“スーツで生活”を徹底するフォトグラファー・長山一樹さんが、ついに英国ビスポークの扉を開けた! その出来映え、どうでしたか?
長山一樹に訊く「初めてのサヴィル・ロウ」の話

海辺のロケでも下町の町中華でもオーダースーツに身を包んで現れる長山さん。筋金入りのスーツラバーかと思いきや…。「僕はスーツマニアでもオーダーフリークでもないので、感性の合う店が一つ二つあれば十分。有名テーラーを全制覇してみたい、なんて野望はまったくありません。とはいえ、昨年秋に英国ロケが決まり、しかも半日ほど自由時間ができそうだったので思わず、背広の聖地サヴィル・ロウを訪れたくなってしまいました。狙いを定めたのは『アンダーソン&シェパード』。ここのスーツはソフトな仕立てが有名で、かのフレッド・アステアも愛用した“踊れるスーツ”。僕にとっては、鎧のような軍服由来の仕立てよりもこちらが性に合っていると思い、その扉をたたきました。
当然店内はかなりの格調の高さで、パンツとジャケットで採寸の担当者が交代する英国流スタイルも初体験。でもいざオーダーとなるとすんなり進み、途中で困ることはありませんでしたね。シルエットはこうしたい、生地はこれ、自分の職業は…と、要望を明確に伝えられたのがよかったのかも。
後に再び仮縫いで渡英し、つい先日届いたのがこちら。初回にもかかわらず期待以上の完成度でしたが、これ一着で終わらせたくないですね。テーラーとは、行きつけの寿司屋のような関係性を築けるのが理想。何度も通えばこちらの好みも以心伝心でわかってくれるし、こっそりいいネタが出てきたりもします。素晴らしい一着を仕立ててくれたホールさん、ソニーさん、ありがとうございました。また近々、再会できることを願っています」。


1982年生まれ。2007年にフォトグラファーとして独立し、雑誌・広告・写真集など幅広い分野で活躍。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」では写真・映像の撮影監督も担当している。インスタグラムでは二つのアカウント@kazuki_nagayama @mr_nagayamaの合計フォロワーが7.4万人以上と、SNSでの影響力も高い。