2025.09.07
最終更新日:2025.09.07

【レユッカスのタッセルローファー】似合うまであと15年|ファッションディレクター金子恵治の衝動買い日記

「買い物は人生の道標」と語るのは、UOMOでもお馴染みのファッションディレクター、金子恵治さん。金子さんの買い物は目的があるように見えて、実は衝動買いの連鎖。「常に最愛のモノを追い求めているけど、心が揺れる衝動買いにロマンを感じ、その感動が自分の仕事の糧になっています」そんな金子さんの、5カ月にわたる衝動買いの「声」に耳を傾ければ、あらためて服の楽しさは出会いにあることに気づかされる!

金子恵治プロフィール画像
ファッションディレクター
金子恵治

レショップのバイヤー、コンセプターを経て独立。現在は複数のブランドディレクション、PR業を行うほか、青山で自身のショップ「BOUTIQUE」も営む。

5/1 Thu|Le Yucca’s のタッセルローファー

Le Yucca’s のタッセルローファー

似合うまであと15年

 今日は、待ちに待ったタッセルローファーを受け取りに。古着屋に落ちているアメリカのヴァンプが浅いローファーに憧れがあった。あんなの誰が履くのだろう? 絶対に足がパカパカ浮いてしまうし、意味がわからないと思っていた。でも、あの感じを再現して今履けるものが作れたらいいな、ともいつも思っていた。レユッカスの村瀬由香さんとは、そんな話ができる間柄だ。レディスも手がけているからヴァンプが浅いものへの造詣は深く、「メンズでもやってみるか!」といった感じで新しい木型を作ってくれた。それは過去にレショップ別注として販売したが、お客様にはあまり理解を得られなかった(笑)。

 僕はさらに究極の「古着屋でホコリをかぶった感じ」を作りたく、今回新たにオーストリッチで依頼。ディテールもごちゃごちゃとした、本当に濃いものができてしまった。なんでもない普通の古着のジーンズや適当なスラックスを合わせて、当時のアメリカのラルフ ローレン好きおじさんのように履きこなせたらいいが、それはまだ実現していない。なんとなく65歳を過ぎたら完成しそうな気がして、今の僕にはまだ早い感じがしている。

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