2025.10.02
最終更新日:2025.10.02

【おしゃれな大人のスーツ道】「ハズバンズ」ニコラ・ガバールに訊く「自由にスーツで遊ぶ」話

「ハズバンズ」設立者のニコラさん曰く、「私が行っているのは、スーツの解放運動」。その自由な感性を彼から学びたい。

ニコラ・ガバールに訊く「自由にスーツで遊ぶ」話

ニコラ・ガバール

 日本はもちろん、本国フランスやアメリカでも熱狂を巻き起こすハズバンズ。その作り手であるニコラさんのスタイルは、スーツの固定観念にとらわれない自由さにあふれている。「私はドレスウェアに変化を起こしたいんです」とニコラさんは語る。

「海外では日本以上に、仕事でスーツを着る習慣が消えつつあります。でも私に言わせれば、それは喜ばしいこと。だってスーツの新しい物語を始める絶好の機会ですから。スーツとは、言葉にできない人間の個性を雄弁に表すことができる服だと思います。生地、シルエット、シャツとタイの合わせ方すべてにその人らしさがにじむからです。だからこそ、私は多くの人が個性を発揮できる服を作りたいと考えています。
 ハズバンズのスーツは’70年代テイストと評されますが、実はそれだけが背景ではありません。チャップリンが活躍した’20年代、ワイドパンツが隆盛した’30年代、そしてコム デ ギャルソンやメゾン マルジェラが世界を魅了した’90年代…あらゆる時代をリサーチしていますし、デザイナーのフィービー・ファイロや写真家のコリーヌ・デイなど女性の人物像からも影響を受けています。そして重要なのは、それらをただコピーするのではなく、ミックス&マッチで再構築すること。そうすることで、クラシックを継承しつつ旧来の枠から解放された、自由なスーツスタイルを提案できるのです。
 でも、私はお客様をデザイナーの着せ替え人形にしたくはありません。ですから、ぜひご自身の感性でスーツを楽しんでほしいですね。変化を起こすのは、皆さん一人一人なのです」

ハズバンズ パンツ
ハズバンズ スーツ
ハズバンズ ジャケット
ハズバンズ ジャケット 2

しっかりと構築された肩まわりに、ワイド&ローゴージなラペル。そして裾が優雅にフレアしたノープリーツパンツ。どこか懐かしく、それでいて新鮮な刺激に満ちたスタイルがハズバンズの真骨頂だ。ベーシックな無地でも、ビジネススーツとは一線を画す佇まいに仕上がっている。今季はマイルドなトーンで表現したブラウン系のアイテムが充実。これらはすべてトゥモローランドで購入可能だ。

ニコラ・ガバール

1969年生まれ。弁護士や会社経営を経て、2012年に自らのブランド「ハズバンズ」を創業。ヴィンテージをリミックスした独自のスタイルで話題を集める。パリ2区のリシュリュー通りと6区のアベイ通りにブティックを構え、日本をはじめ世界各国でトランクショーを行っている。

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