なる、ほの暗く混濁したかのような色合いの「ラムクルーネックセーター」の色番号は「06 GRAY」。まじまじと見つめ、「ユニクロ ユー」2025年秋冬を象徴するカラーであると認識を新たにする2人だった。




テーマとアイコンカラーを踏まえてアイテムを深堀り。今秋冬は前秋冬よりも1アイテム多いメンズ18アイテムを展開。グッズ4アイテムのほか、ウィメンズ14アイテムの中にはユニセックスで使用できるものもあり、前春夏の継続商品もある。
薬師神:「ユニクロ ユー」で毎シーズン多用されるブラウン調カラーは健在だね。バジルグリーンやプラムパープルなどカラーパレットが本当に暗め。ワクワクというか、ゾクゾクしてきた。
北條:あえて先にツッコミをば。北海と北海道は似て非なるものでインドとインドネシアくらい違います。北海は東はバルト海、北はノルウェー海、南はドーバー海峡で大西洋に繋がっております。
薬師神:漁師になった気分。あ。見つけた!
②パフテックショートブルゾン ¥7,990

当初の宣言通り、お目当ての「パフテックショートブルゾン」をピックアップした薬師神。掲載カラーは「57 OLIVE」で、他色に「09 BLACK」と「31 BEIGE」が揃う。今秋冬のメンズアウターは4型あり、機能素材のパフテックを採用したこの中面ブルゾンが最も防寒性が高いのだ。
薬師神:もこもこしててダウンっぽい。
北條:おお、早速のスタイリング提案!
薬師神:インナーのシャツは誌面と一緒。パンツはブラウンのコットンチノっぽかったけど、ボク好みの素材があったのでスイッチしてみました。
北條:あらま。その素材とは?
③ブラッシュドスウェットワイドパンツ ¥3,990




薬師神:こちらのふんわりとしたブラッシュドスウェット素材です。丸っこいフォルムで、両面起毛で肉厚かつ杢調のヘザーな色合いが魅力。
秋冬気分が高まるボリューミーな「ブラッシュドスウェットワイドパンツ」はポリエステル84%・レーヨン16%の混紡素材。エレガントな面持ちと裏腹のイージーな着用感が持ち味で、ウエストはゴムとひもで調整できる。薬師神のいち推しが「08 DARK GRAY」。他色に「35 BROWN」と「39 DARK BROWN」もあるが、ブラックがないのだ。
薬師神:来秋冬はネイビーで作って欲しい。
北條:今年も酷暑過ぎて、長らく白Tシャツとコットンパンツしか着ていなかった薬師神パイセン。この高揚感こそ、試着ルポの醍醐味なのでしょう。
④ブラッシュドモックネックTシャツ ¥1,990

北條:パイセンが試着しているうちに私も着替えようかと。アースカラーは太って見えるかしら…。
モックネックの絶妙な高さもデザインのうち。遠目からでも「ユニクロ ユー」とわかる「ブラッシュドモックネックTシャツ」もまたアイコニックな逸品だ。北條がチョイスした「31 BEIGE」の他に、「00 WHITE」「09 BLACK」「69 NAVY」「77 PURPLE」が揃う。サイズも最大4XLまで幅広くラインナップしているのだが…。
⑤コーデュロイユーティリティパンツ ¥3,990

北條:ぐぬぬ。小さい…。だが、いつものコットン100%の安心感とはまた違った利点もあるのである。綿56%・ポリエステル44%の混紡素材で、ピッタピタでも少々の伸縮性があり問題なし!
プレスルームに用意されている商品サンプルはLサイズのみ。身長184cm・体重94kgの北條にとって、まるでウェットスーツのようなタイトフィットだった。薬師神が試着している「ブラッシュドスウェットワイドパンツ」と同様のフォルムの「コーデュロイユーティリティパンツ」も同じくLサイズ。ウエストゴムいっぱいでギリギリ試着できた。
北條:商品は4XLまでサイズ展開がありますので安心してください。サイズアップしたら公式ヴィジュアルのモデルみたいに優雅に着用できそう。
⑥ツイルワークオーバーサイズシャツ ¥3,990




