「買い物は人生の道標」と語るのは、UOMOでもお馴染みのファッションディレクター、金子恵治さん。金子さんの買い物は目的があるように見えて、実は衝動買いの連鎖。「常に最愛のモノを追い求めているけど、心が揺れる衝動買いにロマンを感じ、その感動が自分の仕事の糧になっています」そんな金子さんの、5カ月にわたる衝動買いの「声」に耳を傾ければ、あらためて服の楽しさは出会いにあることに気づかされる!

レショップのバイヤー、コンセプターを経て独立。現在は複数のブランドディレクション、PR業を行うほか、青山で自身のショップ「BOUTIQUE」も営む。
4/29 Tue|MERRY GO ROUND オリジナルTシャツ

僕なりの「82年のパリ」
「メリーゴーランド」は、クラスのデザイナー堀切道之さんが手がけるお店。月に一度テーマが替わり、品揃えが一新されるため目が離せない。ただ、自分が住むエリアからのアクセスはよくない。それでもわざわざ足を運びたくなる数少ないお店でもある。テーマが更新されたのを知り、少し出遅れた数日後に訪問した。すでにライバルたちに荒らされていたようにも感じたけれど、十分好きなものが残されていた。メリーゴーランドは古着が中心の品揃えで、その都度テーマに沿ったオリジナルのプリントTシャツも販売されている。毎回すべてのテーマに感動してしまうから、毎月欲しいものが現れる。けれど、それが怖いからたまにしか行かない。
このTシャツは「82年のパリ」をテーマにした際に作られたもの。このTシャツを見つけたとき、すでにパリ出張が決まっていた。そんなときに見つけたものだから、絶対にこれをパリで着ようと思った。そういう思いで服を着るのが最高に好きだ。気持ちで着るっていうのだろうか。ちなみに、そのとき一緒に購入した同テーマの古着も全部パリへ持って行き、「82年のパリ」に思いを馳せて全部着た。なんとも言語化できない気持ちで、パリが新鮮なものに感じられた。