ドレススタイルの新しい可能性を提案するゴダール ハバダッシェリー。そのフレアに古着との関係を拡張するヒントがあった。
生地は硬くて重いものだけスラックスで着崩す楽しみ
テーラーリングアイテムを軸にしながら、古着やモードをミックスする自由な感性で支持を集める洋品店「ゴダール ハバダッシェリー」。オリジナルのセミフレアパンツは、オープン直後からオーダーを受けてきた定番アイテムの一つ。オーナー笹子博貴さんが考える、着崩す前提のスラックスとは。
「もともと’70年代のスーツの組下から着想を得たもので、当時のヨーロッパではビジネスマンでもフレアパンツが主流でした。それくらい、なんてことないムードの一本を作りたかった。プリーツや持ち出しなどクラシカルなディテールはなるべく削ぎ落とし、フロントもあえてジップフライにしています。ただ、日本製にこだわっているので縫製のクオリティはかなり高い。最近は選べる生地を硬くて重いものに絞っていて、目付でいうと465gぐらい。まさに背広で使われるくらい厚手のものですね。そのため、ズドンと落ちて、きれいなセミフレアになるのが特徴です。膝位置はお客さんによって合わせていますが、一般的な既製品よりも5㎝くらい上にしているので、日本人でも美しいシルエットではける。合わせるアイテムは、ドレスシャツではなく古着を選んでもらいたい。足元はボロボロのコンバースなどがいいと思います。ファッションテーラーリングとして作っていますが、ジーンズのように着崩してほしいですね。生地が軽いと心もとないけど、これは厚手なので気にせずガシガシはいて、洗ってください」

生地の重さがきれいなセミフレアを実現。ハイライズでヘソ上くらいまでぐっと上げて、ノークッションではくのがおすすめ。



指定の見本から生地を選ぶ、パターンオーダー。ほかにコーデュロイなどを選ぶこともできる。基本のシルエットは決まっているが、実際に笹子さんと話しながら、希望や体型に合わせて微調整することは可能。前金として半額分支払い、2カ月後に完成して受け取る際に、残金を支払う。
GODARD HABERDASHERY
英仏遊学後、ショップバイヤーとして経験を積んだ笹子博貴さんが2019年にオープンした洋品店。オリジナル商品も多数販売する。
東京都渋谷区渋谷2-2-3
営業時間:16時~21時
定休日:水曜