一方の薬師神、「ブラッシュドスウェットワイドパンツ」の「08 DARK GRAY」に、「ツイルワークオーバーサイズシャツ」の「56 OLIVE」を合わせる。極小の格子柄で、他色に「08 DARK GRAY」がある。そしてまた、薬師神も北條と同じような着用感を抱いたのだった。
薬師神:このチェックシャツ、いつもならば綿100%で作っていると思うの。素材を見てみるとポリエステル65%・レーヨン35%の混紡で、肌心地は滑らかだけど少しケミカル。これが、2025年秋冬の「ユニクロ ユー」のポイントなのかも!?
確かに、コットン100%やウール100%が至上というわけではない。パリのデザインチームを率いるクリストフ・ルメールとサラ-リン・トランの独特の素材選びは、「ユニクロ」が誇るマスへの訴求とは幾分異なるアプローチ。これが“旬”なのだ。
薬師神:ドライバーズニットはどうでしょう?
⑦ダブルフェイスフルジップジャケット ¥6,990

秋は軽アウターとして、冬はインナーにと大活躍間違いなしの「ダブルフェイスフルジップジャケット」にトップスをチェンジ。上質なメリノウールをブレンドしたダブルフェイスジャージー素材で、アクティブな動きにも対応するイージーな着心地だ。
薬師神:綿23%・アクリル21%・ポリエステル16%・毛16%・ナイロン13%・レーヨン11%の混紡率で、使用素材の多さは過去イチかも。緻密に計算されてるって気がします。
カラバリは秋らしい「56 OLIVE」の他、パンツの色よりも若干薄めの「07 GRAY」と「09 BLACK」が揃う3色展開。深みのある上下のカラーパレットが織りなす大人のエレガンスと、包み込まれるような着用感が伝わってくる。




北條:こんにちは。今秋冬のテーマである「Future Layers」、直訳すると「重なり合う未来」、つまりは「未来のレイヤードスタイル」をどうぞ。
薬師神:それ言いたいだけなのでは…。
完璧なコーディネートバランス。異素材をシームレスに組み合わせたレイヤードスタイルが今秋冬の「ユニクロ ユー」らしさ。パフテック(ブルゾン)・メリノウール(ニット)・ブラッシュドスウェット(パンツ)の三重奏は、確かにメインラインの「ユニクロ」ではなかなか味わえない。
薬師神:ところで北條さんの腕にあるモノは?
北條:よくぞ聞いてくれました!
⑧ミニバッグ ¥1,500




こちら、撮影前のセッションより。
北條:これも「Future Layers」。
薬師神:血圧も計れそうですけども…。
毎シーズン、アイデア商品のごとく数々の機能バッグをリリースしている「ユニクロ ユー」。携帯電話やパスポート、財布などをコンパクトに収納できる「ミニバッグ」は首から提げたりショルダーにするなど使い勝手がいい。さらに、背面のアームストラップで腕に巻き付けることができるのだ。
《公式スタイリングはこちら》


腕への着用例は公式ヴィジュアルを参考に。軽量のナイロン素材でラフに扱える。止水ファスナーと小雨程度の水を弾く撥水加工など、ランニングギアから着想を得たかのようなデザインだ。カラバリは「08 DARK GRAY」「09 BLACK」「39 DARK BROWN」の3色展開。価格も手ごろだ。

薬師神:ささ。パフテックブルゾンを脱ぎまして、次の大物アウターを試着しましょうかね。
北條:(パイセンがゾーンに入ったっぽい…)
4型のメンズアウターのうち、2つめを探すべくラックへと歩み寄る薬師神。ちなみに、今秋冬の「ユニクロ ユー」では初の試みとなる「オンライン予約販売」が催されていた。このデータは一般発売後の商品の売れ行きを占う指標になるのだが、その中でとりわけ多くの支持を集めたアウターがあった。
⑨オーバーサイズステンカラーコート ¥12,900




薬師神:2025年秋冬はこのカタチなのね。ロング丈アウターの中で、“コットンベースのステンカラー”は「ユニクロ ユー」ではもはや定番。
シーズン毎に買い足す固定ファンもいるほど。予約販売の実績からベストセラー確実とされるアウターが、「オーバーサイズステンカラーコート」だ。今秋冬の素材は小雨程度の水をはじく撥水加工を施したコットンナイロンで、綿60%・ナイロン40%の混紡。裏地もしっかりと施されている。
薬師神:いつもよりケミカル度合いが強め。2022年のような玉虫色まではいかないかな。

