あくまでベーシックを守りつつ、微差で毎日を楽しむ。そんな小林さんが1カ月分の実例を披露。さりげない小技の数々に注目だ。
「1カ月、毎日違うVゾーンにこだわる」話
1983年生まれ。ドレス部門のプレスからブリッラ ペル イル グストのディレクターに抜擢された異色の経歴をもつ。プライベートでは2歳の一人娘を溺愛するよきパパ。
ビームス「ブリッラ ペル イル グスト」のディレクターを務め、時代性のあるベーシックを実践する小林さん。
「以前は個性的な服も好きでしたが、シンプルなほうが自分らしいと気づきました。毎日同じような服装に見えるかもしれませんが、自分なりに細かい変化を楽しんでいます。ポイントは、素材とシルエット。例えばグレースーツの場合は、風合いが異なるサキソニーとフランネルを同色で揃えて着分け、パンツやニットは同じものをサイズ違いで揃える。微差を追求していくと、ベーシックの範囲でも無限のバリエーションを楽しめますよ」。
DAY1

コットンスーツに白シャツ、ニットタイで気負いすぎないタイドアップを。ピンクとグリーンのボーダーでホックニー的なアクセントを加えて。
DAY2

DAY1と同じコットンスーツ・白シャツ・ニットタイという合わせも、シャツをタブカラーに替えて印象チェンジ。少しキリッとした印象に。
DAY3

コットンスーツとニットポロを無造作に合わせたスタイリングはイタリア人の定番。シンプルな配色なので、チーフで差し色をプラスして。
DAY4

ブレザーにシャンブレーシャツ、デニム、チーフまでブルー系で統一。ほぼ見えないけれど、ウエスタンシャツを合わせているのもポイント。
DAY5

ミディアムグレーのストライプスーツはマイ・スタンダードの一つ。シルクチーフをクラッシュトパフで挿して、さりげなく軽やかさも演出。
DAY6

スーツの色とリンクさせて、グレーベースのタイを合わせているのがポイント。統一感を高めつつ、モダンな印象も感じさせるスーチングに。
DAY7

グレーストライプのダブルスーツにベージュのタブカラーシャツでヘリテージな趣に。タイの柄には茶色が入っていて、密かにシャツとリンク。
DAY8

ひと昔前のイタリアンスタイルなら、ブラウンスーツにはネイビーポロ。そこをブラックに替えて今どきに。スカーフはあくまで控えめに挿して。
DAY9

ネイビーストライプスーツをトーン・オン・トーンのVゾーンで。タイはヴィンテージ調の柄で遊びを入れつつ、3ピークスのチーフで上品に。
DAY10

スーツ、シャツ、タイともすべて柄モノの日。うるさく見せないコツは、それぞれの柄の大きさを変えること。色使いはネイビー系で統一。
DAY11

ブラウンスーツにはやっぱり暖色系が相性よし。シャツ・タイとも赤系を選びつつ、ヴィヴィッドすぎない発色にすることでベーシック感をキープ。
DAY12

ドットタイは柄の大きさによって印象がガラリと変わるアイテム。この日はやや大きめのものを選んで、クラシックとポップの中間を狙って。
DAY13

ブレザーは紺じゃなく黒。そしてボタンも金ではなく銀。インナーはマイクロボーダーにしてさりげなく。フレンチトラッドなムードの装いに。
DAY14

非常に細かいマイクロ千鳥格子のスーツは、無地スーツ感覚で使えて便利。モノトーンのストライプタイにタブカラーシャツでモダンな合わせに。
DAY15

オフ白〜ベージュのニュートラルカラーは、リラックス感を大人っぽく演出したいときに。グレーパンツも明るめのトーンを合わせるのがポイント。
DAY16

白シャツに黒のパンツだけだとかなりシャープに見えるが、そこにニュートラルカラーを加えてマイルドに。肩掛けニットは無造作感が重要。
DAY17

ネイビースーツに紺無地タイのストイックな合わせは、ピンホールのシャツをアクセントに。首元でバーがキラリと輝いて、適度な華やぎも。
DAY18

ブレザーにウォッシュドデニムを合わせてカジュアルダウン。ハイゲージニットを着ることでモダンな佇まいに。首元の白Tの分量にもこだわりが。
DAY19

ノーブルなブリティッシュ感が漂う白黒グレンチェックスーツをモノトーンのVゾーンで。タイはレトロ調の柄を選んで、ひねりもプラス。
DAY20

グレンチェックスーツにストライプタイという王道のクラシックスタイル。自分の定番でもあるブラックベースのネクタイで時代感をプラス。
DAY21

ネイビーソリッドのシルクタイとサックスブルーの無地シャツでストイックに合わせた日。チーフもTVフォールドで、端正なVゾーンを構築。
DAY22

エクリュのジャケットを白シャツとグレーパンツで軽やかに合わせつつ、タイで彩りを。ピンクとブラウンが交じったような絶妙の色がお気に入り。
DAY23

この日はブラックの分量が多め。重く見えないよう白シャツで抜けをつくりつつ、グレージュが効いたタイでストイックすぎない合わせに。
DAY24

ドットタイが再び登場。でも実はDAY12と同じではなく、こちらは水玉がランダムに並んだ柄。白黒の色使いとも相まって遊びのある印象。
DAY25

白黒のシェパードチェックジャケットはクラシックかつモダン。タイとチーフは黒×グレージュで配色を揃えて、ジャケットを引き立てる合わせに。
DAY26

完全モノトーンで固めて。ジャケットの柄に適度な主張があるので、色を極限まで絞っても着映えする。ニットポロは裾をインしてドレッシーに。
DAY27

この日も完全モノトーン。ブラックデニム、ニットタイ、肩掛けしたニットと、カジュアルやトラッド要素をちりばめることで変化を楽しむ。
DAY28

白黒にグリーンを加えると、ひと味違ったスタイリングに。グレイッシュなトーンを選んでシックにまとめて。パンツは英国調のインプリーツ。
DAY29

ネイビー無地スーツを同系色で。シャツをやや発色強めのブルーにすることで、シンプルになりすぎない装いに。波のようなタイの柄もポイント。
DAY30

ネイビーブレザーに色落ちしたジーンズとスカーフを合わせてパリジャンなムードに。ちらっとのぞく赤や白の見え方もさりげなく計算して。