今秋冬の最高値。ほぼ定番アウターといえど、ディテールや機能面にマイナーチェンジが施され、シーズン毎に新鮮な面持ちの「オーバーサイズステンカラーコート」。ファスナーとスナップボタンで留める比翼仕立てで、背中にはベンチレーションが付き、収納可能なフードも付属する。試着した「34 BROWN」と「09 BLACK」の2色展開。
薬師神:パリの町を闊歩したくなるよね。
北條:あの~。冒頭でお気に召されていた2つのアウターの残りのほう、そろそろ試着されてみては?
薬師神:そうでした! どれだっけ?
⑩オーバーサイズカラーデニムジャケット ¥5,990

⑪ワイドフィットカラージーンズ ¥4,990

北條:こちらの「オーバーサイズカラーデニムジャケット」です。最新13号の表紙を手掛けたバルセロナ在住の版画アーティスト、ダヴィット・シュミット(David Schmitt)さんの着用カラーと同じ「30 NATURAL」を用意してございます。
綿100%のアイテムは今秋冬の「ユニクロ ユー」ではこのシリーズだけ。ジージャンの着丈より長く、カバーオールの着丈よりは短いサイジングで、斜めのスリットポケット仕様。無骨ながら存在感を主張するユニークなデニムジャケットだ。
薬師神:同じ素材の「ワイドフィットカラージーンズ」まで。ダヴィッドさんはグレーのパンツと合わせていたけど、やっぱりセットアップだよね!
⑫ハイネックセーター ¥4,990




薬師神:どうでしょう? ゼットアップで着る前に、まずはデニムの「30 NATURAL」に合わせて「ハイネックセーター」の「32 BEIGE」と合わせてみました。秋冬が待ち遠しい組み合わせ。
北條:繊細かつナイーブな大人感マシマシ。サンドベージュとグレイヘアの相性もよござんす。
探そうにもなかなか見つからないラグランスリーブ仕立ての「ハイネックセーター」。他色に「09 BLACK」と「56 OLIVE」がある。アクリル57%・毛25%・ナイロン18%の混紡素材で、毛玉ができにくいアクリルをメリノウールに織り込み、簡単ケアと抜群の耐久性を実現した。

前編のラストコーディネート。ちなみに、「ユニクロ ユー」のニットの大半を占める「メリノウール」は今秋冬の「ユニクロ」メインラインでも大々的にフィーチャーされている。パリが太鼓判を押すニットのトレンドも憶えておこう。
北條:あら素敵。でも、ウールのインナーにコットンのアウターはパイセン的にご法度では?
薬師神:カジュアルな混紡ニットだし、そのあたりのセオリーは深く考えなくてもいいかな。ガンガン着ちゃうくらいのマインドも、「ユニクロ」の特別コレクションの良さでもあるし。
北條:御意。あえて雑に扱って、ペンキや絵の具をデニムに飛び散らせてもいいかもです。
薬師神:いかにも。
⑬ナローロングレザーベルト ¥2,990

イタリアの老舗であるヴォルピ(Volpi)社製の本革を使用。ワイドストレートのデニムを締めた「ナローロングレザーベルト」は、「ユニクロ ユー」の今春夏からの継続品である。「09 BLACK」「38 DARK BROWN」「30 NATURAL」の3色展開も継続。
薬師神:いっそ定番化したらいいのに。
新しい価値を創造し、良いものをきちんと評価して継続する姿勢は、クリエイティブでありサステナブルでもある。今秋冬の「ユニクロ ユー」には「大人のユニクロ」が盛りだくさんだ!
《オマケの2枚》


オマケの2枚。
北條:「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」by ニーチェ。
真冬の北海のようなダークなカラーと単色のブラックも「ワイドフィットカラージーンズ」には存在していた。続く後編では、買って120%間違いのない“黒”を中心に試着していく。乞うご期待!
Uniqlo U 2025年秋冬
テーマ:Future layers
型数:メンズ(18)・ウィメンズ(14)・グッズ(4)
販売店舗:全国のユニクロ80店舗、ユニクロオンラインストア(※一部商品を国内全店舗で販売)
・オンライン先行予約販売(一部商品)
販売期間:2025年9月12日(金)9:15~9月18日(木)
配送予定時期:2025年9月22日(月)~9月26日(金)
※先行予約販売予定数が上限に達し次第終了
※オンライン先行予約販売で完売した場合も、店舗・オンラインサイトともに再度販売を実施
・LIVE STATION
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